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いっとさんの投稿された作品が174件見つかりました。
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クリスタルクラッシュ9―?
「それで結構です。ありがとうございます」メディナは頭を下げた。「ありがとうございます」ザック、エナン、ダリル、ミーナの四人も彼女に続いて頭を下げた。「一週間じゃ」レムはニヤリと笑って、「一週間で基礎を叩き込むぞ。覚悟せよ」と、言いながら剣を鞘に収めた。「一週間でいいんですか?」「うむ。もちろん、うちに住み込んで徹底的に鍛えるのが前提じゃがな」「…なるほど」メディナは大きく頷いた。「それで宜しいか
いっと さん作 [471] -
クリスタルクラッシュ9―?
「戦うんじゃよ。クリスタルクラッシュと」「…戦う…」ザックは微かに肩を震わせた。「…あれ?」ミーナは何かに気付いたような表情で、レムを凝視した。「どうした?」「さてはわしの格好良さに気付いたかの?」レムはニヤリと笑うと、剣を掲げてポーズを作った。「いえ、別に格好良さに気付いた訳じゃないです」ミーナはきっぱりと否定した。「おしいのお。この格好良さがわからぬとは」「お爺ちゃん、格好良いよ」女の子は椅
いっと さん作 [443] -
クリスタルクラッシュ9―?
「村が破壊されたのはご存知でしたか?」「うむ…あれだけの力を使えばさすがに気付くからの」「ならば話は早いです。私たちに協力してくれませんか?」エナンは真剣な表情でレムを見た。「…」レムは小さく息を吐いて、立てかけてある剣を手に持った。「一つ聞こう」「なんでしょうか?」「王を除いた後はどうする気じゃ?」「然るべき人物に後を継ぐよう呼びかけています。成功したなら、その者を王とします」「?」エナンの言
いっと さん作 [444] -
クリスタルクラッシュ9―?
「クリスタルは持っています。そしてフールの剣もあります。彼らに対抗できるクリスタルクラッシュを育成してほしいのです」メディナはレムの目をじっと見つめながら、頼んだ。「…お前さんがなるのか?」「いえ、私ではなく彼です」彼女はそう言って、ザックを指差した。「なんじゃ、男か」レムは興ざめしたような顔で、首を横に振った。「お爺ちゃん、お客様に中に入ってもらおうよ。落ち着いてお話しした方がいいでしょう?」
いっと さん作 [488] -
クリスタルクラッシュ9―?
「趣味ではない!」ダリルは胸を張ると、「本能だ!」と、叫んだ。「…」ミーナはがっくりと肩を落として、大きく息を吐いた。「レム様はいるのかしら?」「いるよー。お爺ちゃん!」女の子は後ろを振り返って、レムと呼ばれた老人を呼んだ。「何じゃな?」レムは白い口髭を触りながら、扉までのっそりとやって来た。「レム様、お久しぶりです」メディナはレムを見て小さく頭を下げた。「おお、メディナか!久しぶりじゃなあ、三
いっと さん作 [436] -
クリスタルクラッシュ9―?
ザック、ミーナ、ダリル、メディナ、エナンの五人は小高い丘を登っていた。「リリアも連れてきてやりたかったなあ…」ダリルはため息を吐いた。「仕方ないですよ。兵隊に見つかってはいけませんし」「まあな…」「それより、あれは落としていませんか?」エナンはダリルの懐をちらりと見た。「ああ。ちゃんと持っているぞ」ダリルは懐を軽く叩いた。「着いたわよ」メディナはザックたちの方を振り返って、目の前に見える小さな家
いっと さん作 [446] -
クリスタルクラッシュ9―?
「何を言っている。お前でもできるだろう」リカルドは首を傾げた。「俺はお前のようにはいかん」エナンは首を横に振って、頭を掻いた。「…エナン?」「また何か変化があったら知らせてくれ」そう言って彼は小さく手を振ると、リカルドに背を向けて立ち去って行った。―俺はお前ほど優秀じゃない。エナンはフードをかぶり直しながら、ため息を吐いた。―学校では常にトップクラスの成績を残し、宰相府に入るとメキメキと頭角を表
いっと さん作 [477] -
クリスタルクラッシュ9―?
「くそっ…」リカルドは天を仰いだ。「それと、あれを狙うもう一つの組織が襲撃してきていた。撃退されたと思うが、奴らも要注意である事は間違いないぞ」「この前保養所を襲った奴らか?」「そこまではわからない」エナンは首を横に振った。「だが、荷車にあれが入っている事を知っている連中である事は確かだ」「そうだな。追い剥ぎや盗賊の連中ならわざわざ彼らを襲ったりはしないからな」リカルドは大きく頷いて、一つ小さく
いっと さん作 [441] -
クリスタルクラッシュ9―?
「え…?」「それで、王様を殺して」「!」ザックは驚いて肩を震わせた。「冗談よ」ミーナは小さく笑った。「でも、半分は本気」「…」「村を破壊した時の王様の嬉しそうな顔、私は一生忘れないから」彼女はそう言ってザックから目を逸らすと、静かに立ち去って行った。「ミーナ…」ザックはミーナの後ろ姿を眺めながら、ゆっくりと頭を振った。「それは本当か!?」フードを目深にかぶったリカルドは、目を大きく見開いた。「あ
いっと さん作 [457] -
クリスタルクラッシュ9―?
「どうしたの?」「…収穫はもうすぐね…」ミーナは野菜の葉を手にとって呟いた。「あの日もね、収穫前だったんだ」「え?」「村が無くなった日」「…!」ザックは息を呑むと、ミーナの後ろで立ちすくんだ。「あの時はちょうどキノコ採りに出かけていたの。だから私だけ助かった」ミーナは持っていた葉を離して、顔を上げた。「その現場には多くの兵隊がいたわ。…王様もね…」「…ミーナ…」「それを見た瞬間、私は一目散にその
いっと さん作 [456]