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フジヒサさんの投稿された作品が5件見つかりました。

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  • これが僕らのバイオロジィ(5)

    「そういえば保坂さん」「あ?」「生物室の骨格模型の性別ってわかります?」 ふと昼間の牛原の言動を思い出し、榊は保坂に質問してみる。「ああ、女だろ?」「え!?」 保坂から返ってきた牛原と同じ答えに、榊は目を見開く。「骨盤がな、男だと閉じてて女は開いてんだ。そこ見りゃわかる」 へぇ、と榊は小さく声をあげた。 適当な言動の目立つ牛原も、きちんと根拠のある上で発言しているようだ。 季節は春。少年
    フジヒサさん作 [560]
  • これが僕らのバイオロジィ(4)

    「でも、下校時刻までいなきゃいけないって決まりもないですし」 榊は準備室にペレットの袋を置き、手を軽く払いながら言う。 その後ろから肥料の袋を抱えた保坂が歩いてきて、同じように準備室の床に置く。 どん、と低い音が小さく床を揺らしたあと、保坂は頷いた。「まあそうなんだが、あいつには中三としての自覚ってもんが……」 保坂が言い終える前に、学校に下校時刻三十分前を告げるチャイムが響く。「……っと
    フジヒサさん作 [580]
  • これが僕らのバイオロジィ(3)

    牛原が帰り、生物室に残された榊は溜息をついて鞄の中の文庫本に手を伸ばした。 メンバーの数人は現在採集に行っていて、榊の他に生物室にいる人間は少ない。 その残っている他の部員達も現在は日課の餌やりや掃除を終え、課題を問いているかまたは机に突っ伏して眠っている。 部室を騒がしくしている保坂や牛原や採集に行った部員達がいないため、生物室は静寂に包まれ、課題を問く筆音とハムスターの動く音だけが響く。
    フジヒサさん作 [549]
  • これが僕らのバイオロジィ(2)

    保坂が出ていくのを見届けると、榊は溜息をついた。「行きましたよ、保坂さん」「……マジで?」 がたがたと掃除用具入れが動き、その中から件の若干小柄な中学三年の生物部員、牛原克也が現れた。「サンキュ、榊。今度何か奢ってやるよ」 牛原にぽんぽんと肩を叩かれ、榊は苦笑する。「別にいいですけど、なんで保坂さんの体操着模型に着せたりしたんですか?」 榊の言葉に、牛原はにやりと笑った。「俺体操着忘れて保坂
    フジヒサさん作 [570]
  • これが僕らのバイオロジィ

    深沢学園。 海辺の高台に位置した中高一貫の男子校である。 これは、そんな恋愛とは掛け離れた学校の、熱血とは掛け離れた文化部の、ちょっと邪道な青春のお話……。「牛原はどこだぁ!!!!」 放課後の深沢学園の高校棟一階、生物室に今日も怒号が響く。 声の主は保坂洋平。中学三年の生物部員である。 目つきの悪い顔を、怒りで一層険しく歪めて叫ぶのは、同じ生物部員の名前。「牛原さんがどうかしましたか?」
    フジヒサさん作 [572]
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