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暁 沙那さんの投稿された作品が64件見つかりました。
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悪魔の天使 (42)
今日もリアは愛想笑いを浮かべ男のやりたいようにさせた。そんなリアの脳裏に浮かぶのは誰か分からない男の人。ひどく懐かしくて愛おしい。それと同時に果てしない不安が胸を襲う。怖くて布団に潜った。ある日、ふと窓の外を見た。カップルだろうか。しばらくイチャイチャした後口づけを交わした。彼女はとても幸せそうで……。記憶が呼び起こされる。『リア。』優しく名前を呼ばれ、優しく髪を撫でられ、暴力で自分を制そうとなん
暁 沙那さん作 [343] -
悪魔の天使 (41)
男はリアに近付くと太った指で血を拭い取った。露骨に嫌そうな顔を優しく撫で、また叩く。それを繰り返され、息が上がってきたリアを男は押し倒した。「――っ!やぁ!!」リアは鎖もなんもかんも無視して暴れた。「大人しくし…」「いやああああっ!!!!」自由な方の手足で必死に暴れるも、すぐに駆けつけてきた男達に掴まえられ抵抗出来なくされる。手の鎖は短くされ、足もほとんど自由がない。「いやぁ……。もう止めて……。
暁 沙那さん作 [351] -
悪魔の天使 (40)
変な夢を見た。どこかで見たことがあるような、というか体験した気がする夢。夢だと信じたかった。『リア、ごめん……。』どうして謝るの?『――すね?』夢の中のリアは涙をこらえて頷いた。今にも泣き出しそうな、それでもちゃんとした笑顔を浮かべて。『ごめん…ごめんね……リア……。』何かを言った気がする。もう覚えてない。「――…クス?」うっすらと目を開けた。無意識に手を伸ばそうとすると途中で何かに止められた。何
暁 沙那さん作 [332] -
悪魔の天使 (39)
廊下を走る音がする。「レクス!」さっきまでそこにいたのにもういない。そのことに内心焦る。「レクス……。どこにいるの?」(今すぐ会って伝えたいのに。)どれくらい探しただろうか。またあの場所に来ている。(ゼイルに来ちゃ駄目だって言われたばっかなのに……。)真っ暗で薄ら寒い空間と一人という心細さについ涙ぐむ。「ここじゃないかもしんないし、もう帰ろっかな……。」弱音が悲しく木霊した。それさえも怖くて足が止
暁 沙那さん作 [342] -
音楽団 解説
これを書いたのは私の学校であった文化祭で、Kさんに私のクラブのことで酷いことを言われたからです。姉や妹はクラブの先輩、後輩です。もう一つの音楽団とはこことは違う、もう一つの楽器系のクラブのことです。それは私の所属のクラブと違い、賞もたくさんとった優秀な部で皆認めてるし、目標にもしているクラブです。でも私達は私達で頑張ってやっていたのに、あんなことを言うなんて……!
暁 沙那さん作 [341] -
音楽団
私達はこの町の音楽団の一つ私にとっての辛い場所で楽しい場所あなたにとってはどうでもいい場所かもしれないでも私にとっては大切な場所なのあなたは私達を否定した否定したことを否定した誤解を解こうとしたのだろうけれど無駄無駄はあなたを更に嫌いにさせた二つ上の姉は何も言わなかった一つ、二つ下の妹も何も言わなかった一つ上の姉は泣いていたあなたは全てを壊した今はどこかに行ってしまった姉のことさえ姉達が作り上げて
暁 沙那さん作 [310] -
悪魔の天使 (38)
特別何もしてない部屋。白に似た薄いピンクの壁に、木の大きな本棚。本の内容は本棚の上から掛けてあるカーテンのせいで見えない。そんなリアの部屋は甘い香りに包まれている。いかにも女の子らしい部屋だった。「ごめんなさい。何もなくて。」遠慮なくベッドに座り込むレイに、レクスは内心呆れる。「そんな気遣い別にいいわよ。お話しましょ。」遠慮くらいしろよ。ここはお前の部屋かよ。何て思いながらレクスは部屋を出て戸を閉
暁 沙那さん作 [331] -
悪魔の天使 (37)
薄暗い空間。生暖かい風。その風に混ざっている匂い。リアの知る、恐怖。過去の記憶が甦る。「…さま……お嬢様!」ゼイルの声に闇から引き戻された。「…ゼ……ル?」「大丈夫ですか?」「…うん……。…もう平気よ。」平気とか言いながら声が震えている。手も冷たい。「またあの夢ですか?ですから、ここに来るのはお止めくださいと何度も申し上げておりましたのに。」困ったような声色と共に優しい手がリアの頬を包み込んだ。「
暁 沙那さん作 [319] -
悪魔の天使 (36)
「おはよ。」「おはよ、リア。」何気ない挨拶で始まったある朝のことだった。事件が起きたのは。「レクス様!」凛とした声が響く。その声の主は、真っ直ぐにレクスに走って行って……。一瞬リアを見た。冷たい目で。「エリー様、おはようございます。」レクスはいつかの嘘の笑顔でエリーに挨拶をした。優しく、この世の闇の世界など知らないかのような。直感した。(ああ、この人は違うんだ、私とは。)会話は耳に入らない。楽しげ
暁 沙那さん作 [314] -
悪魔の天使 (35)
リアの感じる妙な胸騒ぎの原因。それはレクスにエリーを任せていいのか、ということかもしれない。リアはそう思うことにした。義妹と言っても家族だ。心配しないはずがない。でも、それじゃない。「どうしたの?」いつもと変わらない笑顔でそう聞かれた。「ううん。エリーと結婚するんだったら、ここじゃなくてエリーの所に行った方がいいんじゃないの?」自分でも驚くほど弱い声が出た。リアはいたたまれなくて目を伏せ、部屋を出
暁 沙那さん作 [342]