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稲村コウ さんの投稿された作品が138件見つかりました。

 
  • ほんの小さな私事(106)

    一か八か…という上での行動だったが、なんとか、自分の能力を使って、飛んできた紫の靄を防ぐ事が出来た。多分これが、先ほど、香取君を吹き飛ばしたものなのだろう。一応、今この一瞬の危険回避は出来たが、またいつ、次の靄が飛んでくるか解らない。それに、今は辛うじて立っていられるが、案の定、私の体は、幾らかの脱力感に襲われていた。「何?今の…。」「そんな事より、早く香取君を…外へ…。」「う…うん!」私は、ま
    稲村コウ さん作 [340]
  • ほんの小さな私事(106)

    山下さんに、何か異様な事が起こっているのは確実だ。私の霊視でも、不吉を示す赤い靄が見えているし、櫻井君が手にしている機械が、そういった霊的なものを関知できるもので、それがどうやら、普通ではない反応をしている訳で…。しかし、これに対して、どう対処していいのか、私は判断をつけることができなかった。『どうしたら…いいの?…私は何をしたら…いえ、そうだわ!なつきさん!なつきさんに助けを求めれば…。』私は
    稲村コウ さん作 [332]
  • ほんの小さな私事(105)

    中に飛び込んでいってしまった香取君。そんな彼を呼び止めようとした時、櫻井君のポケットから、ピーピーという電子音が鳴り響いた。櫻井君が、それに気付いて、ポケットから、その音を発している何らかの機械を取り出すと、それに付いているモニターをチェックする。「凄い…こんな霊波が観測されるなんて…驚いた…。」「霊波?何ワケわかんない事いってんのよ。何なの、それ?」そう二人が、何らかの機械を覗き込んでいると、
    稲村コウ さん作 [337]
  • ほんの小さな私事(104)

    高野さんたちが言い合いをしている時、今度は、体操服姿の男子生徒が、慌て走ってきた。「あれ?みんなして、何してるの?」私たちが居る場所で立ち止まり、そう聞いてきた彼。香取君だった。「実は、ここの扉の鍵が開いていたので、中の様子を見ていたのですけど…。」そう言いながら、私は、まだ、言い合いを続けている二人に視線を向けた。香取君は、それを見て、苦笑いしながら、納得した様子を見せた。「彼ら…いつもあんな
    稲村コウ さん作 [344]
  • ほんの小さな私事(103)

    「だれかー、いるのー?おーい。鍵あいてるよー。」高野さんは、扉から中を覗き込みつつ、そう中に呼び掛けた。だが、中はシーンと静まり返ったままで、何の返答もかえってこなかった。「…何やってるの、君ら…。」唐突、後方から聞こえてきた声。私たちは、その、不意の呼び掛けに驚き、声の方向に顔を向け、少し後退りした。「な…なんだー。誰かと思えばヒデじゃない…。驚かせないでよね!」「別に驚かせるような事はしてな
    稲村コウ さん作 [357]
  • ほんの小さな私事(102)

    私たちは、校舎二階の西側にある連絡通路から、体育館へと向かう事にした。もう既に、昨日の事件の片付けが終わっていて、校舎北側にある渡り廊下から、体育館に向かう事が出来るようになっているので、そちらから体育館に向かった方が早く着く。しかし私は、今朝、山下さんを見た辺りの様子を見てみたかったので、そちらを巡りつつ行く事にしたのだか、高野さんも、それに付き合うと言ってくれた。更衣室は校舎一階の、下駄箱の
    稲村コウ さん作 [374]
  • ほんの小さな私事(101)

    暫くして、窓ガラスに水滴がポツポツと当たり始め、間を置いてから、一気にどしゃ降りの雨となった。相変わらず、雷が鳴り続け、更衣室にいるほとんどの女子が、窓の方向を見て唖然としていた。「今日、天気予報、晴れとかいってなかったっけ?」「天気予報なんてアテになんないよー。でも、朝はあんなに晴れてたのにねー。」ざわつく更衣室の中。私たちも改めて、着替えに戻る。「あー、びっくりした。私、雷苦手なのよね…。」
    稲村コウ さん作 [362]
  • ほんの小さな私事(100)

    体調も大分よくなったので、私はその後、教室に戻り、授業に復帰した。途中からではあったが、滞りなく授業も終わり、休み時間を迎えると、クラス中の女子が、私の回りにやってきて、私の事を心配してか、色々と聞いてきたが、私は「ちょっと目眩かして保健室で休んでいた」と答えた。制服が破れている事については、倒れた際に、茂みに倒れ込んでしまったからと答えたが、この制服の破けについて、何が原因かは、私自身が一番知
    稲村コウ さん作 [362]
  • ほんの小さな私事(99)

    私たちが話をしている一方で、なつきさんと瀧口先生との言い合いが一段落していた。のち、瀧口先生が私のいるベッドに寄ってくると、少し不思議そうな顔を見せて、私に聞いてきた。「しかし、一体何があって、そんな風になったんだ?まあ、それより、体調はどうだ?」「なつきさんが診てくださったおかげで、かなり良くなりました。ご心配かけて申し訳ありません。」「いや…牧野が謝る事は無い。ただ、あまり無理はするなよ。も
    稲村コウ さん作 [339]
  • ほんの小さな私事(98)

    なつきさんとお話を続けていると、その途中でチャイムが鳴り響いた。私はその音を聞いて、ふと時計を見てみる。すると時刻は、既に十時になっていた。「ああ。お前さん、結構寝込んでいたからネェ。まあ、あれほどの邪気にあてられたんじゃ仕方無い。それでも結構、早くに回復したと思うよ。」「邪気…?」「ま、簡単に言えば、悪い気の事さ。人の精神に作用すると、体調を悪くしたり、精神を乱したり、或いは狂気にとらわれたり
    稲村コウ さん作 [337]
 
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