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三毛乱次郎 さんの投稿された作品が6件見つかりました。

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  • 午前さまと鬼嫁

    「お帰りなさい、遅かったのね。」仕事仲間と呑んだ帰り。家路に着くと出迎えたのは、テーブルにうつ伏したままの妻だった。「ああ、ちょっと呑んできたもんでな。」「今日は早く帰る、て言ったじゃない。」「そのつもりだったけど…。」ネクタイを外した俺はそのとき、泣いている妻の様子に気づいた。「ごめん。」謝ってみるが、彼女の泣き声は止まらない。「なんで早く帰ってきてくれなかったのよ。そんなんだから、私…。」顔
    三毛乱次郎 さん作 [929]
  • ユーガッタメール

    駅のベンチで待つ、僕の携帯に着信ボイスが流れた。『You've got Mail、You've got Mail』(どうせ、何かの宣伝メールだろう…。)大して期待もせずに、そのアイコンをクリックする。現れたのはやはり、登録しているサイトからの、宣伝メールだった。『おめでとうございます(^-^)』まずはタイトルが表示されて、本文がそれに続く。『あなたを殺してみたいという方が、500人中001人見つ
    三毛乱次郎 さん作 [1,234]
  • アクトレス

    …私の夢は女優なの。例えば由緒ある舞台の上で、歴史上の物語を演じる女優。または銀幕の向こう側で、悲劇のヒロインを演じきり、観客の涙を誘う女優。「それは素晴らしいですね。貴女なら、その両方も目指せるでしょう。」そのタキシードの男は、言いながら私の手を取った。…顔は見えない。白い仮面に隠されたそれは、まるで蝋人形のように表情すら解らない。「でもね。貴女にはもっと向いているものがあるのですよ。」男は言
    三毛乱次郎 さん作 [968]
  • 閉ざされた扉

    男は山道を歩いていた。茶色い鞄を手に、一丁の猟銃を肩に提げて。…といっても、猟をしにきたわけではない。決着につけに来たのだ。この先の山小屋に潜む殺人鬼。俗にいう『首裂きウィニー』を捕らえるために。もう何人もの村人が、彼の餌食になっていた。村の村長も、そして男の愛する婚約者も…。「まっていろよ、殺人鬼め。」焦る気持ちを遮るように、足元に絡まる蔦が邪魔をする。忌々しげにそれを振り払いながら、男はたど
    三毛乱次郎 さん作 [890]
  • マネキン人形

    マネキン人形は、いつも思っていた。デパートの服飾売り場に立ちながら、…なぜ私は、動けないんだろう。姿かたちは皆なと一緒なのに、なぜ喋れないんだろうと…。「人間になりたい。」しかしその叫び声は、誰にも届かず、やがてデパートは不況のあおりを受けて倒産する。…ゴミ捨て場に打ち棄てられた、マネキン人形。その近くへ、一人のホームレスの男がやってきた。「人間になりたい。」「え?。」彼は驚いて見回したが、周り
    三毛乱次郎 さん作 [1,076]
  • 星の降る窓辺から

    街のネオンがきらめく、夜半過ぎの交差点。『あいつ』が走り去るのを、私はマンションの窓辺から見ていた。きっともう、帰ってはこない。なぜなら…。ふと後ろを振り返って、ダブルベッドの上を見つめる。そこには、全身が血まみれた女が横たわっていた。まるでペンキをぶちまけたかのように、壁にまで飛び散っている赤い飛沫。余程苦しかったのか、そこには指の跡が手形となって残っていた。私は外に視線を戻すと、爪をガラスに
    三毛乱次郎 さん作 [952]
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