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ホチキスさんの投稿された作品が38件見つかりました。
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最後の夏休み20
戒が気が付くと辺りは真っ暗で何も見えなかった。「痛っ!」どうやら自分は何者かに頭を殴られ気絶していたようだ。戒は痛めた頭を触ろうとしたが手が動かない。 縄か何かで後ろに手を縛られているらしい。幸い足は縛られてないようだが。暗闇に慣れてきてゆっくりと辺りの様子がわかってきた。「なっ!」戒は自分が置かれている状況をやっと理解した。戒が倒れていた場所は戒の家の居間。そして戒の周りには戒の他に3人の人間が
ホッチキスさん作 [349] -
最後の夏休み19
「何考えてるだろ。俺。」はあっ、と戒はため息をつきながら家の戸を開ける。ガチャ。家に入ると戒は家の様子が異様なことに気が付いた。戒が帰ってきた今はもう外は暗くなっている。 それなのに家の中は真っ暗である。電気がついていない…。両親は出かけているのだろうか。いやそれならば玄関の戸には鍵がかかっているだろう。まあ、鍵を掛け忘れただけかもしれないが。 戒はとりあえず玄関の電気をつけた。やはり誰もいない…
ホッチキスさん作 [338] -
最後の夏休み18
次の日も、また次の日も魔法の特訓は続いた。 あれからあまり進歩は見られなかった。 できるのは相変わらず物の温度を上げるだけ。 火を、炎を出すことは一向に出来なかった。「明日夏休み最終日だけど明日も特訓するかい?」明日で夏休みが終わるのか… でも明日は 「悪い。明日は約束がある。」そう、夏休みの最終日はやっと暇になった友人たちと約束があるのだった。 「そうか。まあ、高校最後の夏休みだしな。楽しんでき
ホッチキスさん作 [347] -
最愛の夏休み17
葵が中学に上がって間もない頃、葵はひどい虐めを受けていた。普段はほとんど何もしゃべらず、たまに何もないところでぶつぶつ一人ごとを言う。泣いたり笑ったりせず常に無表情。 そんな光景が同じ中学の同級生には気味が悪かったんだろう。葵は感情のない人形のように何をされても感情を出すことはなかった。 でも戒は葵を庇った。 靴を隠されればともに探し、机の心無いの落書きは葵が見る前に消した。 庇えば庇う程いじめは
ホッチキスさん作 [371] -
最後の夏休み16
事件が起きたのは夏のひどく蒸し暑い夜だった。 強盗が神谷家を襲った。 生き残ったのは神谷葵だけ。 神谷の両親はナイフのようなもので心臓を貫かれていた。 奇妙なことに死体は赤い円の真ん中に積み重ねてあり、それが何を意味するのか不明であった。 神谷洸は切り落とされた右腕とおびただしい血痕が発見され、死体こそは見当たらなかったが、恐らく死んでいるだろうと推測される。 神谷葵はひどい怪我を負って意識を失っ
ホッチキスさん作 [335] -
最後の夏休み15
家に帰った戒は疲れはてていた。2階にある自分の部屋に戻るのも面倒だった。戒は夕食を待ちながら居間にあるテレビをボーッと眺めていた。「………」テレビの声など疲れててほとんど耳に入らなかった。そんな中あるニュースだけ耳に入ってきた。「ニュースの時間です。昨夜○○県××町の家に強盗が入りました。」「へえ〜、○○県××町に強盗ねえ。ってこれうちのすぐ近くだ。」「犯人は家に在住の老夫婦2人をナイフようなもの
ホッチキスさん作 [327] -
最後の夏休み14
帰りの車の中、池見はまた戒の向かいに座っていた。戒には気になっていたことがあった。それは研究の話を聞いたときから疑問に思っていたことだ。「なあ、池見。聞きたいことがあるんだけど、いいか?」「どうしたんだい、突然?まあ、答えられることのできる範囲で答えるよ。」池見はあっさりそう答えた。「どうして、あんたたちは魔法なんて得体の知れないものを研究しようなんて思ったんだ?」池見は少し困った顔をしていた。ど
ホッチキスさん作 [342] -
最後の夏休み13
「いや、やるねぇ。」手を叩きながら池見が近づいてきた。 「いやいや、まさか1日で成果を出すとはな。たいしたもんさ。」池見はそういって戒に笑いかけた。「あ、ありがと…」 戒は少し照れくさそうに池見の視線をそらした。「いや、実際にお礼を言いたいのはこっちの方さ。ありがとう、戒くん。」そういって所長は戒に頭を下げた。「いや、そんな所長さんにお礼を言われるなんて」そう言い掛けたところで戒の膝がガクンと折れ
ホッチキスさん作 [344] -
最後の夏休み12
魔法の特訓には所長が付き合ってくれることになった。どうやら他の研究者はみんな忙しいらしく、意外と所長がひまだったりするのである。「魔法をイメージするには自然にあるものがいいね。」所長はにっこりしてそう教えた。どうやら今のところ理論的に使えるとされる魔法っていうのはランプの魔神が使うような魔法ではなく、RPGなどで使えるような火を出したり傷を治したりする魔法らしい。「出来ることの幅が狭まってなんだか
ホッチキスさん作 [374] -
最後の夏休み11
地下の駐車場であろう場所に車はたどり着いた。池見は車から降りて歩き出す、戒はそれに付いていった。エレベーターで一番下に降りて、戒達は半径100メートルほどの大きなドーム状の場所に着いた。内装は全て白色。なかなか異様な光景であった。数メートルさきから眼鏡わかけて痩せ細った白衣の男が近づいてくる。歳は池見と同じくらい。ただ以下にも研究者といった貧相な男であった。「池見くん。お使いご苦労様。お、彼が戒く
ホッチキスさん作 [340]