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ニコルさんの投稿された作品が35件見つかりました。
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世界が終わるような夜のささやき
僕はなんなんだろう?人間不信を装って、孤独主義をつらぬいていた日々。自分を否定されたくなかっただけなのに、気がつけば本当に独りぼっち。どうせ偽善なんだろ?また裏切るんだろ?通り過ぎる人達みんなが敵に見える。本当は誰かによりそって欲しいのに。くだらないプライドだけが残って、それに縋り付くことしかできない。みんなどうせいつかは死んでしまう。そんなことは、わかってる。だけど、僕が死ぬときに誰ひとり僕を
ニコル さん作 [491] -
人生の味[終]
しばらく歩いた後、ふと僕は空を見上げた。この曇り空の上には、見えないけれども、確かに青空が広がっている。一見は進んでいないように見える僕達の人生も、見方しだいで楽しい明日がやってくるのだろうか。そう考えると、それまではくだらなかった明日が、急に待ち遠しくなった。注ぎ込む太陽の光に僕は目を覚ました。1999年8月1日。やっぱり地球は滅亡なんてしなかった。あの話題も世間から消えつつあるようだ。相変わ
ニコル さん作 [452] -
人生の味[3]
学校が終わった帰り道、僕は歩道沿いに一輪だけ白い花をつけた樹木をみつけた。しばらく見ていると、ふいに後ろの方から声が聞こえてきた。「それはなぁ、ニセアカシアって言うんだ。」ふりかえると白い髭を生やした、八十歳前後のおじいちゃんが立っていた。「ニセアカシアの木は、六月初期に花をつけるから、今ごろはもう散り終わってしまっているはずなんだがな。」「どうやら、開花を逃した一輪が、今頃遅れて咲きだしたみた
ニコル さん作 [408] -
人生の味[2]
四限終了のベルが鳴り始めた。だいたいこれくらいの時間にいつも僕は準備を始める。準備と言っても、教科書だとかじゃない。これからやってくる長い昼休憩に対してだ。学校の昼休憩の時間にはちょっとした駆け引きがある。女の子達は仲の良いもの同士で集まってご飯を食べ始め、その集団からはみ出た子達は自分と同じ境遇の女の子を探して、ひとつランクの低い集団をつくる。はみ出し物の男子達は、落ち着きなくきょろきょろした
ニコル さん作 [415] -
人生の味[1]
鳴り止まないアラーム音に、僕はようやく重い頭をもちあげた。窓の外では、曇りがかった空の上に、顔を出したばかりの朝日がちらついている。1999年6月30日。世間では例の大予言者の話題で持ち切りの時期。どうやら大人達には、よっぽど刺激が足りないらしい。そんな事を考えながら、僕はいつもと同じように通学準備を始めた。ただただ続く日常の中で、今日も僕の長い一日が始まった。
ニコル さん作 [445]