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もか さんの投稿された作品が177件見つかりました。
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赤い女4
一気に振り返る…そこにはいつもの景色が映るばかりで、何の姿もない。「今の……何?」汗が夜風に冷されて、嫌な位鳥肌が立つ。美香は早くこの場を離れようと、落とした携帯に手を伸した。ピタッ!!!!携帯を掴んだ美香の手を、異常に白く細い手がそっと掴んだ。そして、あまりの恐ろしさでしゃがんだまま動けない美香の頭の上から、ゆっくりゆっくりと美香の顔を覗き込むようにクネクネと首を動かしてそれは現れた。黒い髪の
花音 さん作 [811] -
カグヤ姫1
あの日は確か満月で、夜空がとても綺麗な日だった。俺はその日、なかなか寝付けずにいて、ベランダに出て煙草を吹しながら考え事をしていた。「ハァ〜。ヤベェなぁ。」今日仕事で大変なミスをした。簡単な入力ミスだが、その一つのミスで我が社は大きな損害を被ったのだ。始末書何かで片付く様な問題ではない。もしかしたら…解雇処分かも知れない。入社して6年。今までも小さなミスはあったが、ここまで大きなミスは今回が初め
花音 さん作 [343] -
赤い女3
「もしもし」受話器越しに友達の声が響く。美香は小声で友達に助けを求めた。「佳織、助けて。公園に…さっき話してた女がいるの。」美香はゆっくり公園に目線を向た。背筋に冷たい物が走る。赤いワンピースの女はまだ俯いたまま微動だにしない。「ねぇ、佳織聞いてる?助けて!!!」「…し……だ……ょ」「何?ふざけてるの?」「ぅッ……ろ………」友達の声は途切れ途切れで、時折嫌なノイズが走った。こんな時に限って電波が
花音 さん作 [794] -
赤い女2
静かな公園に美香の足音だけが小さく響く。誰もいない公園は、青白い街灯の光に照されて余計と不気味に映る。見ない様に見ない様に。そう意識すればする程に、目線は何故か自然と公園の方へ向った。大きな噴水が目線にチラッと映った時に、美香は一気に血の気が引くのを覚えた。「公園に…誰かいる…」心臓が信じられない程に早く動いて、嫌な汗が額に滲んだ。ゆっくりと美香は目線だけを噴水の方へと向る。そのまま何も見なかっ
花音 さん作 [805] -
赤い女 1
「そこには、一人の女がいるの。」「どんな女?」「真っ赤なワンピースを着て、髪の毛の長い女なんだって。」「うわ〜。いかにもだね。」「それで、その女に気付かれるとさぁ、女がスーっと近付いてくるんだって。」「怖っ!!何なのその女?」「女の正体は誰も知らないの。その姿をちゃんと見た人は皆、死んだかおかしくなっちゃってるからさ。」「マジ…?うわ〜何かベタな話しだけど身近な場所だし怖いね。」「うん。美香も気
花音 さん作 [1,084] -
痛みの彼方?
気付けば私は15歳。いつからか、家の中にはあの女の趣味の悪い荷物が増えていた。「恵理ちゃんご飯よ。」人の名前を気安く呼ばないで欲しい。あの女は、私達親子のご飯を作り、洗濯をし、掃除をし、たまに図々しく母親気取りな態度を取る。どうでもいい話しだが、父親とこの女は結婚したらしい。父親は、この女がきてから随分と丸くなった。人間とは何と愚かな動物なのだろう…子供ながらにそう思った。父親は母親の事を全て忘
花音 さん作 [566] -
痛みの彼方?
さようなら パパさようなら ライさようなら ダーリンさようなら みなさんどうにもならない壮絶な痛みは私の思考も気持ちも全てを麻痺させた。あんなに憎んだ母親を、今は微かな意識の中で尊敬する。私の人生は神に見放されていた。9歳の時、両親が離婚して母親は私を捨てて家を出て行った。甘えたい時期に甘える相手を失った私は、クマのぬいぐるみ「ライ」を抱いて帰りの遅い父親を待った。父親は母親が出て行った日からお
花音 さん作 [434] -
kANON
優しいメロディーが私を包み込んだ2月良く晴れた空からキラキラとこぼれ落ちる光がアナタの横顔を照して私は思わず息を飲んだアナタは天使だったんだねいつか外国の教会で見た天使像のような神々しくて美しいその横顔に私はあの日恋をしたんだアナタの奏でる音は「KANON」という名前が付いていて、私はすぐにソレが好きになった小さくメロディーを口づさんでみると、周りの花達がワルツを踊るように揺れたいつも遠くから眺
花音 さん作 [469] -
Heel is mylife
パンプスを買ったあれは確か19歳7センチのピンヒールだった見える世界が少し変って少しだけ大人になった気がしたあの頃は早く大人になろうと私は早足で歩いた慣れないヒールが不安定な私の心を表す様に、ユラユラと重心を定めずにいた私があんなにも大人になろうと必死だった理由は、言うまでもなく当時、好きだった男のためだ健気に尽くした日々は、二か月で幕を閉じたちょうどパンプスのヒールが磨り減ってきた頃に、気が付
花音 さん作 [416] -
I'm Sorry?
次の日の朝、私は昨日買ってもらった白いコートを着た。ライにお別れのキスをして、鞄を手に取ると玄関へ向う。彼は後ろからトコトコとライみたいについて来た。「じゃあ、今までありがとうね…。」私がそう言ったと同時に、彼は私を引き寄せて抱き締めた。少し震えていた。「此所に居ろよ。俺の側から離れるなよ。」泣いてるのが分った。初めて見る涙だった。私は胸が痛くて知らぬ間に涙が溢れていた。「お前が嫌な所は直すよ。
花恋 さん作 [410]