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デフレーター さんの投稿された作品が87件見つかりました。
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かけがえのないもの 17
「瑠奈…死んじゃったの…?ほんとに…」「うん…できれば…もっともっとやりたいこと、あったんだけどね…お父さんとお母さんにも、ありがとうって言いたかったけど…時間、少な過ぎるんだよね。」瑠奈は隼人の顔を両手で包んだ。「でもね…私、今すごく幸せだよ。お兄ちゃんと、思い出共有できたもん。お兄ちゃんが、私の事ほんとに大切にしてくれてるって分かったんだもん。あー…お兄ちゃんの妹で良かった。」「瑠奈…お兄ち
デフレーター さん作 [444] -
かけがえのないもの 16
「瑠奈が…事故で死んだ…」父の言葉が隼人の頭の中を回る。瑠奈は自分の目の前にいる。どういう事なんだ…瑠奈は隼人に体を預けながら口を開いた。「信じたくないよね…分かるよ。私もだもん…」隼人の顔を見上げて微笑む瑠奈「お兄ちゃん…ごめんね。先に死んじゃって…」「でも…俺、確かに感じたよ。瑠奈がぎゅって手つかんでくれたのも…」隼人は今にも泣きそうな表情になった。「うん…じゃあ、本当のこと、言うね…」瑠奈
デフレーター さん作 [423] -
かけがえのないもの 15
「死んだ…?」隼人には意味が分からなかった。自分は今まで瑠奈と過ごしてきた。今も瑠奈が目の前にいる。「でも…瑠奈は…」「死んでしまった…あんなに元気だったのに…」父の声の調子から、嘘をついているようには思えなかった。でも…だとしたら、今俺の目の前にいるのは瑠奈ではないのか?そんなはずはない。さっきまで互いに改めて思い出を共有し、より一層絆を深めたのだから。隼人は瑠奈の方を見た。瑠奈はそっと微笑ん
デフレーター さん作 [410] -
かけがえのないもの 14
二人はしばらくいつも通りの他愛もない会話を楽しんだ。からかいあったり励ましあったり。何気ないやり取りでも、隼人はいつも以上に幸せを感じていた。瑠奈が側にいること、離れていても仲良くやっていることがいつの間にか当たり前になっていた。しかし、これほどまでに強い絆で繋がれることは決して当たり前のことではない。まして家族という…兄妹という絆は何にも増して貴重だ。瑠奈と兄妹で良かった。隼人は心からそう思っ
デフレーター さん作 [397] -
かけがえのないもの 13
「お願い?」「うん…」瑠奈は隼人の手を力強く握った。隼人はその強さに少し驚いたが、瑠奈の顔を真剣に見つめて、言葉を待った。「家に帰ってきたら…私がプレゼントした手紙と似顔絵、持ってって。それで…ずっとお兄ちゃんの近くに置いといてほしい…」瑠奈は隼人を見上げて懇願した。「瑠奈…」「私のこと、絶対忘れないって証にしてほしいんだ。そのオルゴールも、指輪も…」まるでもう2度と会えなくなるかのような言い方
デフレーター さん作 [415] -
かけがえのないもの 12
「お父さんとお母さんには悪いけど…小さい頃の記憶って大体お兄ちゃんなんだよね…」「なんか…素直に喜べないよね。」「そうだね。」兄妹は両親に愛されていなかったわけではなく、むしろ普段一緒にいられない分、休みの日は目一杯甘えさせてくれた。全員が一緒にいる時間は少なくても、家族の愛の深さと絆の強さはどの家庭よりも強い。隼人も瑠奈もそう思っている。それでも隼人にとっては瑠奈と、瑠奈にとっても隼人と過ごし
デフレーター さん作 [437] -
かけがえのないもの 11
「あはっ…私、何泣いてるんだろ…」瑠奈は涙だらけの顔を無理に笑わせた。「あんまりびっくりさせるなよ。」隼人も笑顔で瑠奈の頭を撫でる。「お兄ちゃんの優しさは、いつでも本物だもんね。ごめんね?疑ったりしてて…」隼人は瑠奈の頬に流れる涙を指で拭った。「瑠奈…素直でいい子に育ったね。お兄ちゃんの育て方、間違ってなかった。」「もうー!すぐそうやって子供扱いするー!」兄妹は弾けるように笑った。瑠奈が遊びに来
デフレーター さん作 [415] -
かけがえのないもの 10
「ごめん…こんな大事な事忘れてて…」隼人は瑠奈に謝った。自分が情けなかった。瑠奈と過ごした時間が長すぎて特別な日でさえも日常の記憶の中に埋もれてしまったのだろうか…「謝ることなんてないよ。お兄ちゃんにお礼もできたし、思い出してももらえた。それで十分だよ。」瑠奈は隼人の手を取った。「お兄ちゃんは、こんな素敵なプレゼントくれたのに…お兄ちゃんの誕生日には私はいつも手紙とか似顔絵ばっかりだったから…」
デフレーター さん作 [472] -
かけがえのないもの 9
「じゃあお兄ちゃんからもプレゼント。」隼人は瑠奈の近くに歩み寄り、一本のネックレスを瑠奈の首にかけた。「うわぁーきれい!」母がこの日のためにわずかな休みの時間を作って隼人に教えたビーズ手芸。隼人は瑠奈のために一生懸命にネックレスを作った。瑠奈の首元でそれは宝石のように輝いた。「すごく似合ってるぞ、瑠奈。」「ほんと。よかったわね。」両親もネックレスをかけた瑠奈を嬉しそうに見つめた。「お兄ちゃん…あ
デフレーター さん作 [494] -
かけがえのないもの 8
隼人はビーズが散りばめられた箱を開けた。すると…澄んだ音色が聴こえてきた。「オルゴール…?」「うん。オルゴール手作り体験みたいなのが出来る所があってね、お兄ちゃんが好きな曲もあったから…作ってみたんだ。」ことあるごとに聴いてきたメロディーは、瑠奈の心が込められ、一層きれいに聴こえた。「ありがとう、瑠奈。大切にするよ。」「良かった、喜んでもらえて…じゃあ今度はこのフタ開けてみて。」瑠奈はオルゴール
デフレーター さん作 [476]