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玲唯さんの投稿された作品が88件見つかりました。
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ディフェンド
01. 辺りは真っ暗な闇が広がっている。 その闇の中で少年は、辺りを見回しながら歩いていた。 どれくらい歩いただろう。 歩いても歩いても、先に広がるのは闇ばかり。 誰もいない、闇。 「ケイゴ」 後ろから、自分の名前を呼ぶ声が聞こえてきた。 懐かしくて、心地よい声だった。 少年、ケイゴが振り向くと数メートル離れたところに光が集まっていて、そこには父と母の姿があった。 「父さん! 母さん!」 ケイゴは
梓さん作 [421] -
Kiss me!*14
翌朝。 ケイタから貰ったネックレスを持って鏡の前に立つ。 そしてそのネックレスを首もとにあててみた。 似合ってるかは分からないけど、あのケイタから貰ったものなんだなって思うと少し不快になる。 せっかく貰ったんだし、身につけないともったいないかな。 一応欲しかったやつだし。 でもケイタから貰ったってゆーのが気にくわない。 何か企んでるのかな。 まさか、ね。 でもやっぱりつけてみよう。 私はネックレ
玲唯さん作 [411] -
ディフェンド
序章 雨の中、小さな少年は歩き続けていた。 傘もささずに、ボロボロの服で。 もう何日もまともなものを食べていなく、少年の体力は限界だった。 ───「ケイゴ、お腹空いたでしょう? ご飯にしましょう」 お腹が空く時間帯になると、母はそう優しく声をかけてくれた。 でも、今は母はいない。 父もなく、帰る家もない。 「とう、さん……かあさん……」 朦朧とする意識の中で、少年はそう呟くとその場に倒れ込んだ。
梓さん作 [425] -
Kiss me!*13
「今日は楽しかったね!」 楽しかったのはナナミたちでしょ……もう。 なんか疲れが増したような気がする。 「じゃ、私たちこっちだから」 「あ、うん。じゃーね」 分かれ道でナナミとマサトが歩いてく。 2人の後ろ姿を見送ったあと、私は2人とは別な道を歩き出した。 「今日、楽しかったね」 そういえば、ケイタと帰り道一緒だった。 ナナミと同じこと言わないでよ。 心の中でそう毒つく。 「ユキは楽しくなかった
玲唯さん作 [431] -
Kiss me!*12
せっかく久々にナナミと遊べるのに、マサトはともかくケイタまで…… 全然楽しくない。 ナナミとマサトは仲良く手を繋ぎながら私の数歩前を歩いていて、会話が弾んでるみたいだった。 私とケイタも会話してるけど、ケイタが話して私が相づちか一言だけ返すって感じ。 「前の2人、仲いいね」 「そーだね」 「俺らって仲いい?」 「よくないでしょ。絶対」 「じゃこれを期に仲よくなろーよ」 「嫌だ」 こんなやつと仲
玲唯 さん作 [390] -
Kiss me!*11
次の日。私はナナミとの待ち合わせ場所に向かった。 時間ぴったりに到着して、ナナミを探す。 でもナナミの姿は見あたらない。まだ着てないんだ。 小さくため息をついたとき、後ろから私を呼ぶ声がした。 振り向くとそこにはナナミとマサトとケイタがいた。 何でマサトとケイタがいるの?! 「さっき2人とばったり合ってさー。だから4人で遊び行こーよ!」 「Wデートってやつだな!」 「で、デート?!」 何がデー
玲唯 さん作 [443] -
Kiss me!*10
「余計なこと言わないでよ」 「いいじゃん別に」 「よくないよ。全く……」 すると笛の音がグラウンドから聞こえてきた。 どうやらサッカー部が校内試合をするみたいで、笛の音はその開始の合図だったみたい。 開始早々にボールを相手チームから奪ったケイタは、ディフェンスをかわしてゴール近くで仲間にパス。 そしてその勢いでゴール前まで走っていって、仲間からのパスでケイタはゴールを決めた。 その姿を見たとき
玲唯 さん作 [724] -
Kiss me!*9
その日の放課後、私とナナミな教室のベランダにいた。 私はベランダの壁に頬杖をついて、グラウンドを眺めながらため息をついた。 「何か最近疲れる」 「えー、何で?」 「あいつのせいで」 「ああ。ケイタくんね」 壁にもたれていたナナミは、私と同じ体勢になってグラウンドを見た。 「いいじゃん、好かれてて」 「よくないよ。あいつむかつくし」 「そーかなあ……」 そうだよ。 いきなりキスするし、自分勝手だ
玲唯 さん作 [428] -
パラサイト*3
そんな中、恐怖を微塵も感じていないような表情をして立っている人物が2人。 1人は少し長めの黒髪にメッシュをいれている青年で、もう1人はニット帽をかぶっている少女だった。 2人は周りの人々には目もくれず、視線を交差点にいるパラサイトに集中している。 パラサイトは長い体で無人の車を潰し、建物をなぎ倒すなどして暴れる。 人々がその場からいなくなり、青年と少女の姿を目にとらえたパラサイトは2人の方に体
玲唯 さん作 [344] -
Kiss me!*8
翌日、家を出て十字路へ向かうとケイタが塀に背中をつけて立っていた。 私は自然にケイタの前を通り過ぎる。 するとケイタは小走りで私の横にくると並んで歩き出した。 「おはよ、ユキ」 「……おはよ」 「今日いつもと髪型違うね。俺のために気合い入れた?」 「違う!」 確かに今日はいつもと髪型違う。 いつもは髪を下ろしてるけど、今日はハーフアップにして毛先を巻いてみた。 けどこれは気分。本当に気分。 あ
玲唯 さん作 [475]