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暁 沙那さんの投稿された作品が64件見つかりました。

 
  • 悪魔の天使 (34)

    レクスは刺々しい雰囲気を纏っていた。あの娘が見事に、その辺の男を落とす手を自分にも使ってきたことが許せなかったから。(あの娘にとっては俺も同じか。)そんなことを思っているうちにある部屋の前に着いた。三回ドアを叩いたあと、一拍おいてもう一回叩いた。合図だ。ドアはすぐに開いた。レクスはニコッと微笑むと部屋に入り口を開いた。「準備は整いました。では約束通り頂きましょうか。」リアは寝転んだままぼーっとして
    暁 沙那さん作 [314]
  • 悪魔の天使 (33)

    「何で家に来たの?」前とほとんど同じ体勢でレクスに聞く。「ああ、仕事の話しに来たんだけど。」「仕事?」リアが振り返ろうとするとそれをレクスが止めた。「ようやく準備が整ったから、その報告にね。」「ふーん。」レクスには秘密や嘘が多い。仕事の他に来ている理由がある。それをあえて隠し通す。(私には言えないこと。経済的なことか…、もしくは……)――婚姻系か。自然と笑みが出た。男を誘うような、艶のある笑み。「
    暁 沙那さん作 [304]
  • 悪魔の天使 (32)

    レクスが目を覚ましたのは、あれから二時間くらい後だった。リアはレクスが起きるまでの間、いつかと同じように移転させた魔法書を読んでいた。夢中になって読んでいたからか、あまり時間は感じない。逆に時間が早く感じた。「おはよう、って言うべきなのかしらね。」「今、何時?」レクスはまだ眠いのか、どこかボーッとしながら聞いた。そんなレクスに苦笑を浮かべながら答える。「えっとね、午後の一時くらいかしら。」「午後一
    暁 沙那さん作 [320]
  • 悪魔の天使 (31)

    久しぶりに夢を見た。『確か、もう一年たったのよね。』金が舞う。『私たちが出会ったのは奇蹟なの。』少女らしい愛らしい笑みだ。『愛してる。』ほんのり頬を色付かせながらも、堂々と言う。『愛してるわ。』そんな彼女から不意に笑みが消えた。『あなただけはどこにも行かないでね?』――私を捨てないで。いつの間に眠ってしまったのだろう。リアはゆっくりと起き上がる。金の髪が肩から滑り落ちて、青い瞳を隠した。リアはそれ
    暁 沙那さん作 [340]
  • 悪魔の天使 (30)

    (また、あの感じ。優しい、温かい光……。)温もりを感じ、薄く目を開けた。「起きた?」髪を撫でていた手が、頬に触れた。少しくすぐったくて顔を背け、手のある方の目を閉じた。それをどう受け取ったのか「嫌?」心配そうな声で訊ねた。リアは慌てて答えた。「違うの。ちょっと…くすぐった…くて……。」言葉を失った。本当に優しい、安堵の色のある笑顔。「よかった。痛いとことかない?苦しいとか。あ、何か飲む?」そう言っ
    暁 沙那さん作 [327]
  • 悪魔の天使 (29)

    「人のものに何してんの?」声はどこか呆れたような色を含んでいた。「誰だ?」リアの手を掴んでいる男が低い声で訊ねた。捕まれている手がすごく痛い。生理的な涙が零れた。「俺はレクス…まあいいや。うん。その子の…リアの主人だよ?」それを聞いた男の手により力が入った。「――っ!!」痛みで感覚が消えそうだ。リアは唇を噛み、痛みを通り越そうとする。涙が絶え間なく流れた。それを見たレクスの目に険が宿った。「リア、
    暁 沙那さん作 [312]
  • 悪魔の天使 (28)

    リアはどうでもいい日々を送っていた。そんなある日。「お前に仕事に行ってもらいたい。」叔母からの突然の仕事。リアはそれを断らなかった。いや、断れなかった。リアは哀しい笑顔を浮かべて、たった一言はい、と返事をした。仕事。それはリアの嫌いなこと。仕事。それは人間の所有物に成り下がること。仕事。辛いこと。仕事。(…嫌だ……!)「旦那様、どうかなさいましたか?」愛想笑いを浮かべるのは得意だった。後で叔母や義
    暁 沙那さん作 [327]
  • 悪魔の天使 (27)

    リアは部屋に戻ると図書室から移転させた本を出した。別に盗んだ訳じゃない。もともと家のものだし、ちゃんと貸し出し表にも書いておいた。匿名希望って。「……。」リアはベッドに横になって本を開いた。それを黙々と読む。リアは小さい頃から学校に行っていない。理由は叔母が許さなかったから。それと、もう一つ。それは学校側が断ったからだ。それでもリアは魔法書を読み、独自で魔力を磨いた。魔方陣に使う様々な多種類の文字
    暁 沙那さん作 [311]
  • 悪魔の天使 (26)

    昔からそうだった。誰にも甘えれなくて、寂しかった。『あと一年待ってて。絶対迎えに行くから。』彼は優しい声音で、小さな子供にそうするように撫でた。『覚悟決めといてね?』不敵な笑みで『君は俺のもの。だから他の男のとこに行っちゃダメだよ?』あれからしばらくたった。「あの人どうしてるのかしら。」窓から外を見つめ呟く。「レクス様のことが心配ですか?」途端弾かれたように後ろを振り返る。「し…心配!?はっ!そう
    暁 沙那さん作 [319]
  • 悪魔の天使 (25)

    「え……?…契約?」契約。それは妖魔とそれを使う者、主との力の繋がり。主は欲しいものを力によって手に入れる。妖魔は主の血と力を手に入れる。主は妖魔を契約によって縛る。妖魔は契約によって主に縛られる。契約の強さによっては逃れられるが、場合によっては……。「逃げられない。」トクン、と嫌な風に胸が脈打った。「大丈夫。一番強い契約は出来ないから。」「次に強いのなら、契約する妖魔の同意なしでも…」「できるね
    暁 沙那さん作 [337]
 
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