トップページ >> まっかつ改 さんの一覧
まっかつ改 さんの投稿された作品が432件見つかりました。
-
航宙機動部隊第三章・47
庭から木漏れが日差し込む自室で、リク=ウル=カルンダハラは唐机に広げたホログラム=キーボードを打ちながら、必要な仕事の最後の作業に取りかかっていた。やるべき事は沢山ある。まず辞令受理のむねを中央域方面にある祖国出先機関に宛てて返信し、併せて現在会議に出席中のテンペ=ホイフェ=クダグニンに彼女の新たなるポストについて伝える。リクはこれまで八時間以上、休む事無く働き続けていた。中々の勤勉振りだが、そ
まっかつ さん作 [435] -
処刑生徒会長8
疑問に思っていた梅城ケンヤは、小学六年の時に独自にこの件を調べ上げていた。やがて判明したのは、イジメグループの多くは名門や金持ちの子供達で、しかもそのリーダーの家は、教育省に顔がきく有力者だと言う事実だった。つまり、学校は彼等に尻尾を振ってナツの家族を口封じすることで『けり』を付けたわけだ。更に、イジメグループは卒業後いずれも名門校に進学し、そのリーダーに至ってはアメリカに留学し、それぞれ高校生
まっかつ さん作 [1,087] -
処刑生徒会長7
だが、話はこれで終りではなかった。やがて一部マスコミの取材と内部告発が、真相を少しずつ明らかにし始めた。更に別の事件で捕まったイジメグループの誰かが、ナツを計画的に自殺に追い込んだ経緯を詳しく自白したのだ。当然両親は、学校の責任を追求し、イジメグループに正義の裁きが下るよう運動を起こした。だが、壁は厚すぎた。学校側の対応は『死人に口なし』と言わんばかりに徹底的な揉み消しを謀った。偽の診断書やメー
まっかつ さん作 [1,085] -
航宙機動部隊第三章・46
強引な工作の裏には、当然それを指示した人間がいる。その面だった面々についてリク=ウル=カルンダハラは大方の見当は付けており、同時に感謝なんかしなかった。(連中からすれば試練でも与えた積もりなのだろう。否、試験かなこいつは?)仮に公職者コースに入ったからと言って、少年にはさして巨大な理想や野望がある分けでも無い。精々与えられた境遇や条件を利用して、機動部隊の士官になり、中央域に【上京】して、文明の
まっかつ さん作 [433] -
処刑生徒会長6
―お前の親や警察に一言でも言いつけてみろ家族の命は無いからな!イジメグループはここまで脅し付けて来た。昔ならいざ知らず実際金さえ払えば殺しでも何でもやる人間や集団は幾らでもいた。ネットで依頼すれば気に入らない人間を消せる時代だ。ナツにはそれがハッタリには思えず、結局誰にも言えず仕舞いだった。イジメはエスカレートし、挙げ句の果てには、誰かとセックスした画像を全国掲示板に流せ、さもなくば学校内で不良
まっかつ さん作 [1,423] -
航宙機動部隊第三章・45
そして第二期第四日[修正太陽暦一月九日]星系合衆国連合艦隊旗艦《D=カーネギー》―\r『国がでかいのは良い事だな』リク=ウル=カルンダハラは己が住居で、与えられた新たなる辞令を目にして、皮肉を口にした。これまでの太子党との関わりを中心とする一連の確執については承知したが何分僻遠の地での出来事であり少なくとも一方的に貴君が責を負うべきと言う結論は出し難いよってこれまで通り貴君等を信任すると共に今ま
まっかつ さん作 [421] -
処刑生徒会長5
梅城ケンヤは元々は典型的な腕白少年だった。実家は商社マンの父と、インストラクターの母に、ペットの犬からなる。これと言って問題はない。それ所か、そこそこは裕福で満ち足りた家庭に育った、と言って良い。だから両親はケンヤには塾に通って名門大学を目指す事を望んだ。学校みたいな危険な場所に毎日通い、悪い事を覚えて欲しくないという親心をケンヤは蹴った。なぜか?彼には三才年上の従姉妹がいた。名前はナツと言った
まっかつ さん作 [1,073] -
処刑生徒会長4
思えば―\r『今日は俺の誕生日だったか』梅城ケンヤは皮肉気な笑みを浮かべた。そう、今日7月13日をもって、彼は13才になった。学校史上、入学いらい最短で彼はこの座を手に入れた。先代会長の汚職事件が発生し、強制辞任させられたのがきっかけだった。臨時選挙に颯爽と立候補した梅城ケンヤは、『イジメその他の校内問題と断固闘い抜く』をスローガンに、一年生にも関わらず奇跡的にトップ当選を果たしたのだ。生徒達は
まっかつ さん作 [1,222] -
航宙機動部隊第三章・44
そして、やおら立ち上がって、『君達、責任は全て私が取る。だから頑張って貰いたい。特に今回は犠牲の多寡ではなく如何に勝つかにかかっている。どれだけ犠牲を出しても、勝てば全てが終わる。だからそれだけを念頭に演算を完成さしてくれ』左総長は修羅場を構成する目の前の群像達に、実に生々しい激を飛ばした。
まっかつ さん作 [494] -
航宙機動部隊第三章・43
しかし、それが本当に彼の実像なのだろうか?身内にも告げられ無かった寝返りは、家族全員の虐殺と言う最悪の副産物を結果として伴う物になった。消極的にとは言え、両親と妻と二人の子供すらをも、彼は犠牲にしていたのだ。だが、不思議な事に、やろうと思えば幾らでも出来る権限と立場があったにも関わらず、クレオン=パーセフォンは下手人達へ復讐はしなかった。それ所か公的にも私的にも今だこの件に関しては口をつぐんだま
まっかつ さん作 [476]