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稲村コウ さんの投稿された作品が138件見つかりました。

 
  • ほんの小さな私事(37)

    部屋に戻った私は、自分で淹れた紅茶を飲みながら、残りの復習を終えてしまうと、教科書などを片付け、その代わりに、机の引き出しから日記帳を取り出し、今日あった出来事を思い出しながら、それぞれについて簡単に言葉を綴っていった。そして改めて、赤い靄の事について考えていた。昔から疑問に思っていた事だが、あれが一体、どういったものなのか…。唯一解っている事は、あの靄が見えた時は、何らかのトラブルがその場所で
    稲村コウ さん作 [343]
  • ほんの小さな私事(36)

    ティーセットは、私が東京から持ってきたものがあるので、いつもそれで紅茶を淹れているのだが、多分、藤沢さんは、それに見慣れていないと思い、結局の所、私もキッチンに行くことにした。私がティーサーバーと茶葉の入った缶を戸棚から取り出すと、案の定、藤沢さんは、驚いた顔を見せて言った。「こんなの初めて見るよ。はぁ〜…なんだかこ洒落てるねぇ。」私はサーバーに茶葉を入れながら「藤沢さんもいかがですか?」と言っ
    稲村コウ さん作 [358]
  • ほんの小さな私事(35)

    部屋に戻った私は、支度途中だった弓道着を準備し、部屋の片隅に置いたあと、机に向かい、ノートを開いた。まずは、学校で出された課題をこなしてしまい、そのついでに、教科書の前のページをめくって、そこに出されている問題をこなしてゆく。転校前、引っ越しなどで勉強の時間をとれなかった事もあるし、こちらの学校での授業は、東京の授業内容とは違っているので、その事も考慮して、復習も行っているのだ。幸いな事に、今の
    稲村コウ さん作 [353]
  • ほんの小さな私事(34)

    藤沢さんが作ってくれるご飯は、いわゆる家庭の味で、多少クセのあるものもあったが、今まで洋食中心だった私には、とても新鮮だった。何より、思った以上に私の口にあっていて、しかも、その大半が美味しいと思えた。べつに家政婦のユウさん…祐子さんが作ってくれたご飯が不味かったというわけではないのだが、藤沢さんが作るご飯は、意識せずとも食が進む感じ…というのだろうか?最初の頃、潮は洋食の方が好きらしいので、密
    稲村コウ さん作 [389]
  • ほんの小さな私事(33)

    「それじゃ、一旦家に戻って向こうの様子見てきたあと、間を見て片付けに戻ってくるからね。食べ終わったら食器を水に浸しておいてくれればいいからね。」藤沢さんは、そう言うと、慌ただしくキッチンから飛び出していった。私はその後ろ姿に向かって「いつもすみません。藤沢さんも忙しいでしょうのに。」と言ったが、彼女は軽く振り替えって「いいのいいの」と言って、そのまま去っていってしまった。「なんかこう…慣れないよ
    稲村コウ さん作 [338]
  • ほんの小さな私事(32)

    弟に追いやられるように、私は自分の部屋へと戻り、自分の部屋にある鏡の前で、改めて髪の手入れをした。風呂の湯で火照った体をある程度冷まし、頃合いを見て室内着に着替える。後程、食事したあとにする予定の勉強の準備をし、そのついでに、明日、学校に持っていく弓や弓道着一式の準備をしていると、弟の声が響いてきた。「ねえちゃん、飯の支度できたってさ。」私は、道具の支度を途中でやめ、「はーい。」と返事をしてダイ
    稲村コウ さん作 [357]
  • ほんの小さな私事(1)〜(31)に於ける訂正と解説など

    現在、『ほんの小さな私事』の執筆、投稿させてもらっています、稲村コウと申します。この作品は、会社の昼休みの食後、僅かな時間の中で書いていまして、推敲せずに投稿しております。故に、誤字や変な文章なども出てきてしまっているので、目立った部分の訂正をここで書いていこうと思います。・(7)の中で、瀧口先生の台詞に、「今後どうするか〜」となる筈の言葉が、「混合〜」となってしまっています。・用務員の山崎氏の
    稲村コウ さん作 [367]
  • ほんの小さな私事(31)

    髪の毛を洗い、身体の垢を流して、私は風呂からあがった。バスタオルで身体の水滴を拭い下着を着けたあと、鏡の前で髪の毛をブローする。私は少し髪が長めなので、手入れに時間が掛かるのが難点だが、父がこの髪の毛を誉めてくれたのが嬉しくて、ずっとこのスタイルを通しているのだ。髪の手入れを終えた後、バスローブを纏い、部屋に戻ろうとした時、玄関から弟の声が聞こえてきた。「ただいま〜。あー、腹減った。」「あら潮ち
    稲村コウ さん作 [356]
  • ほんの小さな私事(30)

    しかし、気がかりな事としては、図書館に続くあの渡り廊下の途中、林の方向に見えた赤い靄。あの靄が見えたあと、あの場所で山下さんは、原因不明な出来事で、スカートの裾を切られてしまった。身体に傷がつかなかったのは不幸中の幸いだが、あの場所に何か、危険があるのは確かな事だ。とは言うものの、私はその危険を認知できるものの、それを排除できる訳でないので、危険から遠ざかる事しか手段を選べない訳で…。そう思うと
    稲村コウ さん作 [364]
  • ほんの小さな私事(29)

    ここの家の風呂は、昔ながらの檜づくりのもので、心地よい香りが漂っている。マンション住まいの頃は、よくあるユニットバスで、主にシャワーで汗を流すかんじだったので、こういった肩まで湯に浸かるお風呂は、いつか家族で温泉旅行に行った以来である。今までは、母親が、アロマ油をユニットバスに入れて香りを楽しむという事もしていたが、そういったものより、私としては、檜の自然な香りが好きである。身体に湯をかけ、軽く
    稲村コウ さん作 [449]
 
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