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五十嵐 時さんの投稿された作品が155件見つかりました。

 
  • ロストクロニクル7―18

    「私はこの村に入ってきた時に真っ先に鏡の宮殿を探したの」パールは今までのことを話し始めた。「そして鏡の宮殿を探しながらさまよっていると、いつの間にか辺り一帯には何もなくて、ただひとつ、鏡でできた建物だけが建ってたの」パールは一息つくと話しを続けた。「その建物は大きな半円の形のドーム型で、中に入ってみると、中には何もないただ、広くて暗い部屋があって、その部屋の中心にひとつの四角い形をした机と椅子が
    五十嵐時 さん作 [384]
  • ロストクロニクル7―17

    タクトはすぐにはパールの言葉が素直に受け取れなかったが、今までの状況を振り返ってみれば、パールの言っていることも頷ける点があることに気付いた。「ほら、あれを見て」パールの指さした方を見てみると、自分の姿とウェドとフラットの追い回されている姿が鏡の中にあった。「大変だ!早く助けないと!」「ちょっと待って。その前にこれを」パールから手渡された物は、ちいさな飴玉だった。パールはこの飴玉をなめているよう
    五十嵐時 さん作 [345]
  • ロストクロニクル7―16

    「さて、お話はここまでにして・・・スペース!」途端に鏡の体を持つ怪物が襲いかかってきた。「来たぞ!」タクトはなんとか左へかわしたが、敵の姿をはっきり捉えることができず、やはり戦うどころか避けることさえも危うく感じられた。「いつまで耐えれるか見物ね」ダイヤはタクトたちのスペードの攻撃を必死に避け続ける姿を見てケラケラと笑い出した。「このままじゃ体力が無くなって終わりだ!扉に向かって走ろう!」それを
    五十嵐時 さん作 [472]
  • ロストクロニクル7―15

    タクトは不審に思った。なぜ、こんな危険な場所にダイヤはパールを置いてきたんだろう?化け物からの警戒の為、背中合わせになっているダイヤに聞いてみた。「パールはどこにいるだい?そもそもパールの体に乗り移っている理由は?」「あたしには体が無いの。だから、時々迷い込んでくる旅人の体を奪って遊んでいるだけ。はっきり言うと、体なんて無くても生きていけるんだけど、それじゃあ、楽しくない。それに、あたしが他人の
    五十嵐時 さん作 [444]
  • ロストクロニクル7―14

    「『クレイラ』って?」タクトはダイヤの表情に合わせるような、神妙な面持ちで問いかけた。「この町の名前。この町も少し前まではすごく活気があって・・・」タクトはダイヤの話とダイヤに見せられたあの幻想が重なった。「だけど、いつの頃からかこの鏡の宮殿に化け物が住み着くようになったの」「やっぱり・・・」フラットの独り言が聞こえた。「あたしたちクレイラの住人は、その日から毎日ひとりずつ化け物に襲われていった
    五十嵐時 さん作 [399]
  • ロストクロニクル7―13

    タクト、ウェド、フラット、ダイヤの三人はクローブの狭い馬車に揺られながら、鏡の宮殿を目指していた。「おい。着いたぞ」クローブは馬車の後ろに回ったかと思うと、ぶっきらぼうに馬車の荷台の扉を開けた。「本当にこの中にパールさんがいるんですよね?」フラットは真っ先に馬車から降りて宮殿を見上げていた。タクトは馬車から降りて宮殿を見上げた。『鏡の宮殿』はその名に負けない程に壁や柱、ありとあらゆる物が鏡ででき
    五十嵐時 さん作 [388]
  • ロストクロニクル7―12

    「・・・分かったわ。でも、その代わりにお願いがあるの」ダイヤもウェドたちに散々説得されてとうとう折れたようだ。「なんだい?」「それは鏡の宮殿に入ってから話したいの」タクトたちはダイヤの案内で鏡の宮殿に向かっていた。「あれ?あんなところに誰かいますよ。他にも人間がいたんですね」遥か前方に馬車に乗っている男の姿があった。 「ああ、あれはクローブっていってこの辺りを中心に活動してる行商人なの」そうい
    五十嵐時 さん作 [412]
  • ロストクロニクル7―11

    「止めるんだ!ダイヤ」ダイヤはタクトの言葉に応答しなかった、かと思うと今度は三人を囲む六つの鏡が時計回りにゆっくりと回り始めた。「どうなってるんですか!」フラットのパニックに陥った声が聞こえる。鏡の回転は段々速くなってきた。「フラット!この鏡を溶かせないか?」タクトが素早く訊いた。フラットがさっと回転する鏡に近づいた。「・・・やってみます」「時間が無さそうだ!急いでくれ!」ウェドが急かす頃には既
    五十嵐時 さん作 [443]
  • ロストクロニクル7―10

    「・・・パール?」タクトが拍子抜けした声を出した。「へぇ〜この子の名前パールってんだ」少女は自分自身の腕を空に透かすように見つめた。「お前、パールじゃねぇんだろ?誰だ」ウェドがどすのきいた声で少女を問い質した。「あたしの名前は『ダイヤ』この村の住人なの。あなたたちは?」ダイヤは微笑を浮かべながら試すような口調で訊いてきた。「僕の名前はタクト。あっちからフラット」フラットは軽く会釈した。「そして、
    五十嵐時 さん作 [430]
  • ロストクロニクル7―9

    タクトたち三人は犬に追われながら、走って村の中へと入っていった。「誰か助けて下さーい!」フラットが叫んだが村人の居るようすは全く無く、ただ家々が虚しく点在しているだけだった。「なんだこの村気持ち悪ぃな。誰も居ねぇ」フラットが振り返るとそこには、まるで何かを恐れるかのようにおめおめと逃げていく犬の姿があった。「パールは?村人は?」「家はたくさんあるのに村人の姿が全く無いですね」タクトが村の入り口近
    五十嵐時 さん作 [425]
 
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