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すてねこ さんの投稿された作品が5件見つかりました。
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寂しい悪魔
ある所に悪魔がいました。その悪魔は生まれついての本物の悪魔です。悪魔が生まれた時、あまりの醜さにショックでお母さんは死にました。産声の醜さで、病室にいた人達は発狂して死にました。その吐く息は毒の息で、なんとか育てようとしたお父さんもやがて中毒で死にました。悪魔はいつもひとりです。誰もが悪魔のことを悪魔だと知っているからです。知らない人もその姿の醜さですぐ悪魔だと気付きます。誰も悪魔に近付きません
すてねこ さん作 [445] -
自転車男
午前6時20分。いつもの時間。いつもの場所に僕はいる。河川敷のサイクリングコース。愛用のママチャリに跨がって、道行く人々を観察する。何のために?もちろんそれは、いつものあの娘を探すためだ。毎日この時間、この場所を通るあの娘。やがて、ペダルを漕ぐ音が聞こえてきた。この音は……あの娘だ!振り向こうとした瞬間、僕の横を疾風が過ぎていった。あの娘は疾い。とんでもなく疾いのだ。あっという間に背中が小さくな
すてねこ さん作 [388] -
弔う人々
朝、家を出ると世界は変わっていた……らしい。いつもの道のりを歩いていると、ある不自然さに気付いた。始めは何とも思っていなかったが、段々とその異常を異常として受け入れることができた。道行く人々が皆一様に黒服に身を包んでいたのだ。大人は喪服を、子供も落ち着いたデザインの黒服を着て歩いていたのだ。最寄りの駅に着いても、ホームに立つのは黒服ばかり。まさかと思って電車に乗っても、やはり皆黒服だった。怖くな
すてねこ さん作 [788] -
イソップさんのありがたいおはなし
昔々かどうかはわかりませんが、とある所に働き者のアリさんと遊び人のキリギリスさんがいました。アリさんは言います。「キリギリスさん、遊んでばかりいてはいけないよ。そんなんで将来どうするんだい?」対してキリギリスさんは、「ほっといてくれ。オレは太く短く生きるんだ。だから好きなことばかりやってるのさ」冬になりました。アリさんは真面目に働いたおかげで家族と楽しく暖かく過ごしていました。ところがキリギリス
すてねこ さん作 [596] -
偽マッチ売りの少女
夜道を女の子が歩いていた。服はボロボロ髪はボサボサ、おまけに靴も履いていない。いかにも寒そう。手にはマッチがたくさん入ったカゴを持っている。また今日も一箱も売れなかった。このまま帰ったら、またお父さんにぶたれてしまう。女の子は帰るに帰れなくて寒い夜道を歩いていた。道をいく女の子にふと、一軒の家の窓が目に止まった。暖かそうに燃える暖炉、テーブルの上のおいしそうなご馳走、幸せそうに笑う家族。それを見
すてねこ さん作 [916]
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