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まっかつ改 さんの投稿された作品が432件見つかりました。
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処刑生徒会長第三話・21
期待した程派手な処刑でもなかった。一瞬で引ちぎられた四跨や胴体は、すぐに傷口が収縮し、案外出血量は少なく、臓器が飛び散った分けでもない。敢えて言えば、綺麗に地面に立った斉藤サツキの頭部が、見開かれた両目でこちらを睨みつけたままの状態で静止し、梅城ケンヤを少なからず動揺させたが、おりからのそよ風に煽られてゴロンだるまみたいにあっけなく転がり、横になってしまった。恐怖や戦慄よりも、ゲームや映画を見て
まっかつ さん作 [845] -
処刑生徒会長第三話・20
『それでは今より、虚偽の告発及び校内における騒擾を企んだ罪により、本校生徒・斉藤サツキの死刑を執行する!』朝礼台に登った風紀委員長・赤城マモルは校庭を埋め尽す生徒達に向けて右手を挙げた。そして―\r『最後の言葉(ラスト・ワード)は?』校庭の中央で死を待つ斉藤サツキに向けて声をかけた。斉藤サツキは今や、両手・両足・頭を丈夫なロープで結ばれ、それぞれ前後の軽トラにしっかりと繋がれたまま、敷かれたマッ
まっかつ さん作 [766] -
航宙機動部隊前史・16
航宙遊牧民族は物造りが苦手だった。あるいは重視していなかった。彼等からすれば生産物とは購入するか収奪する対象であれこそすれ、自らそれに携わる事は、恐らくは軽蔑すべき話だったのだ。しかも、消費すべき頭数が、大衆市場としては貧弱な規模に終始していた。どれだけ豊かでも、だから一人辺り毎日十人分のステーキやパンが食べれる訳では無いのだ。一方、この点狩猟民族はそれこそ物造り・技術開発に特化して行った。それ
まっかつ さん作 [462] -
航宙機動部隊前史・15
航宙遊牧民族が人類に先駆けて始めた事は、他にも色々あった。超高速宇宙船に武装を積んで、宇宙時代初の恒星間機動部隊を作ったのも彼等だし、軍事目的の情報システムを応用して、軍艦を改装した中継船を使った通信・情報システムを民間に解放し、この分野での太陽系連邦独占体制を打ち砕いたのも彼等であった。更に、その強大な軍事力・情報力を背景に、主要航路を押さえ、通行税を徴収し、やがてこれは航路保険の制度にまで進
まっかつ さん作 [451] -
トトノート・2
秋の江ノ島は、何か寂しい。昼間っから授業をサボって来た高校生・和式都射(トイル)は、そこら辺から拾ったござに座って砂浜を眺めた。『ああ〜つまんね〜』ぼやきながら、彼は仰向けに倒れ込み、首の後ろに腕を組んだ。抜けるような青空―\r涼しい浜風―\rだが、刺激がない―\r和式都射は大した取柄もなければ、彼女もいない。逆に、イジメや病気や家庭問題みたいな深刻な悩みを抱えている訳でもない。平凡で無機質で退
まっかつ さん作 [636] -
航宙機動部隊前史・14
やがて、段々と明らかになったのは、巨大な恒星間宇宙船を駈り、大規模な船団を組んで常時移動する航宙遊牧民族の優位であった。彼等は引き続き商業・戦争で活躍し、その方面での技術開発にも余念が無かった。そして、人類史上発の時空集約航法の実用化に成功したのも、彼等であった。銀河元号二六九年・特殊実験船《ティムール》に装備された時空抽象場破砕・再構成システムは、理論通りに機能し、三三分間の時空防護膜《グリー
まっかつ さん作 [416] -
処刑生徒会長第三話・19
赤木マモルの呼び掛けに応じて、生徒達は口々に叫んだ。『殺せ!』『殺してしまえ!』『死刑にしろ!』『あの悪魔を殺して!』『梅城会長!あんなやつに情けは無用だ!!』『そうだ!生かしておけば更に誰かが騙される!!』殺せ 殺せ 殺せ 殺せ―\rいつしか同じ言葉が体育館中を埋め尽した。演壇上から片手を上げてそれを制止してから―\r梅城ケンヤは宣告を下した。『では、生徒諸君の総意により、斉藤サツキを偽
まっかつ さん作 [924] -
処刑生徒会長第三話・18
体育館のざわめきは、一層大きくなって行った。斉藤サツキは冷汗を流しながら自己弁護をした。『そんな、濡衣です!何で私が詐欺なんか!』しかし―\r『だからあ、証拠は揃ってるんだって』梅城ケンヤは苛立たし気に髪をぽりぽりと掻いた。『何の準備もなく私が処刑を命ずると思うのかね?しかも、君は先会長の時に同じやり方で二人を死刑にさしている―証拠も証人も証言も記録も山盛りある。全く今の今まで処罰されなかったの
まっかつ さん作 [779] -
トトノート
とある製薬会社から研究中の製品が紛失した。それは極度の便秘に苦しむ患者を救うために造られたノート型の生理現象調節機だった―\rその名は【トトノート】このノートに名前を書かれた人物は全て…盗んだのは他でもない。開発に当たった天才科学者だった。『あ〜あ、こんなもん作ったってしょうがないんだがなあ』アメリカ合衆国コロラド州デンバーの研究所からこのノートを持ち出したベンジャミン=ノイマン博士は、退屈そう
まっかつ さん作 [859] -
処刑生徒会長第三話・17
被疑者達三人の言い分を聞いてから、今度は梅城ケンヤは右手を大きく上げた。すると、ステージ真横の内部ドアが開き、風紀委員に先導されながら一人の女子生徒が、被疑者達のすぐ前にまで進んで来た。『斉藤サツキ君―君を痛め付け、凌辱したのは彼らで間違いないかね?』壇上から尋ねる梅城ケンヤに、彼女は大きくうなずいた。『ええ―こいつらが』斉藤サツキは風神タツオ達を一人一人指差し睨み付ける。『こいつらが、私に付き
まっかつ さん作 [1,001]