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稲村コウ さんの投稿された作品が138件見つかりました。
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ほんの小さな私事(137) 了
高野さんとは、お寺の門前で別れた。帰り道の話の中で、高野さんが山下さんの家に寄っていって、様子を見てくると言っていたので、私も一緒に行くと言ったのだが、高野さんは、「沙羅ちゃんは疲れてるんだろうから、早く家に戻って休んでー!」と言われてしまった。仕方なく、私はそのまま家に戻る事にして、山下さんの事は、翌週の月曜日、朝の登校の時に様子を見るといった感じにする事にした。家に戻ると、いつもの様に、お風
稲村コウ さん作 [529] -
ほんの小さな私事(136)
その後、私と高野さんは、二人して帰路についた。帰り道を歩きながら私たちは、今日あった事について、色々と喋り合った。「まさか幽霊とか妖怪とか、漫画とか小説の話だけだと思ってたんだけど、本当にそんなのが居たなんて、驚きだよねー。」「ええ、本当に。」ただ、そう喋り合っている中では軽く言っているだけだが、よく考えてみれば、今回の様な事に、今後も遭遇するのかも知れない訳で…。まだ、私の力は、制御がしっかり
稲村コウ さん作 [491] -
ほんの小さな私事(135)
「まあ、何はともあれ、改めて…GH会へようこそ。将来的に君らが良きゴーストハンターになってくれる事を願いつつ、私を含め、皆でバックアップのサポートをしていくよ。そして、何かあったらまず、ここ…保健室に来てくれるといい。基本的にここがGH会の窓口になってるからさ。と、言う所で、一応のお話は終わり。頑張ってくれよ!数少ない能力者の卵!」なつきさんはそう言って、私と高野さんの肩を、それぞれポンポン叩い
稲村コウ さん作 [469] -
ほんの小さな私事(134)
「そう言えば、山神さんって、学校設立の頃から居るんだったよねぇ?」なつきさんは、そんな風に、机の上で丸くなっている黒猫に向かって言った。すると、黒猫は耳を数回ピクピクさせたあと、眠そうにしながら目を開いた。「もっともっと前から我はこの地に留まっていたぞ?お主らからしてみれば、多分、気が遠くなるほどの歳月を過ごしている事になるだろうな。」「あれ?この猫、喋らなくなっちゃってる?」高野さんがそう言っ
稲村コウ さん作 [481] -
ほんの小さな私事(133)
「今年、全学年でGH会に加盟しているのは、君らを含めて全150人ほどだ。途中で入会したり、脱会したりする面々もあるが、そういうのを別にして、平均、全学年内で100人程度の加盟者が居る感じだよ。ただ、加盟してる人間がどんな感じかってのは、後で名簿作って渡すけど、その名簿は無くさないように。それはそうと…沙羅、ここを見てご覧よ。お前さんの母親の名前があるだろ?実は君の母親も、GH会に所属してたんだよ
稲村コウ さん作 [477] -
ほんの小さな私事(132)
保健室前にやってきた私たち。扉をノックすると、中から「どうぞ〜」という間延びした声が聞こえてきた。「失礼します」と言いながら中に入ると、そこには、なつきさんと、机の上で丸くなっている黒猫の姿があった。「よくきてくれたね。GH会に参加してくれるって事で捉えていいんだね?」そう言われて、私は「はい」と言って首を縦に振った。どういった活動をするのかも解らない手前、少し不安はあったが、この会に参加する事
稲村コウ さん作 [503] -
ほんの小さな私事(131)
その後、私たちは、なつきさんに書いてもらった診断書を持って授業に戻った。戻った際、体育の授業を担当していた安倍川先生には、少しあれこれと言われたが、診断書を見せた事で何とか解って貰えたので、そのまま、見学という形で授業に復帰できた。合同でA組も体育の授業だったのだが、山下さんは別個、親に連絡を入れ、早退していた。まあ、暫く行方不明になっていた手前もあるので、当然と言えば当然であろう。授業中、無駄
稲村コウ さん作 [449] -
ほんの小さな私事(130)
教頭先生は、保健室に入ってきて、静かに扉を閉めると、笑顔を見せながら会釈した。「では、改めまして。私は、この学校の教頭を務めております、草壁恭華と申します。多分、加藤先生から説明を受けているとは思いますが、GH会の総括も務めさせていただいております。」凛とした喋り口に上品さを感じさせるその身のこなしは、まるで、何処かの上流階級婦人を思わせる。私も母から、上品な身のこなしを教育されているが、そんな
稲村コウ さん作 [372] -
ほんの小さな私事(129)
なつきさんに言われた通り、私たちはベッドのカーテン裏に隠れた。よくよく考えてみると、こんなところに隠れる必要性は無い気もしたが、なつきさんに何か考えがあるのだろうと納得しておいた。ただ、この人数が隠れるには狭すぎるので、ベッドの上に山下さんと私が。その他のみんなは、カーテンの外側の、扉から見えない位置に立つことにした。それを確認したなつきさんが、扉の鍵を外して開く。私たちは音を頼りに、その様子に
稲村コウ さん作 [363] -
ほんの小さな私事(128)
それにしても、まさか、私の様に、何らかの力を持っている人が他にも居る事も驚きであったが、それがほんの身近に、そして、こんなにも多くの人が能力を持っている事に衝撃を受けた。更に、この学校では、その様な能力者を育てるという、別の機関を持っているようだし、そうなるとつまり、この学校には、意図的に、能力を持った人が集められてくるのだろうか?私は、なつきさんの説明をききつつも、そういう感じに、無意識のまま
稲村コウ さん作 [378]
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