トップページ >> デフレーター さんの一覧
デフレーター さんの投稿された作品が87件見つかりました。
- 1
- 2
-
手紙 扇風機からエアコンへ
前略暑い日が続きます。私たちがあらゆる場所で休みなく働く季節です。とは言っても私はあなたの登場によって徐々に日の目を見る機会が失われ今ではごく一部の家庭に住まわせていただくに留まっています。あなたには1年中働く機会が与えられています。暑い夏にはひんやりと涼しい空気を流し寒い冬にはぽかぽかと暖かい空気を流しています。それに引き換え私は夏が終われば用済みでお払い箱。虚しく解体されるか埃をかぶるままに
デフレーター さん作 [832] -
手紙 消しゴムから、人間へ
前略お元気ですか。私は今日もあなたの手の中で身を削りながら頑張っています。思えば私とあなたの付き合いはとても長くあなたが小学校に上がってからは今に至るまで、ほとんど毎日あなたに使って頂いています。ご存知のように、私には数多くの仲間がいます。形から色まで、様々な仲間がいます。しかし残念なことに、私たちはあなたの手の中で命を全うしたことは滅多にありません。たいていは、あなたがあまりに強い力で私たちを
デフレーター さん作 [833] -
人間観察実況 大原恭也編 5
A:重苦しい空気が漂う中…二人は黙々と料理を食べます。B:やはり二人で会う直前のメールは控え目にしないとこうなりますからね。A:会ってからの話題がなくなる、ということですよね。B:ええ。特に男女間の場合は本当に致命的です。A:私もできればこの空気の場所には居合わせたくないですね…おっと…大原さん何やら動き出しました。大「あのさ、」麻「ん?何?」大「これ、受けとって。」A:これは指輪ですかね…B:
デフレーター さん作 [745] -
人間観察実況 大原恭也編 4
A:綻び?B:ええ。まず大原さんは麻莉奈さんの服を褒めましたが麻莉奈さんは戸惑ってました。A:確かに。B:おそらく彼女は以前にも大原さんといるときにこの服を着てたんでしょう。A:しかし「1年振りに出した」と言ってましたが。B:おそらく大原さんの褒め言葉を無にしないための麻莉奈さんの優しさでしょう。A:なるほど。…さて、料理が運ばれて来まして、ワインがグラスに注がれております。麻「うわー…すごい豪
デフレーター さん作 [762] -
人間観察実況 大原恭也編 3
A:さて大原さん、電車に乗り込みまして…携帯をいじりはじめました。B:デート場所…夜景の綺麗なレストランに向かうようですね。携帯はおそらく麻莉奈さんとのメールでしょう。大「ひゃは…マジ可愛い…」A:ニヤニヤしてますね。B:電車の中なんですがね…大原さんの方をちらちら見てる人が多数いますね。A:やはり気持ち悪いといいますか…よくいますけどね。こういう方も。B:しかし声に出して笑う人も珍しいでしょう
デフレーター さん作 [810] -
人間観察実況 大原恭也編 2
B:次は服を選んでるようですね。大「やっぱそれなりにキメねーとまずいしな…」A:かれこれ30分経ちますね。B:服の悩み時間が女子並に長いですね。A:外見には異常にこだわるようですけども…ここで服が決まったようです。着ていたシャツとジーンズを脱いで…カジュアルなスーツに着替えました。大「よっしゃ…完璧じゃね?…うわ、超イケてんじゃん俺…」B:典型的なナルシストですね。A:何だか見ていて痛々しいです
デフレーター さん作 [757] -
人間観察実況 大原恭也編 1
A:本日から始まりました斬新な企画。「人間観察実況」実況は私、Aがお送りします。そして解説は、人間観察歴20年。ベテラン人間観察家のBさんです。B:どうも。人間観察家のBです。よろしくお願いします。A:よろしくお願いします。さてBさん。まずは人間観察の醍醐味といいますか面白さとはどのようなものなのでしょう。B:そうですね。一人の人をずっと注目して見ていますとですね…見た目や普段の様子からは想像も
デフレーター さん作 [778] -
懲役3年 16
しばらく歩いていると、携帯が鳴った。「もしもし」「あ、真哉?ねーねー、今日のデート、夜景の綺麗なレストラン連れてってくれるってほんと?」「…え?」相手は…彼女だ。「ありがとう真哉!私、超オシャレして行くからね!」「…何を言ってるの?」「え?だーかーらー!今日は私達の1周年記念日じゃん!」「…どういうことだ…」俺の頭の中は真っ白だった。『ここでの経験を本当に活かせるかどうかは、出所した後に分かるら
デフレーター さん作 [539] -
懲役3年 15
「池田さん。最後しっかり頑張ってください。」「色々教えてくれて、ありがとうございます。」後輩の囚人も応援してくれる。「ありがとう…では、始めましょう。」「はい。」俺達は気合いを入れて掃除を始めた。そして夜になり、俺は窓を拭く手を止め、バケツに汲んだ綺麗な水で雑巾を洗い、絞った。俺の心に最後までこびりついていた汚れが洗い流されていくように、雑巾から汚れた水が落ちる。絞った後の雑巾は、今の俺の心境を
デフレーター さん作 [479] -
懲役3年 14
「出所後に?」俺は首を傾げた。「はい…ここで得たもの、ここで学んだことを、本当に活かせるかどうか…出所後にこそ、試されるそうなのです。」どういう意味なのだろう…ここでは多くのものを得ることができるし、必ず活かせるような人材になっているはずなのに… 翌日、俺や他の囚人達、そして高嶋は川上と佐々木を見送った。「おめでとうございます。あなた方は無事、刑期を全うされました。今後の人生において多くの壁や困
デフレーター さん作 [504]
- 1
- 2