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五十嵐 時さんの投稿された作品が155件見つかりました。
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ロストクロニクル8―23
「・・・どうして、私の、術が!」タクトは静かに剣を鞘に収めた。「・・・イエルさ」タクトは傀儡の方を向き、目からわずかな曲線を描いた薄いガラスを取り出した。「はぁはぁ、コンタクトレンズ、だと」「使い方があってて良かった」「こんな、ことが・・・私は認めない!認めないぞ!」傀儡は立ち上がった。「なに!」タクトは身構えた。「はぁはぁ、私は、負けない!」傀儡は自らの周りに無数の鎖を地面から出し、鎖が再び地
五十嵐時 さん作 [365] -
ロストクロニクル8―22
階段を駆け上がりながら、タクトはイエルからもらったケースを開けてみた。中には透明な液体が入っており、その液体の中にはわずかな曲線を描いている薄いガラスのような物が入っている。「なんだこれ?」タクトはイエルの最後の言葉を必死で思いだそうとした。「これで傀儡の能力が・・・」使い方の分からない物を手にしたまま、とうとう階段の最上階に到達した。その最上階の部屋には、今まで見たこともない巨大な何かの装置が
五十嵐時 さん作 [362] -
ロストクロニクル8―21
「バカ野郎、パール。逃げろ!」パールはウェドの言葉にふと我に返り、体勢を整えた。「敵にすると厄介な奴だな」タクトはパールに向かって駆け出した。パールの前にウェドが立ちはだかった。「次は必ず止める」タクトはウェドに飛びつきながら斬りかかってきた。ウェドはその衝撃をハンマーで受け止めた。「パール!」「わかってる」パールはウェドの後ろから傀儡に向かって矢を放った。矢は一直線に油断していた傀儡の肩を射抜
五十嵐時 さん作 [430] -
ロストクロニクル8―20
「教えてあげましょうか?シルヴァさんの事」向かってきたタクトに焦る事もなく、冷静に剣をかわすと、あの時の事を話した。シルヴァは傀儡に夢中でブロウの異変に気付くのに僅かに遅く、ブロウの剣はシルヴァの胸を貫いた。「鼠の長もこれで終わりですね」傀儡は消え行く意識の中にあるシルヴァに冷たい笑みを浮かべた。「シルヴァはお前なんかに負けない!」タクトは振り払うように傀儡に再び斬りかかった。「残念ながら怒りで
五十嵐時 さん作 [361] -
ロストクロニクル8―18
いつもロストクロニクルを閲覧して下さる皆さん、そして今回偶然ロストクロニクルをご覧になられた皆さん。こんにちは、五十嵐時です。今回始めにご挨拶させていただいたのは、私の手違いで8―18より先に8―19を投稿してしまった件です。大変読みにくくしてしまってすみませんでした。以後、気をつけます。それでは!改めまして、私の記憶では、次はフラットが島の事についてタクトに語るシーンだったと思います。挨拶が長
五十嵐時 さん作 [376] -
ロストクロニクル8―19
「イエルさん!」イエルが突然廃屋を飛び出して行った。「何してんだよ!」ウェドもイエルを追いかけた。「ウェド!外は危険よ!」「急に何か嫌な予感がするって言って飛び出して行ったんです」フラットは一生懸命タクトとパールに事情を説明した。「とにかく追いかけないと!」「でも、外は・・・」パールの言葉を聞かずにタクトは飛び出した。案の定、外は大騒ぎになっていた。ルパス兵達の怒号があちこちで聞こえてくる。目の
五十嵐時 さん作 [371] -
ロストクロニクル8―18
フラットはタクトに島のことについて語り始めた。「この島は僕達パラス、いや、パラスとルパスの住人達の祖先にあたる人々の島」「祖先の島?」「はい、その昔、この国はルパスパラスというひとつの大陸でした。でも、内乱が激化したため、女神によってふたつの国に別けられ、ルパスに『科学』をパラスに『不死鳥』を与え、それを使い、各々の国を守るようにしました。ここまではいいですよね」タクトはフィールに教えていた事を
五十嵐時 さん作 [339] -
ロストクロニクル8―17
「何が悪いって、この廃屋の外の光景よ」パールは忌々しげにこの粗末な廃屋の扉を見つめた。台風でも来たらすぐに壊れてしまいそうな廃屋の中を観察してみると、自分は薄いシーツのみの乗っている粗末なベッドに横たえられており、そのベッドの右手にウェド、パール、イエルそしてフラットの面々が並び、その後ろに、外へと続く扉に凭れたシルヴァが確認できた。「外の光景?」タクトは掠れる声で聞いた。「ええ、ここまで来るの
五十嵐時 さん作 [377] -
ロストクロニクル8―16
「これが・・・あの、不吉な予感かな」タクトは自嘲気味に呟くと痛む体の節々に顔を歪めながらゆっくり立ち上がる。「シンニュウシャ、ハイジョ」相変わらずのゆっくりとした速さで甲冑はタクトに近づいてくる。「だけど・・・その扉を開けるまでは、負けられない」タクトは荒い息を整え、剣を構えた。「・・・父さんの遺した剣、この世で一番固い鉱石、ベルズ鉱石の剣だ」タクトは残された体力を絞り出し、叫び声と共に甲冑に向
五十嵐時 さん作 [444] -
ロストクロニクル8―15
「シルヴァ!」タクトが引き止めた時には既に向かってしまっていた。「もう一人いるぞ!」別の兵士の叫びを聞くと自分の置かれた状況をはっきりと理解した。「とにかく、第7監獄の扉を開かないと!」自分に言い聞かすように、薄暗い地下の中を走り出した。「待て!」前方には槍を構えた兵士が、第7監獄の扉の前に立ち塞がっている。「邪魔だ!」真っ直ぐ突き出される槍を左にかわし、剣の柄で兵士のみぞおちに一撃を加えると、
五十嵐時 さん作 [385]