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いっとさんの投稿された作品が174件見つかりました。
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クリスタルクラッシュ5―?
「はい」「…」エナンの返事に彼女は目を光らせると、剣をもう一度鞘から抜きはなった。「え!?」この行動を予測していなかったのか、エナンは動揺したような表情を浮かべた。「渡しなさい」「…は?」「クリスタルをこちらに渡しなさい、と言っているのです」「!」ミーナ、リリア、エナン、ダリル、ザックの五人はその言葉を聞いて一斉に息を呑んだ。「メディナさん、どういう事ですか?クリスタルはあなたにとって必要の無い
いっと さん作 [392] -
クリスタルクラッシュ5―?
居並ぶ官吏はその様子に眉をひそめたが、反抗する者は誰一人としていなかった。「アギール、ダミスへのクリスタル輸送は通常の三倍の兵士を護衛につかせろ。いいな?」「は…仰せのままに」「それと、他の保養所への兵力増強も図っておけ」「へ、陛下、それはなりません!」サイファは慌ててエリックを止めた。「何故だ?」「兵力を保養所に回せば必ず手薄な場所ができてしまいます!他国に攻められては元も子もありませんぞ!」
いっと さん作 [369] -
クリスタルクラッシュ5―?
王都アギウスにあるトライス城の会議室。そこではエリックの怒声が鳴り響いていた。「何たる無様な事だ!保養所の警護を任せた精鋭たちが誰一人としてクリスタルを守れなかったとは!」「申し訳ありません…」アギールは唇を噛みながら、頭を地にこすりつけてエリックに謝り続けていた。「しかもあそこには複数のクリスタルを隠していたのだぞ…それを奪われたとなれば、この城さえも危うい…」エリックは忌々しげな顔で地面にひ
いっと さん作 [396] -
クリスタルクラッシュ4―?
「…」メディナは僅かに首を捻って、ダリルの首筋から剣を離した。「くっ…」ダリルは首筋をさすりながら、唇を噛んだ。「何を盗んだのかしら?」「え…?」ミーナは予期せぬ質問に驚いて、目を大きく見開いた。「それほどの剣幕で盗賊でないと言い張るのなら、何か別の目的があって宝物を盗んだのでしょう?違うかしら?」「そ…そうよ!私たちの盗んだのは…」「ミーナ!」エナンは大声でミーナの言葉を遮った。「え、エナン…
いっと さん作 [413] -
クリスタルクラッシュ4―?
「そちらのお嬢さんを引き渡してもらうわ」メディナはダリルの首筋に剣を当てながら、リリアを指差した。リリアは唇を噛んで、無念そうな表情で俯いた。「賞金稼ぎですか?」「そうよ」「どうやってこの場所を探り当てたのですか?」「安心なさい。兵隊にはこの場所を知らせていないし、その気も無いから」メディナはエナンの質問には答えず、リリアに向かって優しく話しかけた。リリアは僅かに安堵したような顔で、頭を上げた。
いっと さん作 [392] -
クリスタルクラッシュ4―?
「私たち以外の誰かがクリスタルを奪った?」「はい」エナンは小さく頷いた。「相手が誰かはまだわかっていないようです。ただ、別の保養所が襲撃されて宝物が盗まれたという情報は確かです」「俺たち以外でもクリスタルの存在と在処を知った奴がいるという事か」ダリルは眉間にしわを寄せて、唸った。「この出来事で私たちは作戦変更を余儀なくされるかもしれません」「ど、どうして?」「相手の警備態勢がこれを機にもっと強く
いっと さん作 [397] -
クリスタルクラッシュ4―?
酒場の中では荒くれ者たちが酒を飲みながら下品な笑い声を上げていた。―メドゥナ家がまだ健在だったなら、てめえら全員牢屋にぶち込んでいるぜ。コッペルは心の中で荒くれ者たちを侮蔑の目で見つめていた。―マーチンの野郎は俺を良く思っていないみたいだが、それは間違いだ。俺は兄貴より優秀なんだよ。ニヤリと笑い、剣の柄を撫でる。―剣の腕は兄貴より上。しかも…だ。彼は懐に手を入れて、中にある固い感触を確かめた。―
いっと さん作 [382] -
クリスタルクラッシュ4―?
メディナは残念そうな顔で小さく頭を下げると、その家から離れていった。―後は様子を見るだけね。彼女はニヤリと笑って、髪を掻き上げた。「誰だった?」ブラウンは少し心配そうな表情でエミリーに尋ねた。「女の人だったわ。妹さんが家を出て行ったまま行方知れずになって、捜しているそうよ」「そうか…なら心配する事は無いな」「ええ。人を捜していると言われた時は一瞬ドキッとしてしまったけれどね。兵隊さんでなくて良か
いっと さん作 [390] -
クリスタルクラッシュ4―?
剣を帯びて村に入るのは構わないだろうが、特に用事が無いのに村を歩くと警戒される一因になってしまう事がある。排他的な村で一度でも警戒されてしまうと、情報収集に支障をきたしてしまうものなのだ。「まあ、これがあるから大丈夫でしょう」メディナは背中側のベルトに取り付けられた短剣をローブ越しに撫でながら、村の中に入った。しばらく歩いていくと、彼女は一軒の農家に目を留めた。―小屋が二つ…?彼女の目の先には平
いっと さん作 [408] -
クリスタルクラッシュ4―?
「そうですか…それでこの活動を承知してくれたんですね」ザックは納得したように頷いた。「それともう一つ」エナンは人差し指を立てて、「私やダリルが次男である、という事です」と、言った。「あ…そうか、跡継ぎがいるから…!」「そうです。次男坊ですから私やダリルにもしもの事があっても農家は続けられますからね」「でも…それなら死んでもいい、という事にはならないよね…」傍で二人の会話を聞いていたミーナはポツリ
いっと さん作 [386]