携帯小説!(スマートフォン版)

トップページ >> 雨蛙 さんの一覧

雨蛙 さんの投稿された作品が3件見つかりました。

  • 1
 
  • 水を飲む

    水が奏でる音を聴いている。すべてが不均等な旋律かのようで、いや、そうでもない。一定の間隔で刻むリズムは整った綺麗さがある。不均等なリズムには惹きつける妖しさ、美しさがある。水は双方を兼ね備えている。水は素晴らしい。なんと美しい。『岬を一隻の船が発つ』触れてみても指の間をすり抜け、それはまるで高嶺の花のよう。水は私に情けをかけて、ひんやりと偽りの接吻を与える。水に触れたい。ふとそう感じる時がないだ
    雨蛙 さん作 [687]
  • 心残り

    傷跡は細く、深い。痛みが彷徨う。すべてを忘れたい。どうすることも出来ない。包丁を右手に持つ。左手首を差し出す。刃先を優しく滑らせる。血が溢れ出る。が、やがては止まる。死ねない。死ねない。死ねない。死ねない。首に縄を巻く。両手に縄の端を持つ。思い切り引く。血流は止まる。が、すぐに動き始める。死ねない。死ねない。死ねない。死ねない。死にたい。そう思い立ったのはいつのことか。ただただ生きることに飽きた
    雨蛙 さん作 [805]
  • 人殺し

    人を殺した。なんとなく、殺してみた。人を殺した。思い付きで、殺してみた。人を殺した。なんとなく気持ちがすっきりした。人を殺した。かわりに不幸になった。人を殺した。人を殺したから、不幸になった。人を殺した。人を殺した私は、人殺し。浅い眠りから覚めた私は、逃れられない罪を背負っている事を思い出した。自分の真横に横たわる、死体。その死体が話しかけてくる。「お前が殺したのだ。」一見寝ているだけにも見える
    雨蛙 さん作 [623]
  • 1
 
利用規約 - サイトマップ - 運営団体
© TagajoTown 管理人のメールアドレス