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きゃしーさんの投稿された作品が635件見つかりました。
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幸せをきみに -届け、この歌- 9
だからこれもきっと夢や。でも、目の前にいる記憶とは違う和樹の姿が逆にこれは現実やってそう教えてた。柔らかい黒髪は明るい茶色に変わっていて風に揺れるたびにその隙間から見えるピアス痩せたんかな記憶ではもっと力強かった体も今はなんだか細く見えるそして青いTシャツに黒いジャージ記憶の中でも夢の中でもない。今、目の前にいるのは今の和樹や。もしかしたら別人かもそんな考えも浮かんだけどあたしに笑いかけるその目
きゃしー さん作 [286] -
スカバンburn!! 74 〜止まない音〜
「けいたー部活はー?」「んー」慶太郎は眠たそうな様子で曖昧に答えた。達也が死んでからもう何日も部活に顔を出していない。相変わらずなのは慶太郎の頭の中で鳴り止まないドラムの音だけだ「先生は、お前のこと気に入ってるから何も言わへんけど…」猛の声を遮るように校内放送が響き慶太郎の名が呼ばれた「なんやろ…」「…」慶太郎はだるそうに立ち上がった。――「昨日な…体育館の裏でこんなもんが見つかった」そう言って
きゃしー さん作 [384] -
幸せをきみに -届け、この歌- 8
そういえば今朝もひどい夢を見た。和樹がなぜかあたしの学校にいる。教室の端の机であたしは久々に会った和樹に嬉しそうに話してる、そんな夢。うちな、ほんまに前より上手くなってんでずっと言いたかったこと、やっと言えてあたしは本当に嬉しくて仕方ない。和樹はそんなあたしを親のように穏やかに笑って黙って見てる。隣にいた翔ちゃんがほんまにこいつはギターばっかり、ずっと頑張っとってんでなんて嫌味っぽく言ってそれで
きゃしー さん作 [295] -
この空が絶望に染まる、その前に 18 〜襲われた海賊船〜
「何!?」レンは驚いて立ち上がったがルカもすぐそばの席で本を読んでいたダフも落ち着いて顔をあげた。「レン、大丈夫だよ。これは船内放送。世界で起こった異常な出来事やら事件を知らせてくれるんだ。」レンはほっとしたもののまだ警戒したまま椅子に座った。機械的な女の声が響いた。『カナロア海賊船がリル島に漂着。乗員全員が意識不明の状態。何者かに襲われたと見ているが怪我人、死亡者はなし。島の住人より怪しげな男
きゃしー さん作 [289] -
スカバンburn!! 73 〜別れ〜
「…ただいま」帰ってきた慶太郎を迎えたのは今にも泣き出しそうな母親だった「慶太郎、今すぐ病院に…」「…どうしたん?」母はその場に崩れた。「…達也が…達也が…事故…で…」「…え…?」慶太郎の頭は真っ白になった達也はたまたま昼間から酒を飲んでふらふら歩いている父親を見かけたらしい。かなり酔っていたらしい。その父親はそのまま道路に飛び出た。そこへタイミング悪くやって来たトラック。その様子を見た達也は迷
きゃしー さん作 [314] -
幸せをきみに -届け、この歌- 7
翔ちゃんはいつもあたしの家の前でばいばいする。けど、今日は翔ちゃんは用があるらしくあたし達は途中で別れた。翔ちゃんと別れて緩やかな坂道を一気に下る。そこから少し進めばもう家や。小学校の時にすぐそばの古い団地から移り住んだこのマンションは建てられてからもう10年ほどになるのに最近塗り変えられたペンキのせいもあってまだ新しく見える。マンションに向かって一直線に進んでいるとその入口の前に誰か立っている
きゃしー さん作 [300] -
この空が絶望に染まる、その前に 18 〜カナロア海賊の敗北〜
――アルゴー船内 談話室「世界連合政府はね、いろんな国や地域の有力な人が集められ世界平和のために働いてるんだ。俺の国もね、軍事においては有力な国だった。俺の家系は代々その国の軍の隊長を務めてて父さんは政府でも有力な人間だったんだ。でも…父さんが死んで今は兄さんが引き継いでる。兄さんは父さんと同様にカルフ様にその能力を認められてそれで今、俺らはこうして旅にでてるんだ」「カルフさま?」ずっと黙ってル
きゃしー さん作 [309] -
幸せをきみに -届け、この歌- 6
「それよりうち、これからどうしよう」あたしのだるそうな言い方に翔ちゃんも唸る。「そうやなあ…」あたしは考えこむ。こんなことで立ち止まってるわけにはいかへん。なんだか少しでもはやく、夢叶えへんとあいつに本当に会えなくなる気がして。「そうや!翔ちゃん、ドラム叩いたことあるんやんな!?中学の文化祭で和とバンドやってたやん!」あたしの頭に今はもうぼやけかけた懐かしい光景が浮かぶ。「ああ…でもほんまあんと
きゃしー さん作 [314] -
スカバンburn!! 72 〜加藤の怒り〜
「慶太、今日も部活、行かんの?」放課後、帰ろうとする慶太郎に猛が聞いた「うん。今日は達兄がドラム教えてくれるから」「最近部活さぼってばっかやな。他の奴ら、怒っ…」「おい、慶太郎!お前またサボる気なんか!?」加藤が他の男子生徒をひきつれ2人に近づいてきた。「…」「お前何様やねん!?なんでお前みたいな奴が試合なんか出れんねん!調子乗んなよ!!」加藤は慶太郎に詰め寄る。周りにいた他の生徒は遠巻きに二人
きゃしー さん作 [310] -
あの空がきれいで
私の家の窓は結構大きいんです。今日も窓の向かい側に座っていたら眩しかったんです。それでなんとなく顔をあげたら青い空に大きな雲が流れててなんて言えばええんやろ。ほんまに綺麗というか壮大というかなんか、ただ大きい。空はほんまに好きなんです。別にロマンチストでも何でもなくてどちらかというとそういうの馬鹿にしちゃう。でも、素直に綺麗って言えるのって素敵なことなんですね。バンプの「真っ赤な空をみただろうか
きゃしー さん作 [345]