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きゃしーさんの投稿された作品が635件見つかりました。
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スカバンburn!!最終章 -73- 解散宣言
翼「…ぅ…何で…み…んな…」美「…翼」歯を食いしばる翼。そんな翼を心配そうに見つめる美弥。拓朗も猛も落ち着いた表情で黙っており、一方秋奈は隣でぼろぼろ涙を流している波音を気遣いながら、自分は涙を堪えている。慶太郎は相変わらず他人であるかのように黙ったまま、時折うつ向いたままの光希に目を向けた。聖「…翼…人間はずっと同じ場所にはおられへん。誰かや何かと別れたり、捨てたり…そうやって進むんや。」翼「
きゃしー さん作 [357] -
スカバンburn!!最終章 -72- “ずっと”は居れない
翼「…お前…まっまた抜けます騒動かよ」必死で冗談にしようとする翼拓「…本気や」穏やかだが決意に満ちた表情の拓朗美「…何で…なん?」拓「俺、東京の大学に行きたいねん」波「東京?!」拓「うん。そのためにバンドやめて、ちゃんと勉強しようと思うんや。だから、ごめん」翼「…そ…そんなん…」聖「翼…俺もや」秋「聖二?!」翼「?!」聖「俺もやめるわ。全国終わったら。」美「何で?!」猛「…」聖「やっぱり…音楽だ
きゃしー さん作 [389] -
スカバンburn!!最終章 -71- 翼、ごめん
――ファミレス翼「今日も練習、お疲れさまあ〜!」拓「おつかれ〜!!」波「わーハンバーグいいなあ!」猛「じゃあ半分あげる!」波「わーい!じゃあうちの嫌いなブロッコリーあげる!」猛「やったあ!」光美聖秋(タケ…可哀想)翼「にしても俺らやばいなあ!全国行くねんで!!すごない?!」猛「確かになあー最近俺、上手くなった気がするし!」美「確かに皆上手くなったよな」翼「このままこのメンバーでデビューしちゃった
きゃしー さん作 [360] -
言えないバイバイ 10話 (全10話) 現実
――さよならの日あいつの周りにはたくさんの人。うちは一人、ぼんやりするばかり。そして―\r「ゆき、俺…そろそろ行くな」 「え…もう?」「…うん。」背を向け歩きだすこうた。そんなあいつに手を振る皆。うちは何もできずつっ立ったまま。弱気なうちにはやたらと強くなる友人は、背中を押して欲しい時に限っておらん。人を見送るのってこんなに悲しかったっけ?もしここで、“好き”の一言でも言ってしまえば、うちは皆の
きゃしー さん作 [422] -
スカバンburn!!最終章 -70- 逃げ道はつくるな
――数日後 教室光「はあ…」猛「どうしたん?みっきー。最近ずっとため息ばっかり。何か悩み事?」光「うん…まあ…」猛「俺、相談のるで!」光「ああ…うん…」波「タケー!お昼買いに行こー!!!」猛「あ!うん!」波音に呼ばれ猛は教室を出ていった。慶「ピアノ?」猛を見送る光希の様子を見ていた慶太郎が声をかけた光「…そう。」慶「…迷ってんの?」光「うん…どうしたらええんやろ…」慶「さあな…決めるのはお前やか
きゃしー さん作 [326] -
スカバンburn!!最終章 -69- 再起動!!
――翌日 スタジオ翼「…慶太郎…」慶「…?」ギュッ美「?!」翼が慶太郎を突然抱きしめた翼「俺…待ってたで!お前のドラムが帰ってくるの…」慶「うん。ありがとうございます。」翼「お前…感動少ないな…」美「あんただけやろ!そんな大げさな喜び!」翼「だって!!俺は…おれ…は…うっ…う」拓聖「泣くな!」慶太郎は翼の腕をすり抜け、ドラムに腰かけた。慶「…?」猛の視線を感じ、顔をあげた猛「…おかえり」慶「ふっ
きゃしー さん作 [394] -
スカバンburn!!最終章 -68- “愛の挨拶”
竹「でも、驚いたわ」出口まで二人を案内しながら竹本が言った竹「変わったわね」光「変わった?」竹「ええ。以前より人間らしくなったわ、演奏が。前のあなたならもっと完璧主義で、演奏もとにかく完璧だった。でも今日は、とても人間らしさを感じたわ。」光「…人間らしさ」竹「それに、今日の選曲もそう。あなたのことだからもっと…そうね、技術を見せられる、もっと難易度の高い曲を選ぶと思ったわ」光「あの曲…小さい時か
きゃしー さん作 [370] -
スカバンburn!!最終章 -67- 一緒に来ないか?
黒「とても…いいものを聞かせてもらった」演奏が終わると黒田はまた穏やかに微笑んで見せた。しかし、すぐに口を閉じ、何か考え始めた。光希の心臓がまた不安げに高鳴る黒「…私は数ヶ月後、またヨーロッパに戻らなくてはならない。…それで…どうだろう?私と一緒にあっちへ来ないかい、光希?」光「え…?」黒「君のピアノはもっと成長していくだろう。私は、君のピアノがもっと聞きたくなった。だから、私とともに来ないか?
きゃしー さん作 [339] -
スカバンburn!!最終章 -66- 大好きな曲
空っぽの客席。静かなステージに灯されたライト。ホール内に響く4人の足音。光希達は先ほど客席から観ていたステージに足を踏み入れた。慶「…うわあ…こんなでかいとこで叫んだら気持ちいいやろな…」慶太郎が上を見上げ呟く。黒「はっはっは。やってみるかい?」慶「んー、今はまだやめておきます」黒「“まだ”?」ステージの真ん中でライトの光を浴びるグランドピアノ。そこまで歩いてくると光希が不安げに訊いた光「本当に
きゃしー さん作 [337] -
スカバンburn!!最終章 -65- 君の“音”が聞きたい
竹本のあとについて光希と慶太郎は長い廊下を歩き黒田の控室にたどり着いた。竹本が扉をノックすると「どうぞ」という穏やかな低い声が聞こえた竹「連れてきました。」竹本が光希と慶太郎を紹介し、二人はそれぞれ頭を下げた黒「すまなかったね。一度会ってみたいと思ってね。君の噂はよく聞いていたから」黒田はステージ上のきっちりしたイメージとは違い、初老の紳士的な男性であった。穏やかな表情で光希に微笑みかけた。黒「
きゃしー さん作 [346]