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アオ さんの投稿された作品が20件見つかりました。
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咎 9
16階へ向かう昇降機の中、彼は15階の人審士と会話していた。と言っても人審士が一方的に話すだけだったが。腕組みをした状態で人審士が話し出す。「我々、現人型がなぜ作られたか知っているか。」「いや。」彼は人審士の話に興味が無いのか素っ気ない返事を返した。しかし人審士はそれに構うことなく話を続ける。「大昔、人間は二つの勢力に分かれて戦争をしていてな。それが長い戦争でな。状況が煮詰まって遂に一方が禁忌を
アオ さん作 [516] -
咎 8 下
少しの沈黙の後人審士が話し出した。「早く戦闘を終わらせたいと思っているな。」「…ああ」大笑いしながら人審士が返す。「無意味だ。お前では俺には勝てないよ。この塔ができて一千万年、俺が敗北した回数はたったの二回だ。お前も何度かここに来たがただの一度もお前は俺に勝っていない。」「負けたら死ぬのだろう。それならなぜ私は過去に負けたのにもかかわらず生きている。いやそれ以前に負けたという情報は私のメモリーに
アオ さん作 [494] -
咎 8 上
15階へ向かう昇降機の中で、彼は13、14階での出来事を反芻していた。13階、彼は人審士に勝利したがかなりの深手を負った。右腕と左足が吹き飛び立つことすらままならない。それでも彼は這いずりながら進んでいった。14階へ向かう昇降機まで辿り着き、遂に昇降機の中で瀕死の状態となっていた。体内の冷却機が異常をきたし身体がどんどん加熱していく。それに伴い意識も朦朧としていった。14階に着いたが体が言うこと
アオ さん作 [468] -
咎 7
13階。部屋に入ると六人目の人審士が彼を出迎えた。「ようこそ、僕のステージへ。」「……。」彼にはその言葉に対してどう答えていいのかまだ分からなかったため沈黙という選択肢しか残されていなかった。人審士は無言で自分を凝視する彼を見てやれやれといった感じで首を横に振って言った。「暗い、暗いよ。もっと盛り上げていこうよ。もっとギャラリーを沸かせようよ。」人審士の言った言葉に彼は疑問を抱いた。「ギャラリー
アオ さん作 [495] -
咎 6
現在彼がいるのは12階へと向かう昇降機の中。すでに60年以上経過したが彼の外見に変化は一切見られない。ここまで来るまでに5体の人審士に会ったが全てが個性的な者ばかりだった。自我はあるが何も喋らない者、狂った者、ひたすら戦いを求める者、闘わず死を選んだ者。全てに何かあった。そういう者たちとの出会いで彼は少しずつ変化していった。最初に自分を認識したときには無かった物。本当に小さな物ではあるが確かに今
アオ さん作 [518] -
咎 5
完勝とまで言えるか解らないが彼は未だにかすり傷一つ負っていない。今部屋に存在するのは勝者と敗者。戦闘中には感じなかったが1人になると急に部屋が広く感じた。確かにあった何かが今横たわっている人審士にはもうない。彼は全く知らない感覚に陥り、その感覚に疑問がわいた。動かなくなった後にこの人審士は一体どこに行ったのだろうか。彼はまだ死んだことがないため、死というものが曖昧だった。しかし、死を体験したいと
アオ さん作 [496] -
咎 4
彼は当然疑問に思いこう言った。「お前は戦わないのか。」個体が優しい口調で話し出す。「あとで戦いますよ。先に戦闘を行ってしまうと片方は確実に死んでしまい会話が成立しなくなってしまうではないですか。簡単な話です。」彼は変に納得し、自分が抱く疑問を聞くことに決めた。「ここはどこだ。なぜ戦わねばならぬ。」「やはり、あなたもそれを聞きますか。」個体が呟いた一言に彼の疑問はさらに増えた。「まて、『あなたも』
アオ さん作 [533] -
咎 3
爆音が支配していた空間がものの数十分で静寂に取って代わられていた。死の静寂。その中でただ1人立っている者がいた。彼だ。彼に外傷は殆ど無く、襲ってきた個体の体液で汚れていただけだった。入ってきた時には混戦状態で周りを確認することができなかったが、今はここがとても広く白い部屋であることが分かった。と言っても銃痕や爆発による汚れで五割ほど白は失われていたが。何が起こったのか分からない。思考が追いつかな
アオ さん作 [545] -
咎 2
自分と同じ形をした数十人の個体が武器を持って戦っている。今置かれている状況を聞きたかったが、そういうことはできない状況下であることは何も知らない彼でも理解できた。何をするでもなく立っていると、今まで戦っていた個体の一人がこちらの存在に気付き向かってきた。身の丈ほどもある長刀を引きずりながら。持っている長刀で攻撃されるとどうなるかは戦闘を見ていたので分かる。個体が走り出し一気に距離を詰めてきた。振
アオ さん作 [509] -
咎 1
薄暗くて凄まじく広い部屋。地下室だろうか、窓はなく湿った空気が充満している。そんな中彼は自らの存在を認識した。だが、彼は自分が何であるかを理解出来なかった。当然のことながら今、この場にいることも説明出来ない。今自分のおかれているこの状況を嘆くことはなかった。絶望を感じることも。全てが未知の状態だったからだ。じっとしていてもはじまらず、彼はこの広いを把握しようと歩き出した。数分歩いて一つの扉を見つ
アオ さん作 [599]
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