トップページ >> 金太郎 さんの一覧
金太郎 さんの投稿された作品が133件見つかりました。
- 1
- 2
-
星の蒼さは 133
「イヤッ!ハル!!」「アキ!」二ノ宮は突然アキの腕を掴むと、無理矢理引き寄せた。「ほらほら、暴れると危ないぞ。お嬢ちゃん」暴れるアキを押さえつけ、二ノ宮は腰から拳銃を取り出した。「吟次、彼女から離れろ!」狩野が銃を一発放ったが、二ノ宮はそれを拳銃で弾いた。「ハッ!悪いな京一。遊んでる暇なんかねえ。」二ノ宮は拳銃を撃って狩野を牽制すると、アキを抱えてWW【蟒丸(ウワバミマル)】に飛び乗った。「待
金太郎 さん作 [635] -
星の蒼さは 132
鋼鉄と鋼鉄がぶつかり合い、その度に夜空に赤い火花を散らす。エカチェリナの駆る【イヴァン】と桜花(インホア)の【天童】の空中戦は激しさを増していた。【天童】の持つ二ふりの対艦白熱刀が【イヴァン】の肩を焼けば、【イヴァン】の高電圧槍が稲光を吐き、【天童】の電子機器にダメージを与える。機体性能は互角。だが、腕と経験には埋めがたい差があった。北極戦役、東欧戦線。十歳で騎士となり、七年間最前線で槍を振るい
金太郎 さん作 [705] -
星の蒼さは 131
空気の抜ける音と共に、WW【蟒丸(ウワバミマル)】の背部からコクピットが迫り出し、中から人の影が姿を現した。長身の男だった。二十代後半から三十代前半といったところか。パイロットスーツは着ておらず、月軍の軍服に身を包み、こちらを見下ろしている。「ブラウンの髪に蒼い瞳の娘…」口元に笑みを浮かべると、男は十メートル程の機体から飛び降りた。「ん」近くまで来て、足を止めた男はハルに目を移すとハルの顔をじ
金太郎 さん作 [564] -
星の蒼さは 130
対WWを想定した対装甲弾はたった三発で黒いコートの男の人体を四散させた。一発目で信じられない程高く吹き飛び、後の二発で、まるで木の葉が舞うように空中を二度行き来した男はあっという間に肉塊と化した。パッと鮮血が周りに飛び散り、メチャクチャになった部屋に降り注ぐ。ハルは咄嗟に傍らのアキに覆い被さったが間に合わず、アキはまともにその光景を目の当たりにしてしまった。「…ぁ…う……あ…」目を見開き、声も出
金太郎 さん作 [573] -
星の蒼さは 129
「んぁっ、…陛下いけませんわ。こんな事…兵士に見られでもしたら…」「…卿!起きて下さい、エカチェリナ・テファロフ卿!」「あ、ダメです、そんなところきゃあっ!!!」肩を揺する下士官の声に驚いてエカチェリナは飛び上がった。「ななななんです!いきなり!なんて無礼な!」寝間着のまま、掛け布団を胸の前まで手繰り寄せてエカチェリナは叱咤した。「申し訳ありません!ですが、敵襲です!」「敵襲…?このアレクサンド
金太郎 さん作 [546] -
星の蒼さは 128
「何のつもりだ。小僧、銃が見えないのか」皮肉な笑いを浮かべていた男から笑顔が消え、ブルーの目がすっと細められる。「アキは渡さないって言ってんだ」ほう。と感心したように唸った男は銃の撃鉄を引く。ガチャと固い金属音がハルの鼓膜を叩いた。震えはもう止まっている。男はかなりの手練だが、躊躇いがあるのか、はたまたアキに当たるのを恐れてか、威嚇射撃ばかりで撃ってくる様子がない。賭けるしかない。ハルはアキをベ
金太郎 さん作 [558] -
星の蒼さは 127
アキが妙な気配に気付いた直後の【第二戦闘配備発令】。ただならぬ事態に陥っている事を認識したハルは腰の拳銃を引き抜いた。「隠れて」アキをクローゼットに押し込めようとした時だった。部屋のドアが勢い良く開け放たれ、黒いコートを来た金髪の男が現れた。「……見つけたぞ」男はそう呟くと、アキに拳銃を向けた。「アキ・シラユキ。私と一緒に来てもらおう」今度は拳銃をハルに向け、ハルを鋭い目で睨み付けた。「小僧、死
金太郎 さん作 [564] -
星の蒼さは 126
「工作兵…やられました」足元に転がった黒衣の男の顔を蹴って狩野は舌打ちした。成る程、隙の無い見事な制圧だが、個々の能力はそれほどでもない。実際、右手左足を骨折している自分でさえ、三人を相手にするのは楽だった。「お怪我は?」滝川を振り向くと、滝川は化け物でも見たかのような顔でこちらを見ていた。「凄いわね」それほど本気を出した訳ではなかったが…「恵美、いや、艦長。第二戦闘配備を。あおかぜは強固です。
金太郎 さん作 [522] -
星の蒼さは 125
ワシントン。一台の大型トラックが西側ゲートの前で速度を落とした。「よし、止まれ」ゲートの警備兵が小銃を構えて停止を促す。「輸送物資か。一応、許可証を見せて」黒塗りのウィンドウを軽くノックし、警備兵が親しげに尋ねる。ううう……と機械音を上げてウィンドウが開く。「オイ、黒塗りはやめた方がいいぞ相棒…」ビュッ!風を切るような短い音が小さく響く。直後、警備兵の身体がピンと硬直し、そのまま真後ろに大の字に
金太郎 さん作 [535] -
星の蒼さは 124
「どうにかならないかしらね…」巡洋艦あおかぜを外から眺めながら滝川はため息を洩らした。「確かに」狩野も同調する。かつての親友、二ノ宮吟次に負わされた右腕と左足の骨折はまだ治りそうにない。松葉づえでしのいでいる。問題というのは、今、ワシントンに展開している軍の駐留の事だ。アメリカ軍は現在、臨時の国際連合が置かれているホワイトハウス防衛の為に集結しているが、軍事施設を持たないワシントンに大規模な部隊
金太郎 さん作 [454]
- 1
- 2