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キャロルの秘密 さんの投稿された作品が146件見つかりました。
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携帯小説家 2
それは、寝ても覚めても頭の中は小説のことばかりで、専ら月に貰える、おこずかいの使い道は文庫本であった。 新刊のハードカバーは、当時の私には高価過ぎ、とても手がでない。そこで私は文庫本を毎月、町の本屋さんで何冊か買うのが何よりの楽しみだった。 これから、どんな物語が私を待ち受けてるのかと、なんともいえない昂揚感で文庫本のコーナーの平積みから、子供ながらにも真剣に作家名からタイトルの順で本との睨
キャロルの秘密 さん作 [788] -
携帯小説家 1
私は嘘をついている。 自分のやりたい仕事を心の底からしている訳では決してない。 携帯小説て響カオルというペンネームで、主に中高生、ときに大学生を含む大人までに一目置かれている「携帯小説家」である。しかし、この職業は私の意に反している。 本来、携帯という誰もが簡単にアクセスできる、そんな単純なものではない。 私が物心ついたときには、将来は絶対に小説家になると心に決めていた。
キャロルの秘密 さん作 [863] -
そのままの君で
そのままの君で全てを委ねてよ 二人で見つけた明日の風はきっと優しい筈だから 恐れることは何もないさ もうどれくらい歩いてきたのだろう 落とした涙も美しい思い出も だけど今は二人振り返る時じゃない 素直なその瞳信じればいい 掛け替えのないものをいくつも 覚えている二人なら大丈夫だね そのままの君で全てを委ねてよ 二人で見つけた明日の風はきっと優しい筈だから 恐れることは何もないさ この世界中
キャロルの秘密 さん作 [955] -
BELEIVE IN THIS LOVE
流れる時の中君に出会い 本当の幸せが少し見えた 悲しみも喜びで閉じ込めて どんな高い壁も越えて お互いの優しさに包まれるときを BELIEVE IN THIS LOVE 同じこと繰り返す今日も明日も あの頃に描いたままの夢をもう一度追いかけこの手に 夢を叶えたその時に 君を迎えに行く 君を守りたい BELIEVE IN THIS LOVE 求め合う心は誰にも消せないと二人だけが知っていた そ
キャロルの秘密 さん作 [647] -
遠すぎる夏
今でも忘れないあの夏の海を 無邪気に笑ってる君が眩しくて 裸足のまま駆け出した 二人は思い出の中 触れ合う優しさがときめきの色に 染めてくこの時を止めてしまいたい 風の中に揺れていた 二人は思い出の中 あの海のように広く君の事を包み込めたらきっと あの時二人が見てたあの夢も叶えられる気がした 何かが零れ落ちていた浜辺に帰れない二人が 遠すぎる夏に 波の音に閉じ込めた 二人は思い出の中 あの
キャロルの秘密 さん作 [652] -
キャロルの秘密 23
キャロルの歌声を聞きながら古賀はそんな回想をしてしまう。それほど恵子との日々が眩しく感じるのは何故なのかと考えた。 まだ自分は何かふっ切れていないのか、その何かは考えなくも恵子に決まっている。 今彼女は何処でどのような生き方をしているのだろう。そんな疑問が古賀の脳裡を駆け巡った。 彼は今更どうしようもないことと思うといたたまれない気持ちになった。 それほどまで自分にとって恵子という女性は掛け替
キャロルの秘密 さん作 [698] -
キャロルの秘密 22
「お待たせ」 「そんな待ってないよ」恵子は真夏なのに涼しげな顔をしてる。 「狭いけどうちに、、」躊躇いがちに古賀は言った。 恵子はうんと頷いた。 二人でアパートまで少し照れながら歩いた。 アパートに付くと古賀は狭いけど上がってと初めて女性を招きいれた。それも恵子である。 恵子は靴を揃えて古賀の部屋に上がった。 「へえ、すごいレコードの数だね」と部屋を見るなり言った。 古賀は恵子に麦茶しかない
キャロルの秘密 さん作 [758] -
キャロルの秘密 21
古賀は2曲目の『去りゆく恋人』を聞いてある出来事を思いだしていた。それは20年前に古賀のアパートに恵子が初めて尋ねて来たときのことだった。 恵子からの電話で「実は私いま千川に来てるんだ」と言われ古賀は千川の何処と尋ねた。 「ここからだとお肉屋さんが見えるけど」 「太田屋って店じゃない?」 「うん」 近くだ。ちょっと待ってて、すぐに行くから」 古賀は受話器を置き恵子の元へと急いだ。 確かに肉の
キャロルの秘密 さん作 [711] -
この橋の上から
夕暮れに染まる街を眺めるのが好きだった この橋の上から少しだけ疲れた心に忘れかけてた微かな希望がまた胸にざわめく 少しずつ形を変えて行くものをいくつも見てきた 何一つ変わらない少年の瞳で 何かを失くしてしまったのか ここからまた歩きだそう本当の自分を取り戻すために まだ夢が叶うと信じて悲しみさえも味方にすれば怖いものなんて何もないから
キャロルの秘密 さん作 [839] -
出逢えたあの季節に
夢を見ていたのだろうか誰もいないシートを横目に一人走る だけど幻でもない君の優しさと笑顔は確かに感じていた 忘れられない君を思い出に閉じ込めることなど出来る理由がなかった 君と出逢えたあの季節にもう一度戻れたら もっと素直にこの想いを伝えられる気がした 窓の外を流れてく君がたらない景色をぼんやり眺めていた もう最後だと君が昨日とは違うさよならの意味受け止められずにいた 君と出逢えたあの季節
キャロルの秘密 さん作 [701]