携帯小説!(スマートフォン版)

トップページ >> 五十嵐 時さんの一覧

五十嵐 時さんの投稿された作品が155件見つかりました。

 
  • ロストクロニクル 10―10

    ウェドが素早く二人の間に割って入った。「随分な態度じゃねぇか。ガキが丁寧に挨拶してんだろーが!」ウェドは兵士の腹を殴り一撃で気絶させた。「たくっ!オーケスの兵士はろくに挨拶もできねぇのか?」ウェドは右手を軽く振りながらタクトに訊いた。「ウェド、ふざけないで。今の目は、確実に殺す気だった。それも『木彫りの不死鳥』って聞いた瞬間に明らかに態度が変わったわ」パールが考えていた時だった。「パールー!」遠
    五十嵐時 さん作 [350]
  • ロストクロニクル 10―9

    「もう、しつこいなぁ!」美しい桜色をしていたその花びらたちは、次第にその色を無くしていき、やがて鼠色をした醜い色へと変化していく。「・・・桜は散り際が美しいのよ・・・」その言葉の意味が理解できたのはシャープのみだった。「ドロー!私にくっついて!」「はぁ?何言ってんだよ?」シャープは焦った。「早くして!死にたいの?」それだけ言うとシャープは片膝を立てて座り、杖を地面につき、体重を乗せ、集中し始めた
    五十嵐時 さん作 [370]
  • ロストクロニクル 10―8

    「桜の花びら・・・」三人が同時に戦闘態勢に入った。「シャープ、チェロを安全な所へ」「分かりました」パットの言葉に素早く反応し、シャープとチェロは遠くへ避難した。「早く出て来いよ」ドローの言葉に応えるかのように、全ての桜の花びらが二人の前の一点に固まり、一気に散れば中から桜色の着物を身に付けた舞姫が現れた。「もうじきこの戦いにも決着がつく」舞姫の口調は以前とは全く変わって、非常に冷たい印象を与えた
    五十嵐時 さん作 [396]
  • ロストクロニクル 10―7

    シャープ、パット、ドロー、チェロの四人は、パラス城へと向かっていた。「今の内に、皆さんに王族のみしか知らされていない、この国の秘密をお伝えしておきたいと思います」チェロが神妙な面持ちで話し出した。「手短にな」ドローが目線を移さずに言った。「はい、実は・・・不死鳥なんて切り札はないかも知れないのです」「はぁ?」三人が思わず立ち止まった。「おい!今更何言ってんだよ!」「だってそうじゃないですか!」チ
    五十嵐時 さん作 [370]
  • ロストクロニクル 10―6

    「目が、目がー!」死神に炸裂させたのは閃光だった。「フラット!」パールに合図されて、フラットは素早く火の玉を死神にぶつけた。火の玉は死神を包み込み激しく燃え上がる。「コワスコワスコワスコワス!!!」死神の狂った叫びに反応するように、世界が音をたてて崩れ始めた。「なんだ?」見るとタクトの姿が消えていた。「何をしたの!」「キキキキキ!何を?キキキキキ・・・」世界が死神の嘲笑と共に崩れていった。「ここ
    五十嵐時 さん作 [351]
  • ロストクロニクル 10―5

    パールが小さなタクトの元へ行こうとした時だった。「待って下さい!」フラットが叫び声を上げた。「どうしたの!」「夢の世界がとても不安定なんですよ」フラットは空を仰いだ。パールとウェドもそれに倣う。「なんだ・・・これ」三人の頭上を赤黒く、今にも堕ちてきてしまいそうな不気味な空が覆い尽くしていた。そして、聴こえてきた。「キキキキキ・・・」三人はゆっくり後方を振り向いた。「夢・・・過去・・・中から・・・
    五十嵐時 さん作 [354]
  • ロストクロニクル10―4

    「・・・行こうぜ」沈黙の中、声を上げたのはウェドだ。「フラット、どうすればいいの?」パールも覚悟を決めたようだ。「わかりました。じゃあ、まずは目を閉じて、手を繋いで下さい」二人が目を閉じたことを確認すると、フラットはタクトの額に右手を当て、パールとウェドの繋がれた手の上に自分の左手を重ねた。「心を落ち着けて、神経を集中させて下さい。たくさんの乱れた糸がゆっくり一本になるようにイメージするんです」
    五十嵐時 さん作 [380]
  • ロストクロニクル10―3

    タクト達は足をとられる沼のような地帯から抜け出すことができた。「もう!足が気持ち悪くて仕方ないわ」パールは地面を何度も踏みつけている。「パール」タクトが人差し指を口元に当てている。「・・・どうしたの?」「走れ!」突然三人が走り出した。「待ってよー!」パールも駆け出そうと時「待ってよ、お嬢さん」目の前に黒いボロ布を身に纏った、死神のような人物が上から降ってきた。「パール!」タクトが全力で引き返して
    五十嵐時 さん作 [441]
  • ロストクロニクル10―2

    〔数日前〕ルパス城の一室、多くの装置や機械に囲まれた部屋の片隅で大きすぎる椅子に腰掛け、震える人影と、それに話しかけている大男がいた。「どうした?サーブ、お前の作品がどんどん潰されているらしいな?」大男が少女を嘲け笑う。「まだまだ、こんなの許容範囲内よ。想定の範囲にすぎない・・・」大男に背を向け、画面を見つめるその後ろ姿は震えている。「言葉と態度が正反対だが?」彼女は不気味な笑い声を部屋中に響か
    五十嵐時 さん作 [390]
  • ロストクロニクル10―1

    タクト、パール、ウェド、フラットの四人は傷が癒えるを兼ねてこれからの進路について話し合っていた。「いてっ!」タクトの頭上にひとつの瓶が落ちてきた。「なにあれ?」パールが転がる瓶を拾い上げ、中に入っている便箋を取り出した。「わっ!これ、王族からの手紙よ!」パールはみんなに封蝋を見せた。「すごい!初めて見ました。姫様からの手紙みたいですね」パールが便箋を読み上げた。難しい言葉が綴られていたが、パール
    五十嵐時 さん作 [441]
 
利用規約 - サイトマップ - 運営団体
© TagajoTown 管理人のメールアドレス