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まっかつ改 さんの投稿された作品が432件見つかりました。

 
  • 航宙機動部隊第三章・6

    リク=ウル=カルンダハラの判断は間違いではない。少なく共幼稚では無い筈だ。だが、胸には弁別困難な後ろめたさが去来し、複雑なしがらみで責め立てるのを止めない。純粋だが不合理な負の心情的磁場は、この時確かに少年を捕えて離さなかった。だが―\r『とにかく、もう決めたんだ…保身と思うならそう言えよ。今更美しい振る舞いだの名誉だのの為に生きるのも死ぬのも…俺は、御免だからな』リクは本音を言い切ってやった。
    まっかつ さん作 [519]
  • 航宙機動部隊第三章・5

    『そ…そんな…諦めるわけ?』テンペ=ホイフェ=クダグニンは三、四歩足を進め、この時ようやく向けられた同胞の煮えたぎる溶鉱炉と化した目付きに直撃されて、思わず一歩だけ後ずさった。『奇跡みたいなもんだろうが。こうして無事戻れただけでも』短いが気まずい沈黙が二人の間に巨大で分厚い黒灰色の城壁をそびえ立たせる。『じゃあ誰がこんな事したんだよ』『そ…それは』流石にテンペも俯いてしまい、何も言えなくなってし
    まっかつ さん作 [502]
  • 航宙機動部隊第三章・4

    そして同日二三時・最外縁征討軍旗艦《D=カーネギー》号―\r失意にまみれた帰還を果たした共和国宙邦・国家監察官テンペ=ホイフェ=クダグニンは、セキュリティチェツクもそこそこに自分達の住処へと戻って行った。やや長めのフライトとは言え、労力としては育ち盛りの肉体からすれば酷使とは程遠い筈なのだが、粘性の濃すぎる後味の悪い心理的疲労感が彼女の脚と気持を容赦なく蝕み続けていた。それでもようやく白亜の漆喰
    まっかつ さん作 [482]
  • 航宙機動部隊第三章・3

    旅客航宙機群の先頭を行く一番機にテンペ=ホイフェ=クダグニンは居た。窓側に座る彼女の眼下一面には、シテ市街が広がる。そして、今だ白煙の止まないオストレスタジアムの痛々しい姿もその中に認められた。次第に小さくなるその光景を眺めながら、自身の表情に厚く雲がかかるのに少女は気付かなかった。『心配は要らんよ』不意に隣の座席から、何かを見透かし切った様な声がかかって、テンペはその主に顔を向けた。彼女に沈欝
    まっかつ さん作 [456]
  • 航宙機動部隊第三章・2

    銀河元号二一八八年【パレオス建国暦四0七年】新年期第六日・六時―\rパレオス首都星ティヴィタヴェキアは、人類共通の故郷・太陽系第三惑星・地球の丁度二倍の大きさを持ち、その公転周期は標準暦で五五九.一一五七日・自転周期は六0.三八二時間と、見事なまでにずれまくっている。これで生態系が異常を来たさないか、心配されてもおかしくない筈なのだが、当然にも変異・適応を経てこの星の環境に合わせて進化した種も多
    まっかつ さん作 [446]
  • 航宙機動部隊第三章

    銀河元号二一八八年・パレオス建国暦四0七年新年期第五日―\rパレオス星邦・首都星ティヴィタヴェキアのオストレ・スタジアムは一瞬にして修羅場と化した。そして、標的とされたシンガーソング・ライター、ヌー=ウー伯爵公女マエリーが、爆発後の狙撃によって殺害された。それは、パレオス星邦史上最大最悪の事件であり、同時に、同国への侵略を試みる統合宇宙軍に対して結成された、中央域文明圏との紐帯に叩き込まれた致命
    まっかつ さん作 [572]
  • 航宙機動部隊第二章・50

    同日一四時・シルミウム星系外縁・統合宇宙軍旗艦《スタニドルフ》『…これは』皇帝エタンも動揺は隠し切れなかった。執務机に映じる2Dホロ画像には、たった四分の一日前に発生した惨劇が上空から俯瞰的に写されているのだ。楕円型のスタジアムは半壊し、その内側は白煙・黒煙・紅蓮の群れが、凶々しく踊り狂う。拡大すれば恐らく、地面に撒き散らされた血の池や肉片まで視認出来ただろう―\r座りながら胸元でエタンは拳を握
    まっかつ さん作 [439]
  • 航宙機動部隊第二章・49

    表示中の発信元を確かめるやいなや、リク=ウル=カルンダハラはその場を辞し、奥に飛び戻った。『はいっ、共和国宙邦・観戦武官ですが』遂に宣告が下される時が来た―不吉な予感が自身の胸の九割を占める重苦しさに苛まれながらも、早く知りたいと言う衝動を少年が抑える事は出来なかった。(もしもし―貴国の国家監察官殿についてですが―たった今災害用緊急ホットラインに連絡が入りました―)そして、玉砂利を踏みしめながら
    まっかつ さん作 [459]
  • 航宙機動部隊第二章・48

    そして、程無くしてインターホンが鳴り、鼓動が高まるのを感じつつ、少年が恐る恐る直通回線を開くと―\r(リク=ウル=カルンダハラ観戦武官首席殿はいらっしゃいますか?)防犯システムの2Dホロ画像は正門を占領したばかりの彼等の隊長らしき男のアップに切り換わった。万事休すか―リクは覚悟を決めた。『はい、ここに居ますが?』返事しつつも、恐らくは生涯最後の戦闘の用意をする少年に、しかし隊長が放った言葉は連行
    まっかつ さん作 [449]
  • 航宙機動部隊第二章・47

    たった十数秒の待ち時間ですら、重苦し過ぎた。しかも、その結末には残酷を通り越して、何物かの悪意すら覚かねなかった。(只今非常時による通信統制によりその番号にはお繋ぎ出来ません…)無機質な合成音にあっけなく門前払いを喰らわされ、リク=ウル=カルンダハラは歯ぎしりしながら、今度は別の経路へアクセスを命じた。つけっ放しにされたニュースでは、男性キャスターが、より詳細で深刻な情報を入った順から流し続けて
    まっかつ さん作 [545]
 
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