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いっとさんの投稿された作品が174件見つかりました。

 
  • クリスタルクラッシュ7―?

    リカルドと名乗った青年は冴えた双眸をサクリスに向け、「エリック王を止められるのはサクリス様以外おられません。どうか、お願いいたします」と、言いながら頭を下げた。「止めろ…か。難しい話しだ」サクリスは渋い顔で首を横に振ると、小さく息を吐いた。「手紙の中にはエリックは先王のできなかった事をやるつもりだと書いている。これが本当なら、彼を止める事は恐らく無理だろう」「それならば、止めるのではなくあなた様
    いっと さん作 [378]
  • クリスタルクラッシュ7―?

    「…すまんが、外に出てくれ」サクリスは左右に佇立している兵士に目配せして、部屋の外に出るように促した。「は…」兵士たちは一礼すると、静かに部屋から出て行った。「…クリスタルだと?」サクリスは困惑したような表情で、手紙にもう一度目を通した。「エリック王は四年前からクリスタル集めに着手しています。そして今、それらの隠し場所を保養所という名目で建設しているのです」「なるほど」若者の返答に、彼は大きく息
    いっと さん作 [392]
  • クリスタルクラッシュ7―?

    「…」メディナはうっすらと目を開けて、暗闇に包まれた部屋を見つめた。―またこの夢か…。うんざりしたような表情で寝返りをうちながら、髪を掻き上げる。―ザックがあんな事を聞いたから…かしら?きっとそうね。彼女はそう呟いて、目をつぶった。―私が、必ず…!彼女はそう心の中で強く言い放つと、自らの意識を静かに闇の中へと落としていった。カシアス王国の西にある城「ルディウス」。そこにはエリック王の叔父であるサ
    いっと さん作 [399]
  • クリスタルクラッシュ7―?

    あちこちが焼けて黒ずんだ彼女の家は不気味なほど静かに建っていた。―生きているの…?そんな疑問が心を乱し、ドアノブを持った手を震わせる。彼女はしばらく手を震わせた後、目をかっと見開いてドアを勢いよく開けた。ドアから漏れた光が暗い部屋に降り注いで、黒ずんだ床や壁を明るく照らし出した。「う…あ…」彼女はそこにある光景を見て、口元を手で覆いながら座り込んだ。中には三つの骸が折り重なっていた。その上には錆
    いっと さん作 [378]
  • クリスタルクラッシュ7―?

    森の中を一人の女性が歩いていた。まだ顔に幼さが残る彼女の口元には笑みが浮かんでいる。―何年ぶりかしら?三年ぶりね、そう彼女は呟いて、愛する家族の顔頭の中で思い描く。―弟の背はどこまで伸びたのかしら?母さんや父さんは元気でいるのかしら?思い描いた家族の顔はどれも優しい笑顔を見せていた。「広い世界を見てみたい」そう言って家を出てから三年。彼女はようやく一つの区切りをつけて、故郷に戻ってきたのである。
    いっと さん作 [389]
  • クリスタルクラッシュ6―?

    彼女は大きな声を出して、ザックを睨みつけた。「ご、ごめんなさい!」ザックは顔を真っ青にして俯きながら、謝罪した。「…死んだわ」メディナは首を横に振って大きく息を吐くと、小さな声で呟いた。「え…?」「三人共にもうこの世にはいないわ。…これ以上は聞かないで」「あ…ご、ごめんなさい!嫌な事を聞いてしまって…」「いいのよ。知ってて聞いた訳ではないのだから」彼女は力無く笑うと、「明日も訓練が待っているわ。
    いっと さん作 [363]
  • クリスタルクラッシュ6―?

    「それって十分なスタミナじゃないですか!」ダリルとエナンは驚いて起き上がった。「十分?いいえ、それは違うわ」メディナは首を横に振る。「先ほど言った兵士十人と三十分、というのはあくまで技量と実戦経験が対等な立場であった場合よ。もしも今、兵士十人を相手にしたらもって五分がいいところね」「五分かあ…」ダリルは残念そうな表情で再び地面に寝転がった。「大丈夫よ」メディナは小さく微笑んで、「保養所が出来るま
    いっと さん作 [366]
  • クリスタルクラッシュ6―?

    昔のエリック王の姿を思い浮かべながら、彼は静かに首を横に振った。―偉大な父を謙虚に受け止める心を育んであげられなかった。結果、こうなってしまった…。「後悔しても始まらんな」サイファはもう一度首を横に振って一つ大きく頷くと、据え置かれた机の引き出しを開けて紙を取り出した。羽ペンにインクをつけてスラスラと何事かを書き込む。「ワシに出来る事はこれしかあるまい」彼は小さくそう呟いて、窓を開けた。雲一つ無
    いっと さん作 [377]
  • クリスタルクラッシュ6―?

    エリック、アギールの二人と兵士二人がサイファを取り囲んでいた。「つまらん事をやってくれたな!サイファ!」エリックは吐き捨てるように言って、髪を掻き上げた。「…」サイファは無言でエリックの顔を見つめている。「本来なら貴様を断頭台に送ってやる所だが、貴様がいなくなると宰相府が大混乱に陥る。よって命だけは取らん。感謝しろ」「…エリック様。クリスタル集めはもう止めて下され」サイファがそう言った瞬間、エリ
    いっと さん作 [375]
  • クリスタルクラッシュ6―?

    「…あ、そういえば…一度だけメディナさんが『この剣は正しい事の為に使われるべきよね…』みたいな事をつぶやいた事があったっけ…」「…!」リリアは目を大きく見開いた。「正しい事か…難しいよな…」ザックは剣を持って鞘を撫でた。黄色いそれはランプの光を受けて白く輝いている。「さて、明日も畑仕事と訓練が待ってるし、早く寝ないとな!」ザックは体の疲労を振り払うようにして椅子から勢いよく立ち上がると、大きく伸
    いっと さん作 [379]
 
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