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シナドさんの投稿された作品が24件見つかりました。
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遼遠
麻の糸と針を使って私とぼくをひとつに紡ぐ同じ祝福を受けながらこんなにも違う私とぼくを私はあなたの血を受けて、君はぼくに肉を与えるあなたよ、ここはとても寒い君よ、ここはとても温かいあなたよ、ここはとても明るい君よ、ここはとても暗いあなたよ、君よ、ここはとても淋しいまだ見ぬあなたよ絶えて久しき君よ私はぼくはあなたに君に会いたいまた、いつかええ、また、いつか
シナド さん作 [635] -
海は好かない
おれは海は好かないよあの黒い、轟々としたうねりがおれは嫌いだおれはあれを見ているとあれがおれたちを憎んでいるような気がするのだ強い怒りが大きくうねりながら喚いているように思えるのだ海は光が届かんくらい深いそうじゃないか一番底は真っ暗なのだろう?海は奈落のようだよまるで死人がみんなあすこにいて、冥府からおれたちに恨み言を呻いてるようだ波間から死んだ奴らが顔を出すんじゃなかろうか死人でいっぱいの海だ
シナド さん作 [710] -
ストッキングの恋人たち
大学時代に奨学金目当てで徴兵登録していたせいで戦争に行かされることになった。 ぼくが戦地に送られる少し前に、恋人のエーリカが泣きながら自分のストッキングをくれた。お守りだそうだ。やれやれ。 ぼくは戦役の間いつもそれをベルトの脇に結んでた。 そのおかげかわからないけど、ぼくは一度も地雷やトラップを踏まなかったし、大きな怪我もしなかった。 狙撃もぼくじゃなくてすぐ隣にいたいけ好かないグレッグに当た
シナド さん作 [879] -
春来ル鬼
庭の桜の木に、枝がしなる程たわわに花が咲いている。花弁が穏やかな風に乗って、幾つも私のいる縁側に降り注いだ。私の横で、8つになる息子が眠っていた。花弁がひらひらと子供の髪や肌に降りかかる。私は、あおむけに眠った子供の喉をみていると、それが死んだ女の肌とよく似ていると感じた。子供の生白くて細い首をおもむろに片手でつかみ軽く力を入れてみる。冷たいかと思われた子供の肌は存外に温かい。私の知る女の肌は随
シナド さん作 [1,133]