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SABLA さんの投稿された作品が11件見つかりました。
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4の呼吸 5-1
放課後の教室は何故だか好きではない。しかし、今日に限ってはそうではなかった。今朝の"ビックニュース"があったからだ。 明(アキラ)は家に電話をかけていた。今日の塾はあまり気が乗らないから行きたくないとかそういうくだらない内容だった。 「どうしたー明?早く帰ろうぜ!」 魁の呼びかけに明は電話を途中にして帰る準備を急いだ。 「うん、わかったよ魁。おい、亘も急げよー。」 亘がもたついているのを見て
SABLA さん作 [399] -
4の呼吸 4-6
「本当に明るい子だったんですよ・・・」 彼女の様子に阿部はいたたまれない気持ちになった。しかし木戸はそうもいかないようだ。 「すいませんねぇ、先生。こちらとしても出来るだけ子供達に配慮しながら捜査してますが、なんにせよ殺人ですからねぇ。明日にはニュースや噂やらで子供達の耳に届くのは確実です。」 それを聞いて彼女はそうですね、とだけ答えた。明日からのドタバタを想像したのだろうか、声に力がなか
SABLA さん作 [435] -
4の呼吸 4-5
阿部は急いで彼女に近付いた。 「な、何ですか!?いきなり?」 「すみません、私達は戸塚警察署のものです。あなたが佐藤静子さんですよね?」 というのも、一応の確認だった。 「えぇ、そうですけど・・・」 そう言って、彼女は少し考えてから、閃いたように状況を理解した。 「あっ。もしかして、北澤君の件ですか?」 「お察しの通りです。」 「わかりました。じゃあ応接室に。そこで話しましょう。」
SABLA さん作 [537] -
4の呼吸 4-4
「いやぁ、驚いたな。」 木戸は心底驚いた様子だった。それには部下の阿部も同感だった。 「まさか、生徒資料の備考欄にあんなにびっしり個人個人の特徴を書いてるんだからなぁ。」 「それだけ教師も努力してるんですよ、ホントに教師にならなくてよかったですよ。」 確かに、教師というのは普段の仕事に加え、生徒の名前や特徴を把握しコミュニケーションを計れなければならない。むしろ、最近ではそちらを重視する
SABLA さん作 [837] -
4の呼吸 4-3
「はい、どうぞ。」 そう中から声がした。 阿部が扉を開けると、そこには中年の女性がいた。白髪混じりではあるが髪の毛は整えられ、服装も来賓を迎え入れるには相応しいものだった。おそらく彼女がこの学校のトップなのだろうと阿部はたずねた。 「あなたが校長の佐久間さんですか。」 「いいえ、残念ですが、校長の佐久間は市の懇談会に出席してて不在なんです。私は教頭の・・・」 というと、彼女は名刺をとり
SABLA さん作 [539] -
4の呼吸 4-2
木戸と阿部の二人は予定通りに小学校に到着した。 「まずはどこに行くんだ?」 「それはもちろん校長室に挨拶しなきゃだめでしょう?アポ取ってるからって、いきなり来て、はいどうぞとは行かないでしょうし。」 そうだな、と軽く頷いて木戸は車を降りた。それに続くように阿部も下車し、校舎へ向かった。 「今日は特に暑いな。」 と木戸はつぶやいた。 「"オンダンカ"ってやつか?」 「確かに最近よくい
SABLA さん作 [665] -
4の呼吸 4-1
「3時になりましたよ。」 と、部下の阿部がソファにいる木戸を見た。しかし木戸は完全に眠りについていた。 「木戸さん、早く起きて下さい。行きますよ。聞き込み。」 「んん?ああ、もうこんな・・・・わかった、行こうか。」 警察署での待機時間の後、二人は被害者の通っていた小学校に向かうことに決めていた。午後3時以降にしたのは放課後の職員室に教師が一斉に戻ってくる時間だし、それに何よりも被害者
SABLA さん作 [614] -
4の呼吸 3-5
教頭の説明は思ったよりも時間がかかった。そのことに腹が立っていた由美は自らの腕時計を見た。 はぁっ・・・・ と自然とため息が出た。来てから二時間もかかっている。彼女にとって一日のうちの二時間は大きいものだった。 由美は会社を辞めてから新たに個人投資家という方向に活路を見出だしていた。 自宅まであと数百メートルというところの赤信号に捕まり、由美はふと我にかえった。 後ろを見ると、楓が
SABLA さん作 [577] -
4の呼吸 3-4
小野寺親子が話しを盗み聞きしている男子達に驚いているのを見た教頭は直ぐさま、 「あなたたち何しているんです!今は授業時間中でしょう!」 と怒鳴り付けた。そして、大変申し訳ありませんと親子に謝罪した。 「別に大丈夫です。子供のやったことですから。」 と由美も場を和ますために平然を振る舞い、楓も既に落ち着いて笑顔になっていた。 教頭は由美の振る舞いにも感服したが、それよりも楓の表情
SABLA さん作 [595] -
4の呼吸?−?
校舎に入ると男性教員と思しき人が待っていた。由美と楓は下足でスリッパにはきかえるように促された後、ではこちらへ、と連れられて応接室のような、ところへ案内された。 室内の壁と床は木造で、奥の赤っぽい絨毯の上には革のソファが二つあり、その間に透明のガラステーブルがある配置になっている。 「これはこれは、こんにちは。」 と、奥から声から聞こえて来た。紺色のスーツを着た50代と思われる女性だっ
SABLA さん作 [624]
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