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ベンジー さんの投稿された作品が93件見つかりました。
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春の息吹
長い雨脚が桜を散らして誰かが慌ただしく春を惜しんでいた。今になってほころび始めたわずかな蕾が雨の中私の目の前で孤独にも勇ましく咲いていて微かな希望を見出だした私は何よりも今春の息吹を感じた。
ブランキー さん作 [390] -
太陽の恋人
ココナッツミルクって案外美味しくないんだね一口嘗めた後彼女はそう呟いて窓の外の西の空を悲しげに見上げたまるで彼女が僕をつまらない人間だと言い放ったような気がした…そのとき空が茜に染まったのはきっと彼女のセンチメンタルが原因だろう太陽は僕よりも彼女を理解していた。そうやって太陽は僕を殺したのさつまらない僕をそうやってね…
ブランキー さん作 [377] -
路地裏の猫
アンニュイな休日には路地裏を歩くことをおすすめするよ。屈折した僕らのファジーな感情はまるでこの路地裏の匂いさ太陽もさすがに休日はお疲れみたいで本日はおやすみだから今日ぐらいビルに光を奪われた暗い路地裏に住む可愛い子猫たちにビスケットをあげようそしたらきっとこんな日も特別になる…たったそれだけで詰まらない休日もきっと特別になる…
ブランキー さん作 [385] -
太陽と海のキス
ハワイアンブルーの夕焼けをバックにチェリーを添えたピンクのソーダをお一ついかが?太陽はもうすぐ僕らの背中で母なる海とキスを交わすだろう僕らはただチェリーをくわえて波間に揺れる夕焼けを見つめた誰かが忘れたビーチボールが一人ぼっちで海に浮んでて…まるで人間みたいねって君が言うから僕は君の手を握ることもできずただ太陽と海のキスを眺めながら気の抜けないうちにソーダを一気に飲み干した
ブランキー さん作 [385] -
レモン畑で
レモン畑で君を抱きしめるのは淫らな事だなんて神様もきっと言わない理由がいるのなら…もしも一つだけ理由がいるのなら…そうだこういう事にしないか君のお気に入りの赤いリボン付きの麦わら帽子が飛ばされないようになるべく僕の胸に頭を近づけるといいそしたら僕は君の背中に手をまわすよきっと神様には見つからないさだって僕らはレモン畑の中…夕暮れ時の冷たい風で静かに揺れるレモン畑の中…
ブランキー さん作 [420] -
にせもの
奴さん偽物掴まされて今頃泣いたってそりゃ過去のことさ本物を見いだせないあんたの両目がきっと犯罪さ散歩がてら公園に寄れば通りすがる猫の背中にハートのマークを見つけたよそいつはお上手で人間に気を遣って細々と生きていたこいつはきっと本物さイミテーションはモンキービジネスだけど見抜けないあんたのその目はきっと犯罪なのさ
ブランキー さん作 [386] -
在りし日の哀しみ
朝から続く雨ゆえに今日、神様が泣き濡れたこの悲しみにそれ相応の風が寥寥私の哀しみあなたの悲しみ共に水に流せたら潤んだ月夜は幸福でしょう…滴る雨も本望でしょう…そんな心も露知らずいついつまでも続く天涙それ故に、私の杞憂な在りし日の哀しみ
ブランキー さん作 [342] -
やまぬ雨
幸福と不幸は砂時計じゃないから僕の白昼夢は夜にやってきた悲しきナイトメアにかき消された。長い雨が続き雲は太陽を食べてしまった。目の端から零れる涙も、雨に食べられてしまった。天使も死んだ。長い長い夜の重い重い雨が未来永劫続く鎖ならもう僕は待ち切れない。
ブランキー さん作 [347] -
一等星
流れ星に祈るなんてバカがすることさだから神様。宇宙に散らばった輝く金平糖を一つ僕にくれないか?六等星はきっと地球を嫌っているから一等星をくれないか?誰の目にも止まらずにただ長い孤独を味わうこの美しい星の哀しみは何よりも重い人間の罪だろう?
ブランキー さん作 [375] -
悩んでいるフリ
月の光を浴びて夜に咲いた小さな花に儚さを感じた。星の降る夜命を燃やしながら煌めく流星たちに自分の弱さを悟った。未来永劫続く地球で生きることとは何ぞや理由がないと生きてけないほど不器用な人間です。だけど本当は悩んでいたいだけ。浅はかな人間です。愛だの恋だの悪くはないけれどでも今はただ悩んでいたいだけです。
ブランキー さん作 [368]