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麻呂さんの投稿された作品が616件見つかりました。
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奈央と出会えたから。<74>
『コラァ!!何やってんだ!!テメェラわぁ!!』そこに立っていたのは、今日は休みの筈の聖人だったー。その表情は、眉間に深くシワを寄せ、目を大きく見開き、口元は歯をギリギリと噛み締めていて、あたしが今までに一度も見た事の無い険しい表情だったー。『教室の外から事の経緯をしっかりとこの目で見させてもらったぜ!!』聖人は、そう言いながら、ツカツカと教室の中に入って来たー。さっきまでザワザワと騒がしかった教
麻呂 さん作 [770] -
奈央と出会えたから。<73>
泣いてはいけないー。泣くなよ、あたしー。泣いたらコイツらの思うツボじゃんよー。今までどんなに酷いイジメを受けても、あたしはコイツらの前で泣いた事は無かった筈ー。ほらー。ユカがこっちを見てるー。さっきあたしが職員室へ行こうとした時ーフッと視界に入った、ユカの鋭い目つきー。そしてーユカのあたしへの嫌がらせに加わるクラスメイト達ー。“クス‥クスクス‥‥”“泣けよ‥ほら‥”“しぶてぇ〜な。まだ泣かないぜ
麻呂 さん作 [772] -
奈央と出会えたから。<72>
教室へ戻ったあたしは自分の席に着いたー。一時限目の授業の教科書を用意しようと机の中に手を入れるとー何かが手に引っ掛かったー。なんだろう?!ーなんか、グシャグシャになった紙の様なーあたしは、そのグシャグシャになったモノをー恐る恐る、机の中から引き出したー。何???ー スケッチブック?!ーそれは、あたしの愛用のスケッチブックだったー。この一冊には、入学してから、ここ最近までのスケッチが描かれていて、
麻呂 さん作 [767] -
奈央と出会えたから。<71>
* * * * * *『木下。何故此処へ呼ばれたのか分かるな?!』渋川は、あたしの顔を見るなりそう言ったー。『はいー。』『昨日、休み時間の間に、北岡と二人で教室を飛び出したそうじゃないか?!』ほら来たー。『お前も知っているとは思うが、北岡の行動には常に問題が付き纏っているー。』だから何だってのよー。『実は北岡はな、心臓が弱くて、お前達より二年年上なんだー。』知ってるわよ、そんなコトー。『それで引
麻呂 さん作 [896] -
奈央と出会えたから。<71>
〜お詫びと訂正〜第67話で、奈央が北岡に対して、“あなたのその少年の様な笑顔”と言う表現をしていますが、北岡は“少年”でありますので、この表現は明らかにおかしいです(笑)正しくは、“あなたのその子供の様な無邪気な笑顔”と言いたかった訳であります(笑)他にも誤字脱字等、多々あるかとは思いますが、どうぞお許しください!!(^^ゞ〜奈央と出会えたから。<71>〜次の日ー。『おはよう〜。』今日もまた、あ
麻呂 さん作 [774] -
奈央と出会えたから。<70>
『だけど、これだけは信じてくれ。俺は偽善者でも何でもないー。』そう言って、北岡はあたしのおでこに軽くキスをしたー。『理屈じゃねぇんだよ‥。俺はお前が‥たまらなく‥めちゃくちゃ大好きなんだよ!!何度も言わせんな!!照れるだろ!!』そう言った北岡の声が大きくてー公園中に響き渡っていたー。さっきの子供連れの若いお母さんが、あたし達の方を見て、ニコニコ微笑んでいたー。あたし達は真っ赤になって顔を見合わせ
麻呂 さん作 [807] -
奈央と出会えたから。<69>
『じゃあさ、あたしがユカに何をされたか‥北岡君は知ってる?!』またもや意地悪を言ってしまったあたしー。だってそうじゃんーあたしが入学以来、クラスメイト達から受けて来た様々なイジメの数々は、全てこの“秋田谷 ユカ”の計画によるものだったのだからー。『全部知ってる。俺はこの通り学校にあまり来てなかったから、後からクラスの連中に聞いたりした部分もあったけど‥。』北岡は淡々と答えたー。『なら‥‥北岡君も
麻呂 さん作 [781] -
奈央と出会えたから。<68>
あたしの横でケラケラ笑っていた北岡は、やっと笑いが治まると、あたしの一番聞きたかったユカとの関係について話してくれたんだー。『俺とアイツは、幼馴染みなんだ。つい最近までは家が近所でよ。アイツの家は裕福で、小さい頃から甘やかされて育って来たから、性格的には、かなり偏ってると思うぜ。』そう言って北岡は、前髪を掻き揚げたー。フワッと心地良い風に、北岡の長めの前髪が舞い上がるー。知らなかったー。北岡とユ
麻呂 さん作 [705] -
奈央と出会えたから。<67>
『‥‥アイツとは何もないよ。』そう言って、北岡があたしに笑い掛けたー。あたしは、その言葉を聞いてホッとしたー。ホッとしたと同時に北岡を傷つけた自分に腹が立ったー。あんなコト言わなきゃよかったー。『‥ごめんね。あたし‥変なコト言っちゃって‥‥。』さっきからあたしの涙腺は緩みっ放しだったし、これ以上話すと、また泣きそうだったからーあたしは話すのを止めたんだー。あたしは決して泣き虫なんかじゃないー他人
麻呂 さん作 [738] -
奈央と出会えたから。<66>
『木下。俺はお前が好きだ。』ドキッ‥‥。信じられない一言ー胸がトキめいたー。北岡は、真っ直ぐあたしを見ていたー。今、あたしの目の前にいるのはー今、あたしのコトを好きって言ってくれたのはーあたしがずっと心の中で思い続けていた人ー。その存在がーあたしの中で、これ程までに大きくなっていたと気付いたのはーつい最近の事だったけれどー。『あたしも‥。北岡君のコト‥大好きだよ。』決して言うコトはないと思ってた
麻呂 さん作 [764]