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朔夜 さんの投稿された作品が6件見つかりました。
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願い
どんなに願っても、どんなに望んでも、どんなに想っても、それでも僕には、その願いを言葉にすることすら出来ません。声に出してしまえば、きっとこの想いは止まらなくなる。「もう一度、貴方に逢いたい」たった、それだけの願いなのに…。絶対に叶わない願いだと、僕はわかっている。だって貴方はもう、この世にはいないのだから。 いつか時間と共に、僕の想いや願いが、次第に風化していき、逢いたいと強く願わなくなるのだろ
朔夜 さん作 [607] -
優しい雨音
眠れぬ夜に降る雨は、僕の耳に優しい音色を届けてくれる。降り続ける雨音は、僕の心に微かな安らぎをくれる。わずかに開けた窓から、差し出した手に触れる雨は、どこまでも冷たく僕の手を濡らしてゆく。眠れぬ僕を、優しくあやすかの様に、手の上に落ちては弾ける雨粒。雨で冷えた手を胸に抱き、優しい雨音を子守唄の代わりに、僕は眠りにつく。たまには、眠れずに困る夜があってもいい。雨音の優しさに気付く事が出来たのだから
朔夜 さん作 [625] -
惑わす夜
毎夜、形を変えていく月の様に、夜も気まぐれに僕の心を惑わしていく。寂しさに耐えられなくなっていく夜。どんな事をしても、償う事の出来ない罪があるような気がして、裁かれる事を望む夜。自分を許せず傷つけ続ける夜。壊れてくれとさえ望む夜。悲しくて泣くことしか出来ない夜。苦しさから助けて欲しくて救いを求める夜。ただ静かに眠りにつけたら、どんなにいいかと思う。眠ってさえしまえば、いくら夜も気まぐれに僕の心を
朔夜 さん作 [817] -
例え夢でも
久々に夢を見た。夢の中で懐かしい人に会えた。もう何年も前に亡くなった祖父。真っ白で統一された病室で、祖父を助けたいと何も出来ない僕がいた。それでも必死に祖父の為に何かをしようとなる僕を祖父は真っ直ぐに見つめていた。今にも泣きそうなそれでいて嬉しいような困ったようなとても複雑な笑顔で笑っていた。久々に見た祖父の笑顔例え夢でもどうせなら、ただ嬉しそうに笑う姿がいいでも例え夢でも、会えて嬉しかった。次
朔夜 さん作 [442] -
名前
名前は大事にしなくちゃ駄目だよ名前には、こう生きて欲しいとかこんな子になって欲しいとか漢字一つ一つに意味があってそんな親の希望だったり願いが込められいるのだからだから大事にしなさいと言われた朔夜。それは、優しく照らす月明かりのない暗闇の日を示す言葉。僕は、あの人が笑って居なければこの身さえ暗闇に飲まれていくだろう。あの人は僕が暗闇に飲まれてしまわないように光輝き続けその光を僕に分け与えてくれてい
朔夜 さん作 [453] -
もういない猫
長年可愛がっていた猫が亡くなった。僕よりも先に亡くなった。人と猫とどちらの寿命が長いかと言われれば、それは仕方がない事だ。毎日側にいて、可愛いがっていた猫。血統書付きなんかじゃない普通の猫。それでも、僕にとっては特別愛しい猫。僕が拾ってきた猫。冷たくなった猫の体を、抱きしめて…亡くなった事が、悲しくて何も出来ない自分が、悔しくてもう戻っては来ないと言うことが、寂しかった。でも、泣くことすら出来な
朔夜 さん作 [661]
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