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暁 沙那さんの投稿された作品が64件見つかりました。
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悪魔の天使 (24)
金の髪が柔らかく舞っている。あどけない笑顔はたった一人のもの。彼女が差し出した手を彼は優しく取って……。彼女はすごく嬉しそうに柔らかく微笑んだ。体が重いなかゆっくりと瞼を開ける。何があったのかすぐには思い出せなかった。(体、重い……。)ゆっくりと体を傾けると、そこにあったもののおかげで覚醒した。「きゃあああ!!」リアの大絶叫に、それ、レクスは目を覚ました。「あ、起きたんだ。」体、大丈夫?と、髪を撫
暁 沙那さん作 [315] -
悪魔の天使 (23)
「何で泣くの?」「…泣いて…んかっ……ない…痛っ…!」途切れ途切れ言った言葉はリア本人でも分かってなかった。ただ押さえつけられている手首が痛くて、自由な足だけでもがく。「離し…!」言い終わらないうちに体勢を変えられた。手は掴まれたままだったが。リアは手が痛くないことに少なからず安堵した。だがそれも束の間の安堵だった。後ろに回された手の方からちゃり、と聞こえる。何かと思い後ろを振り向こうとすると、「
暁 沙那さん作 [322] -
悪魔の天使 (22)
「リア?」「え……?」「どうかした?」レクスの呼びかけに我に帰る。「何でもないよ?」リアはそう答えてから俯いた。知らず知らずのうちに顔をしかめて、物思いに耽っていたリアは、気付かなかった。レクスがこちらを覗き込んでいることに。「な…何?」「もしかして、なんだけど…」――見たの?声ではなかったけど、口の動きで分かった。そして愉悦の混じったこえで聞いてきた。「見たの?」「見たって…何を?」「誰かを」「
暁 沙那さん作 [305] -
悪魔の天使 (21)
白い腕はリアを掴むことなく地面に落ちた。リアと似た金の髪が肩から滑り落ちる。「―――?」雫が地面に落ちた。「どうして?」力なく座り込んだルカは何かを握り締めて泣いていた。「すぐに帰るって、そう言ってたのに……!何で!?独りにしないでよ……。」(そうなんだ……。寂しいんだね?あなたも独りなんだ。)「…ディル……。」ざわっと妙な胸騒ぎがした。「…いから……。」調子が明らかにさっきと違う。そう感じたとき
暁 沙那さん作 [301] -
悪魔の天使 (20)
レクスがリアを離したのは、それからしばらくしてからだった。突然何かと思い目を向けると、レクスはしれっとしていた。こっちばかり振り回されて、困惑しているのが悔しくなってくる。「何?」レクスが少し眉を寄せて訪ねた。「そんなに見つめて。そんなに俺のこと好き?」「違う。誤解。」「つれないなー。」放されてすぐにレクスから一定の距離をとったリアは、更に距離をとろうとした。「!?」その距離が嫌な感じを運んだ。「
暁 沙那さん作 [310] -
悪魔の天使 (19)
「叔母様から何も聞かされてないんだ。」レクスは独り言のような小さな声で言った。リアの執事であるゼイルには聞こえてなかったようだが、リアにはしっかりと聞こえた。(そりゃあ聞こえるわよね…こんだけ近いんだから…!)レクスの顔はリアのすぐ上にあった。手は腰にしっかりと回されており身動きができない。後ろから抱き締められているような体勢だ。少しでも離れようともがくと反対に力を強められる。この体勢に、いつもは
暁 沙那さん作 [312] -
悪魔の天使 (18)
あれから三日が経った。「何であなたがここにいるの?」「しょうがないじゃん。叔母様の命令だよ?」「う……。」そう言われてはリアはなにも言えない。ただ不機嫌そうな顔をするだけだった。「あの子じゃ、エリーじゃ駄目なの?」リアのその一言にレクスは眉を寄せる。「エリーにも同じこと言われた。自分じゃ駄目なのかって。」「返事は?」「断った。…君ってこんな性格だっけ?」「あら、知らなかったの?呆れて私なんかどうで
暁 沙那さん作 [321] -
悪魔の天使 (17)
レクスはまだ大広間の中にいた。しかし誰とも話さず、考え事に更けっていた。あの時……。「レクス様、なぜあの方なのですか?あの方のどこが良いのですか?」彼女は傷むような目をしたあと、手をそっとレクスの胸に当てた。そして静かに身体を預ける。この状態を人に見られたら、変な誤解を受けかねない。だからと言って強引に押し返す訳にもいかない。レクスは悩んだ後、そっと彼女を離した。それが彼女の癇に障ったのか、彼女は
暁 沙那さん作 [401] -
悪魔の天使 (16)
「母さん…どこに行っちゃうの?一人にしないで!行かないで!」小さな手は虚しく空を切る。頬を涙が伝う。「あの子のそばにいた人って皆不幸になってるんだって。」「あれには近付かない方が身のためだね。」ずっと避けられて育ってきた。叔母からは認められず、義姉妹からは疎まれていた。そんななかで悪魔と契約し自分の身を守った。『一人にしないで。』乞うように契約した。寂しかったから。家族が欲しかった。休まる場所が、
暁 沙那さん作 [338] -
悪魔の天使 (15)
しゃがみこんでじっとしていたリアを、そっと温かいものが包み込んだ。「…ゼイル?」肩に黒い執事服がかかっている。「お嬢様、大丈夫ですか?」「う…ん……。」「部屋に戻りましょう。お体に障ります。」「うん、分かった。」ふわふわのベッドに倒れ込むように仰向けになる。リアは一瞬の淡い夢に引き込まれた自分が嫌だった。「バッカみたい……!」腕で目を覆う。「お嬢様、そういえばレクス様からこれを。」「捨てといて。」
暁 沙那さん作 [348]