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麻呂さんの投稿された作品が616件見つかりました。

 
  • チンゲンサイ。?

    『さぁさぁ座って。ユウの大好きなカレーよ。』それは、妻が玄関先に立っているユウを座るよう促し、お皿に、なみなみに盛ったカレーをテーブルの上に置こうとした瞬間だった。ガンッッ‥ガラガラガッシャーン‥―ー‐ユウは、妻がテーブルに置いたカレーを、他の料理や食器と一緒に、床へ放り投げたのだ。『こらっっ!!ユウ!!何て事をするんだ!!』さすがの俺も、これには黙っていられなかった。妻は、両手を口に当て、我が
    麻呂 さん作 [405]
  • チンゲンサイ。?

    しかし、ユウのあんな反抗的な態度は初めて見た。やはり、これも仕事を辞めた俺のせいなのか。思い起こせば、リョウがユウと同い年の時には、こんな事は1度も無かった。ユウと比べて、少し要領がいいリョウは、反抗期さえも、うまく通り抜けて来たのかもしれない。それは、来年の大学受験を推薦入学と言う形で、本人が希望している事からもうかがえた。『あなた、夕食の支度が出来ましたよ。』内心、夕食を作る心境ではなかった
    麻呂 さん作 [403]
  • チンゲンサイ。?

    2階へ向かって叫んだ俺に、ユウからの返事は無かった。『ユウ!!聞こえないのか?!早く下りて来なさい!!』2人の息子達に、こうして声を荒げる事が、未だかつて1度も無かった俺が、なぜ今、このタイミングなのか。思春期の難しい時期真っ只中のユウと、その時期を通り過ぎたばかりのリョウが、あまりにも素直でいい子達だったからと言う事なのか。『うるせーな!!何か用かよ!!クソオヤジ!!』部屋のドアを開ける音とほ
    麻呂 さん作 [451]
  • チンゲンサイ。?

    妻は泣いていた。滅多にする事もない夫婦ゲンカの時だって、簡単に涙など見せる女ではなかったのに。息子の吐いた暴言のショックが、よほど強かったのだろうか。こういう時、父親として出るべき態度は決まっているが、今となっては、父親の威厳さえ無くした俺が、息子を叱りつけた所で、何の解決になるだろうか。正直、こんな事を考えている自分が情けなかった。俺は息子が怖いのか?!――しかし、あの素直なユウがどうして――
    麻呂 さん作 [418]
  • チンゲンサイ。?

    近所のスーパーの惣菜売り場でパートとして働く妻が帰宅するのは、いつも大体夕方の4時頃だ。俺は、妻の帰宅時間に合わせて自宅へ向かう。公園と職安を行ったり来たりして時間を潰すのも、ひと苦労である。せめて仕事が決まる間位、家で掃除や洗濯など、家事の手伝いをしてみようかとも考えたが、それだけは、やめてほしいと、妻に懇願された。一家の大黒柱が、真っ昼間からぶらぶらしている所を、近所に知られるのが嫌なのだそ
    麻呂 さん作 [453]
  • チンゲンサイ。?

    俺の声に気付いたのは、ユウではなく、ユウの相方だった。『おい、ユウ。アレ、お前の知り合い?!』ユウと一緒にいた男子中学生が、後ろを振り返り、俺を、何か汚いモノでも見るかの様な目で見つめている。『あ〜???知らねーよ。そんな汚ねーオッサン。早く行こうぜ。』なんと、ユウは俺の方を少しも振り返る事も無く、その場を去って行ってしまった。“汚ねーオッサン”我ながら、情けないと思った。自分の息子に、そう呼ば
    麻呂 さん作 [422]
  • チンゲンサイ。?

    こうして毎日、公園のベンチに座りながら、考える事と言えば決まっていた。妻や子供達には、次の仕事の当てがあるなどと、デカイ事を言ってしまったが、鈴木が本気で言ってくれたのかどうかは、俺にも分からない。単なる社交辞令にしては、出来過ぎた話だ。しかし、今の俺には、鈴木のそんな気遣いがとても嬉しかった。『――でさ、となりのクラスの北岡と木下が遂に付き合ったんだってよォ。』『マジで?!』ベンチに座ったまま
    麻呂 さん作 [460]
  • チンゲンサイ。?

    ――お前ン家、貧乏だから、専門学校に行けないからって、すぐに就職しただろ?!しかも配属先がシステム開発課で。それからのお前は、死に物狂いで、独学で勉強していた。あの時のお前を見て俺、すげぇよコイツって、尊敬してたんだぜ?!――――……は…は…。昔の話だろ。結局、他部署へ異動させられたのだから…所詮、俺はその程度の男だったって話さ――――……………。そうだ!!お前、俺ンとこ来いよ。俺の勤務先の会社
    麻呂 さん作 [455]
  • チンゲンサイ。?

    * * * * * *そう言えば、高校時代の友人と会ったのは、何年ぶりだろう――仕事を辞めた俺には、居場所が無かった。今日も1人、公園のベンチに座り、1袋50円のパンの耳をかじる。先日、仕事帰りに、ふと立ち寄った本屋で偶然会った彼は、高校時代と比べ、少し老けていたが、言葉を交わすと、中身は何も変わらない、昔のままのイイヤツだった。卒業後、友人は専門学校へ進み、俺は家が貧しかったから進学せず、すぐ
    麻呂 さん作 [467]
  • †生きる†<麻呂>

    生きるコトの意味を――常に考えながら生きてる人なんているのかな――僕らは毎日、当たり前のように生活し、それを当たり前のように繰り返し続けているケド、それってよく考えてみると、すごく幸せなんだってコトに、みんな、お願い気づいてください。僕も、ソレに早く気づいていたらよかったのにって、後悔しているから。そしたら――僕の隣の席のあのコが、マンションの屋上から飛び降りるコトはなかったのかもって。そんなコ
    麻呂 さん作 [382]
 
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