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夏蝶 さんの投稿された作品が6件見つかりました。

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  • 夢の中 2

    じゃり … じゃり … 境内に敷き詰められた玉砂利の音が、辺りにこだましました。闇夜に吸い込まれてゆく音を聞きながら、まるでこの世に、私一人しかいないような心地がしておりました。しかし不思議と、寂しさや、恐ろしさは感じることはありませんでした。 一つ…二つ…三つ目の朱塗りの鳥居をくぐると、光の正体が目に飛び込んでまいりました。それは無数の提灯の灯りで
    夏蝶 さん作 [346]
  • 夢の中

    今日は、皆様に不思議な出来事をお話致しましょう。私は魔法使いでも、勇者でもありません。ただの一般人であり、普通の人です。ですが、時折不思議な世界に出会うのです。 それは9月の、月が綺麗な夜の事でした。私は丁度、仕事帰りでした。そうですね、確か時間は10時を回った頃だったかと思います。その日は、ほんの少し風が冷たく、凛とした空気が月をより輝かせておりました。 家に着き、車から降りる時、ふと目に入
    夏蝶 さん作 [524]
  • 無音3

    「検死の結果はどうだ?」 人の気配に目を向けると、検死を終えた部下が立っていた。 「やはり今回も手掛かりらしい物は何も…」 眉間にシワを寄せ、青い顔をしながら報告書を差し出す。 「お前もいいかげん検死くらい慣れろ。毎回吐きそうな顔して報告書もって来やがって」 「すいません…」 手で口を押さえながらイスに座る。 「で、現場からも何も出なかったのか?」報告書をペラペラと捲りながら続ける。 「はい。
    夏蝶 さん作 [527]
  • 無音2

    現場から帰ったあと、久々にあの日のことを思い出していた。初めて奴を追い詰めた日のことだ。現場は薔薇が綺麗なことで有名な公園だった。 「おい!そこで何してる!」それは、まったくの偶然だった。たまたま通り掛かった公園で、不振な人物に遭遇。例に習い職質をかけようとした。 「ようこそ。私のギャラリーへ。」黒のロングコートを着た不審者は、深々と一例をした。 「貴方は私の記念すべき最初のお客様です。
    夏蝶 さん作 [605]
  • 無音

    雪が舞っている。音も立てずに深々と。 「またか…チッ」 腹立たしさで、思わず壁を殴った。 「えぇ。手口は前回と同じです。ざっと見たところですが、恐らく今回も手がかりは期待できません。」 思わず深いため息が出た。室内だというのに、外の雪の影響で吐く息は白い。さらに、タイル張りの床も、寒さを増長させていた。 「よく調べろ。」 窓から降り注ぐ雪灯りが、床を照らす。蒼白く生気のない顔も。 「スノードー
    夏蝶 さん作 [911]
  • 赤い絃

    「心中しようか」 愛する君に言われた言葉を、誰が拒むことができる。 生の終わりをながめ、死の始まりを旅する。そう。たった二人で。 「いいですね」 絡めた手をきつく握る。そして体を抱き寄せる。 「なぜ急にこんなこと?」 耳元で囁く。 別に意味はないのだけど。 「クスッ…気分かなぁ」 耳元で囁く。 本当はずっと前に決めていたのだけど。 「そう」 腰をひきよせ、傍にある帯で二人を結ぶ。きつく。きつ
    夏蝶 さん作 [375]
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