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風戸 桂 さんの投稿された作品が11件見つかりました。
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死者の戯れ
……?……「しかし、あんなあっさり死んでくれるなんてめでたいよな」「うふふ。だって、まさか、刑事のあなたが、毒を仕込ませたなんて、思わないわよ」「そりゃそうだな。あははははは」「うふふ。あはははは」七海と小暮は、腹を抱え、大笑いしている。やはり、直哉の死も、自殺ではなく、この二人の差し金だったようだ。話しから察するに、どうやら、葬儀の際の返杯の時に、小暮が毒物を混入したらしい。「あの遺書も笑える
風戸 桂 さん作 [661] -
死者の戯れ
……?……ブゥドゥ教…。タヒチ諸島で、広く信仰される、その宗教は、罪人に対し、ある変わった罰を与えるという。それは、生きるか死ぬか、己れ自身の生命力に委ねさせるというもの。つまりは、罪人に毒物を飲まし、それが致死量に達している者は死…。しかし、生き残った者には、罪を免除するというシステムが設けられているという。一見、この上なく罪人にチャンスと感じられるシステムだが、実際はそんな生易しいものではな
風戸 桂 さん作 [539] -
死者の戯れ
……?……何がどうなっているのか?一方では、完全犯罪をやり遂げたはずの男が命を断ち、一方では、死んだはずの女が蘇り…。全くもって理解に苦しむ展開が起こりえている。その後の警察の調べで、直哉の背広のポケットに、遺書とは別に毒入りの瓶が見つかった。それが七海の死因となった毒物と一致し、一連の件は直哉に因るものだと断定された…。とは言え、七海は生きていたのだから、直哉の死は無駄死にだった事になる。まあ
風戸 桂 さん作 [495] -
死者の戯れ
……?……焦燥となる小暮…。その耳に、今度は女性の悲鳴が飛込んできた。「キャー!」ハッとなり、小暮はその女性を見た。「どうしたんだ?」「ひ、棺が動いてる…」弔問客の男に問われ、震える声で女性は指さした。小暮を含む弔問客達が一斉に棺に目を向ける。すると、『ガタガタガタ』っと音をたてながら棺が揺れているではないか。「う、うわっ!」「キャー!」それを目にした途端、弔問客達は慌てふためき、この場を飛び出
風戸 桂 さん作 [501] -
死者の戯れ
……?……小暮の盃を受け取る直哉。またも、内心では悪鬼の顔だ。『ふふふ。馬鹿な刑事だ。俺が七海を殺したとも知らずに酒を呑み交すなんてな。はははは』そう心であざ笑いながらも、直哉は一気に盃を飲み干した。「うっ!くっ…」その瞬間、直哉は急に胸を掻きむしりながら、悶えだした。「ど、どうしました、霧島さん?」すぐ横で慌てる小暮だが、直哉は答えもせず、その場にバタリと倒れてしまう。「き、霧島さん…!」小暮
風戸 桂 さん作 [495] -
死者の戯れ
……?……だからって、出会い系サイトというもの事態を否定するつもりはない。それが好じて、上手くいったカップルだっている事だろう。しかし、一度そういった世界へと足を踏み込んでしまうと、何かの衝動で、また逆戻しかねないのという事実もある。現に七海は、仕事柄、出張で家を空けがちな直哉に寂しさが募り、堪えきれず、再び文字の世界へと戻ってしまった。つまりは、浮気へと彼女を走らせたのだ。それが、まさしく、直
風戸 桂 さん作 [533] -
死者の戯れ
……?……七海の遺体も引き取られ、警察が引き上げたリビングは、殺伐としたノイズが消えさり、ひっそりと静まった空間へと戻っていた。もう、誰もいない…。いや、一人、愕然とソファーに座る直哉の姿があるだけだった…。と、そんな中、突然、静寂をブチ破るかに、不気味な笑い声がリビングに響き渡った。「ふふふ…。ふはははは」なんとも不適に笑う主…。驚く事に、その正体は直哉ではないか。一体、どうしたのか?つい今ま
風戸 桂 さん作 [448] -
死者の戯れ
……?……「今の時点で、はっきりと断定はできませんが、あなたが帰宅した際、玄関の鍵は、かかっていたんでしたね?」「ええ。鍵はかかっていましたよ。けど、それがなんなんです?」「ベランダの鍵もきちんとかかってました。ここは8階に位置しています。この部屋に入る為には、鍵がなければ難しい。その鍵はあなたと奥さんが一つずつ。そして、リビングの棚に保管されているスペアキー。この3つは、今もこのマンション内に
風戸 桂 さん作 [498] -
死者の戯れ
……?……803号の部屋の前には、『霧島直哉・七海』と、かわいらしくハートで縁取られた表札が掲げられている。それだけを見る限り、二人がそんなに仲が悪いとは、とても思えない。だが、世間体を気にし、こうやってカモフラージュを施し、外面だけでも円満を装ってる夫婦はいる事だろう。まさしく、直哉達がそれだ。ドアを開けると、玄関は暗いが、その奥のリビングからは光りが洩れている。「はあ…」またも、直哉は重々し
風戸 桂 さん作 [460] -
死者の戯れ
……?……時刻は、午後11時半。とあるマンションのエントランスに、霧島直哉はいた。ここは、直哉の住むマンション。彼がいても何らおかしくはない。だが、それにしては、どこかぎこちなく、中へと足を踏み入れずに、オートロック扉の前に佇んだままだ。まるで、家へ帰るのを躊躇っているかのように…。出張帰りの直哉の表情は、疲労感が滲みでている。ともなれば、普通なら居心地の良い、我が家へと足は加速するもの。にも関
風戸 桂 さん作 [537]
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