トップページ >> ケントわん さんの一覧
ケントわん さんの投稿された作品が55件見つかりました。
-
○屋 ??
真司は不安に取り付かれた。 「もう一度見とくか!」 バックから写真を出し確認していた。とその時! 「あの鞄だァ!」その男が出入口からこちらに向かって来ているのだ。 真司は冷静に指示された言葉を思い出そうとしていた。 「エチケット袋に封筒と写真を入れる!それから、この封筒を渡す!」 真司の心臓は爆発寸前にあった。 やがてその男が真司の隣に並んだ。 「鞄も顔も間違いない!」 真司は封筒を渡すためにバ
セイハク さん作 [569] -
○屋 ?
言葉のリズムに圧倒されながらも聞き覚えのあるトーンのように思えたが言葉を覚えることが最優先と真司は思っていた。その清掃の女性はそそくさとその場を離れていった。 現在8時6分写真を眺めた真司は特徴を探した。「なんて鞄だ!」真司の目が止まった。 「何処に行ったら売ってるんだ!?」それは黄色っぽい鰐皮みたいなざらざら感のあるB四もスッポリ入る位の大きな鞄だった。 黒かシルバーが一般的と思っていた真
セイハク さん作 [539] -
○屋 ?
「こんなとこで人を探す?」信じられないことだと思いながら?番出口を見つけ階段昇った真司は、懐かしい臭いとザワザワとした音、歩く早さの違いが忘れてた都会のイメージを取り戻した。 「このベンチか!」5分早く着いた真司はタバコに火を付け「どんな人が来るんだろう?」と考えながら携帯灰皿を取り出した。 「いい天気ですね」と清掃の女性が、そこに備え付けの灰皿を掃除しだした。 「そうですね!」とだけ真司は答
セイハク さん作 [571] -
○屋 ?
カップを置き深く煙りを吸い込み「全部調べてあるんだ!性格や借金も!」 確かに真司は運送会社に勤め不規則な勤務にも真面目な態度で遅刻は一度も無い。苦情がある訳でもなく、時代が成長期なら管理職か独立の実力はあっただろ。 ただ真司はこれという趣味や友達が少ない。勿論彼女もいないのだ。休みの日は朝からパチンコに行くことくらいで朝座った台に当たるまで打つという一途なパチンカーだった。それが借金の原因でも
セイハク さん作 [582] -
○屋 ?
「いっつも勝手に切るんだから!」と不服ながら報酬のためだと電源を切った。 △会社はそこそこ名の通った企業で田村真司は学生時代に札幌で生活していたから直ぐにピン!ときた。 駅から地下鉄駅に向かうと人が少し増えて来たようだが、まだ混雑はしていない。 何年かぶりにアルバイト時代よく寄った「立ち食いそば」を探したが駅ビルが改装されたせいなのかなかなか見つからない。 シャッターが開いた軽食喫茶らしき
セイハク さん作 [579] -
死刑と自殺と
死刑に対し賛否が問われている。しかも、裁判員制度の開始に伴うもののようだ。 つまりは冤罪の問題とその当人が自分。ということだろう!加害者の家族や知人の可能性は否定できない!そうでなくとも間違いを起こしたくない! もしその時自分だったら大問題なのだ! 自分で死を選択しながらも、他人を死にいたらすことで「死刑」という第三者から行為を期待する輩いるのではないかともっともらしい報道! 通り魔、無差別
まさひろ さん作 [570] -
○屋 ?
『もしもし?』と不安げに携帯電話に出た真司は次の言葉を発する間もなく、東山可奈の声で『名前は言わないで!』と、いきなり言われた。 真司の思考はすっかり停止状態になっていた。『今から話す事を頭に入れください!』と命令調子で淡々と話す東山可奈の口調に真司はただ『はい』と答えるしかなかった。『大通り地下鉄駅の?出口を出てすぐ右手が△会社です。そこに向かって左手にベンチが有ります。そこで携帯の灰皿を使っ
セイハク さん作 [583] -
○屋 ?
真司は喫煙場所を探した。ホームの奥にそれが確認できた。早朝のせいか、慌ただしい光景には見えない。 喫煙場所に向かった、まだ覚めきれない目の中に自販機が跳び込んできた。『目覚めのコーヒー!』と一人ごとを呟きながら購入した。 喫煙場所に着くと早朝のせいなのか一人も中にはいない。独占気分でタバコに火を着けコーヒーを一口飲んだ、とその時「ジリリーン・ジリリーン・ジリリーン・・・」 『何の音だ!』わずか一
セイハク さん作 [591] -
○屋 ?
『たしか、夜行の切符が無くて「おおぞら」にしたはずだよな?』 そう思いながら小用をたした。手を洗いながら『あいつだ!やっぱり見張ってる!』そう思い込む真司だった。 確かに偶然にしては偶然過ぎる気もするが、全く偶然である。その男とはこの後、会うことはないのでお伝えしておきます。だが不安が真司の妄想を掻き立て止まない。 その男の姿を探しながら自分の席へもどった。 『見張ってる!当たりまえだよな!逃
セイハク さん作 [628] -
○屋 ?
バックを上段のベッドへ放り込むと真司はハシゴを上り、酒とツマミの入った袋を隅に置き布団を寝られるようにした。『狭いなぁ』と不満を感じながら、足を延ばし列車の壁にもたれた。 ワンカップを開け「本当に何をするんだ?」一人旅の心細さと金額に対する不安、さらにそこにある限られた空間が今までより不安を掻き立てた。 夜汽車は発車した。カターンカタカターンと音が加速していく、同時にその振動が真司の不安をさら
セイハク さん作 [608]