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もか さんの投稿された作品が177件見つかりました。
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ラスト メモリー
俺がお前に残した物は、沢山の嘘と沢山の深い傷…。人の痛みも分からない。そんな幼過ぎた自分の犯した過ちに気付いて後悔して、どんなに泣いたってお前は戻らないんだ。お前が居なくなって、初めて感じた。お前が残した沢山の愛とお前の温もりとこの切なさに。今まで自分ばっかだったな。そんなバカな俺をお前はいつも優しく包んでくれてた。I Love You…今さら遅過ぎる言葉はもう、お前には届かない。もっと俺を見
レオン さん作 [480] -
人食神の林
そして枝を水面から出した途端、俺等は固まってしまった。枝には真っ黒な長い髪の毛がビッシリとついていた。俊 「うわぁ〜」俊は枝を放り投げて、後ろに尻餅をついた。俺 「今の何だよ?何か此処や っぱヤバイんじゃない?」俊 「さ、さっきのは、ただの藻 だよ。きっとそうだ」俊が尻を払いながら沼を覗き込んだ。俺も覗いた。さっきまでは気がつかなかったけど、沼は妙に生具さくて 変な匂いがする。ポ
レオン さん作 [754] -
人食神の林
俊と俺は幼馴染みだった。近所の神社が俺らの遊び場で、その日もいつもの様に遊んでいた。神社の境内の裏には、決して足を踏み入れてはいけない林があって、その林は「人食神の林」と呼ばれ地元の人もめったに近寄らなかった。その日、遊び飽きた俺らは怖い物見たさから、人食神の林を見に行く事にした。境内の裏へまわると、大きな2本の杉の木の間にロープがひいてあり、どうやら此処から先が人食神の林の様だった。俊 「な
レオン さん作 [707] -
ばぁば 最終話
丁度、余命宣告通りの半年後、祖母は死んだ。私を一人残して…。私の誕生日を一ヵ月過ぎて、祖母の桐のタンスから手紙を見つけた。私の誕生日に渡すはずの手紙を…。いくら「ありがとう」を言っても感謝しきれない。大っ嫌いだったよ。頑固物で優しくなくて魔女みたいで働いてばっかりで素直じゃなくて…私を一人っきりにして…でも大好きだったよ。私に愛情を注いでくれた。私を見守ってくれていた。寝る時、寝てる私の頭を撫で
レオン さん作 [439] -
ばぁば 八話
ありがとうそれだけじゃ足りないよね。祖母の桐のタンスを整理すると、キレイな花模様の箱が出てきた。中には通帳と、私宛の手紙が入っていた。━━誕生日おめでとう。時が経つのは早い物です。お前ももう18才。自分の道は自分で決めなさい。この通帳はお前の通帳です。好きに使いなさい。人様に迷惑かけないよう律義に暮らしなさい。悲しい時は、働いて忙しくしなさい。そうすれば涙は出てこない。強く生きて下さい。何事にも
レオン さん作 [415] -
ばぁば 七話
ばぁば…大っ嫌い。昔も今も…ケド大好きだった。私は言葉が出なかった。母は私の手を取って「一緒に暮らしましょ」と言ってきたけど、私は首を横に振った。私は此処にいたかった…。次の日、祖母の荷物の整理をした。こうやって、荷物の整理をすると本当に祖母がいなくなったんだと、涙が溢れた。「泣くんじゃないよ!」祖母の声が一瞬聞こえた気がした。中学3年生。進路を決めなくてはいけない時期に、私は一つの決断をした
レオン さん作 [414] -
ばぁば 六話
真実…。例えそれが真実でも私は此処にいる。夜になって、真っ暗な部屋の中で私は泣き疲れて寝ていた。祖母の夢を見た。「ばぁば」部屋を出て、居間へ行くと、母が目を赤くして祖母の遺骨の前に座っていた。「何で?」私は今まで聞けなかった事を聞いた。どうして迎えに来なかったのか。私を捨てたのか。母は首を横へ振った。「捨てるなんて…。私は一時も貴方の事忘れた事はなかった。早く迎えに行きたくて、必死に働いたわ。そ
レオン さん作 [415] -
ばぁば 五話
言い訳はいらない。何もいらない。欲しいのは貴方の愛だった。祖母の葬式の日、伯父が海外から駆け付けて来た。今更、ばぁばが死んだ後に息子面するなんて…何てズルイ人だろう…。伯母は結局来なかった。最後の最後まで何て親不孝な人だろう…。葬式が終って、伯父は「大変だったね」と人事の様に言うと、私に一万円札を5枚握らせて「仕事があるから」とまた海外へ帰って行った。火葬する日、私は祖母に「ありがとう」と最後
レオン さん作 [417] -
ばぁば 四話
あれ?何でだろ?泣きたいのに涙がでない…。祖母が息を引き取ってから、お通夜や葬式の手続きをしなくてはいけなかった。伯母は昔、祖母と絶縁していて、伯父は海外に住んでいて、母とは連絡が取れなかった。だから高校生の私が色々やらなくてはいけなかった。川島さんに手伝ってもらい、何とか手続きを済ませて、ぼぉっと空を眺めていると母に対する怒りが込上げてきた。母は私を祖母に預ける前に言った。「理恵ちゃん、ママ必
レオン さん作 [426] -
ばぁば 三話
ゆっくりゆっくりとシワの間から涙が落ちた。祖母は酸素マスクを外して欲しいと先生に言った。マスクを外してもらうと、少し苦しそうだったけど、優しく笑った。私はこんなに穏やかな祖母の顔を見た事がなかった…。「少し疲れたから眠ろうかね」祖母はかすれた声でそう言うとゆっくり目を閉じた。それから祖母は目を覚ます事はなかった。祖母は働き物だった。祖母が寝ている姿を私は見た事がない。朝は日の昇らないうちに起きて
レオン さん作 [428]