携帯小説!(スマートフォン版)

トップページ >> 稲村コウ さんの一覧

稲村コウ さんの投稿された作品が138件見つかりました。

 
  • ほんの小さな私事(8)

    確かに先生が困るのもわかる。それは、知識の無い上で顧問として勤めるのは大変だろうし、何より、単に指導を行うだけでなく、大会出場の為の手続きをするなど、やる事は様々あるわけで…。「牧野が弓道部に所属するのは構わないし、私も、掛け持ちで顧問を勤めてやりたいのも山々なんだがな…。さすがに剣道部の指導が手一杯なんだ。」「名目上だけってわけにはいかないの?」高野さんがそう言って、私の支援をする発言をしてく
    稲村コウ さん作 [480]
  • ほんの小さな私事(7)

    高野さんと瀧口先生は、少し年の離れた幼なじみだそうで、もう、十年ほどの付き合いだとのこと。『凉姉ぇ』というのは、瀧口先生の下の名前、『凉子』からきていて、高野さんは、その呼び方で慣れているようだ。「…で。ここへは何の用で?」二人の関係について、私が、高野さんから、一通りの説明をもらった所で、瀧口先生が切り出してきた。「あー、そうそう。あのさ、確か弓道部って、去年の卒業生で部員ゼロになっちゃったん
    稲村コウ さん作 [490]
  • ほんの小さな私事(6)

    「でぇ〜…沙羅ちゃんは、弓道部だっけ?」「うん。中学の頃からやってたのもあるし、道場もあるって聞いているから。」「ふぅ〜ん…。」高野さんに聞かれた通り、私は、昔から続けている弓道をやる事を、既に心に決めていた。けれど、彼女の歯切れの悪い言葉が、少々ひっかかった。「道場は…あるにはあるんだよね。でも、弓道部の部員、今年は確か、ゼロだった気がするのよ。」「えっ?」成る程。歯切れの悪さは、そういう事だ
    稲村コウ さん作 [492]
  • ほんの小さな私事(5)

    放課後、私は高野さんの案内で、校舎内を巡り歩いていた。それというのも、私が今後、所属する部活を決める為に、それぞれの部活の活動を見学する為だ。しかし私は、既に、所属する部活を心に決めていたのだけれども、高野さんの好意を素直に受けた。それに、この学校では、どのような部活が活発なのかも知りたかったし、高野さんとのお喋りするのも楽しいし。「こっちがグラウンドで、野球部やサッカー部が活動してるよ。その向
    稲村コウ さん作 [549]
  • ほんの小さな私事(4)

    「今日から皆と一緒に机を並べ、学ぶ事になった、牧野沙羅君だ。彼女は、事情あって、東京から転入してきた。五月からの転入という事で、皆とはほぼ、同じスタートラインだが、まだ解らない事も多いだろう。故、それぞれとも、彼女に色々と教えてあげてくれ。」女性ながら、まるで、男性のような喋り口調の先生が、早口で私を紹介してくれた。続けて私が、その先生…瀧口先生の促しを受けて自己紹介した。「牧野沙羅です。まだ解
    稲村コウ さん作 [521]
  • ほんの小さな私事(3)

    母は、私が持っているこの、『霊視』について、釘を刺すように、何度も「貴方が持っている力の事は、私以外に話してはいけませんよ。」と、言っていた。勿論私も、その力が、普通の人が持つ力ではないという事を理解していたし、母以外にこの事を話したことは一度もなかった。けれど、やはり、この力の事は気になったし、何故、私にそんな力が備わっているのか不思議に思うこともあったから、様々と、そういった事に関する本を読
    稲村コウ さん作 [525]
  • ほんの小さな私事(2)

    私の名前は牧野沙羅。15才の、普通の高校生。勉強もスポーツも、自分なりに思えば、それなりだと思うし、他の回りにいる子と何ら変わりない、普通の女の子…なんだけれども…。ただ一つ、普通の女の子…普通の人とは違う、不思議な特異体質があるぐらい。その特異体質というのは、いわゆる、幽霊いとかっていう感じの存在を見ることが出来る事。この特異体質は、私が小さな子供の頃からあったもので、私自身、そういったものか
    稲村コウ さん作 [611]
  • ほんの小さな私事(1)

    両親を亡くしたのは、私が小さい頃の話。ダンプカーとの接触事故だと聞かされているけれども、その当時の私は、ほんの小さな子供だったから、あまり、事態を良く解っていなかった。その後、残された私と、一つ下の弟は、母親方の親元に預けられ、そこで生活する事になった。母親の親…つまり、私たち姉弟のお爺さんは、神社の住職で、日々、あちこちに出掛ける事柄多かったし、お婆さんは、両親が亡くなるずっと前に他界していた
    稲村コウ さん作 [870]
 
利用規約 - サイトマップ - 運営団体
© TagajoTown 管理人のメールアドレス