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ホチキスさんの投稿された作品が38件見つかりました。

 
  • 最後の夏休み30

    「ない!ない!」今までどんなに酷い仕打ちを受けていても全く動じない葵だったが、今回ばかりは泣きそうな表情で探していた。葵はあの事件で亡くなった両親からもらった指輪をキーホルダーと一緒に学校の鞄に付けていた。しかし学校の帰りにそれをいじめをしてる連中に取られ、投げ捨てられたのである。捨てた奴らはみんな戒にぶちのめされたのだが、そんなことをしても指輪は返ってくるわけはなく二人で必死に探している。「どこ
    ホッチキスさん作 [334]
  • 最後の夏休み29

    ここは戒たちのいた現実とは遠く離れた世界。その世界は闇に閉ざされ、永遠の夜の世界となっている。 その世界の真ん中に大きな大きな西洋のお城が一つ。 そのお城の一部屋でメイドの姿をした女性が洋菓子とそれに合う紅茶を入れていた。 メイドはまだ若く20歳ぐらいであったが、それを感じさせないくらい落ち着き、紅茶を入れる仕草さえ優雅であると人に感じさせる。メイドは紅茶を入れるとそれを主人のほうへと運ぶ。 その
    ホッチキスさん作 [319]
  • 最後の夏休み28

    家全体が震えるような轟音が戒の耳を突き抜けた。音のした方に目を向けるとにわかには信じられない光景がそこにあった。葵が男の頭を掴みをめり込まむように顔面を壁に叩きつけていた。感情を出さない葵がむき出しの怒りを露にした姿だった。 「あなたは…戒を…傷つけた!許せない…。」葵の男の頭を掴む力より一層強くなり、ミシミシいうと音が鳴り響く。しかし、男の両腕はそれに抗うことなく力なくだらんとしていた。戒は自分
    ホッチキスさん作 [324]
  • 最後の夏休み27

    何故葵がこんな格好をしているのか、どうして窓を割って飛び込んできたのか戒にはよく理解出来なかった。しかし、ここにいる葵はいつもの暗くて弱々しい雰囲気とは違い、凛としてまっすぐな瞳をしていて凄く綺麗で見惚れてしまっていた。葵が来て気が緩んだのか、不意に戒の身体に今までの痛みに加えて、恐ろしいほどの疲労感が押し寄せてきた。今気を失うわけにはいかないと戒は精一杯耐えようとするが、それとは裏腹に戒の身体は
    ホッチキスさん作 [339]
  • 最後の夏休み26

    「くくくく…世界にはまだこんな楽しいことがあったんだぁ。」男は不気味な笑みを浮かべながら下を見て何やらブツブツと呟いていた。 戒の限界は近い。本当ならすぐにでも男をぶちのめしたいのだが身体が動かなかった。ギロッ! 不意に男の狂気の目が戒へと向けられる。「で、それはどうやって手に入れたのかなぁ?戒にい君?」どうやって手に入れたのかだって? そんなことをこんな男に教えてやるつもりはない。「誰が…てめぇ
    ホッチキスさん作 [342]
  • 最後の夏休み25

    戒の両手を拘束していた縄が解かれていく。 いや、この表現は正確ではない。 正しくは焼き切れたのだ、戒の力によって。 戒の両手からは炎が紅く激しく燃えていた。 何者をも寄せ付けない紅い炎、その炎は戒の肘にまで絡みついているが、不思議と戒の体を焼き尽くすことはない。これが戒が想像し求めたもの。−魔法−「戒にぃ…なんなのそれ…。」明はその光景を驚きと恐れの眼差しで見つめる。戒自身も驚いていた。 あれだけ
    ホッチキスさん作 [357]
  • 最後の夏休み24

    「俺は無力だ…」自分に言い聞かせるように戒はそう言った。「俺の声は届かない?俺は無力だぁ?笑わせるわ。」少女は鼻で笑う。 「貴様、それは誰に対する言い訳じゃ?わらわか?貴様の妹か?それとも貴様自身に対する言い訳か?!」少女は厳しい眼差しで戒をにらみつける。「言い訳だと…。」「そうじゃ。貴様は自分にはもう何もできない、出来ることはやったと、今の状況に絶望し、諦める自分を正当化しておるだけじゃ。そんな
    ホッチキスさん作 [356]
  • 最後の夏休み23

    「なんじゃ、また諦めるのか。」一度聞いたことのある声が頭に響いた。それと同時に戒を取り囲む世界はみるみるうちに変わっていく。目に見える全てのものがその色を失い、目に見える全てのものがその動きを止める。唯一の例外を除いて…。戒の目の前のソファー、強盗が座ってるその隣に唯一色鮮やかな存在はたたずんでいた。戒が初めて池見にあった日の帰り、土手で見た少女だった。銀色の髪に赤いルビーのような瞳。西洋の貴族の
    ホッチキスさん作 [356]
  • 最後の夏休み22

    「いいことを思い付いたよ。」そういって男は歪んだ笑みを浮かべながら明へと近づいていく。「何…何なの?何する気なの?」明は恐怖で顔を引きつらせながら手を縛られた体を後ろ後ろへと引きずり下がる。「おい、お前…どこいくんだよ?何する気だよ?」男は戒の方をちらりと振り向くて楽しそうに応えた。「何って…楽しいことって言ってるじゃないかぁ。」男は明のところまで来ると明の体をひょいと持ち上げ戒の目の前にあるソフ
    ホッチキスさん作 [365]
  • 最後の夏休み21

    「そう僕の求めるものはぁ…」男はよだれを垂らしながら前屈みになり両手を横にだす。 ドカ!!ドカ!ドカ!ドカ!ドカ!!ドカ!ドカ!ドカ!ドカ!ドカ!ドカ!蹴り。ただひたすら蹴り蹴り蹴り蹴り蹴り。男は横たわっている戒の腹部をひたすら蹴り続けた。「ごはっ!!」声にならない。 いや、声が出せない、息すら出来ない。戒が出来るのは胃液をだすことと苦悶の表情を浮かべながらただ丸くなることだった。「そうそう!僕が
    ホッチキスさん作 [316]
 
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