トップページ >> 優風さんの一覧
優風さんの投稿された作品が95件見つかりました。
-
セピアカラー(44)
・「元気出せよ」そう言って僕のグラスに剛はビールをついだ。あれから電話を終え、僕は剛の指定した居酒屋に来ていた。ここには剛の友達も働いている事からよく利用して今では常連客になってるらしい。剛がついでくれたビールを一気に飲み干し、「恋愛ってやっぱり難しいなぁ」と、僕が言うと、「それ言うの何回目だよ。もう聞き飽きたよ、そのセリフ」と、突っ込んできた。それからまた僕のグラスにビールをついだ。この“
優風 さん作 [569] -
セピアカラー(43)
・舞と別れてから十日程して舞の部屋にあった僕の荷物と一緒に手紙が添えられて送られてきた。僕は一つ一つ荷物を片付けながら舞と出会った日からこの間の別れた日までの事を思い出していた。片付けた荷物の中には僕がクリスマスプレゼントに贈ったバッグと二月の誕生日にプレゼントとして贈った腕時計も一緒に送られてきた。荷物を全部片付けてから最後に手紙を読んだ。読んでいるうちに涙が溢れ出てきた。そして、最後に見
優風 さん作 [574] -
思い出の足跡改めセピアカラー(42)
・頭の中が真っ白になった状態だったのかそれとも目の前が真っ暗になった状態だったのか僕には把握出来なかったが舞の顔は不安の色に染まり明らかに動揺し何か言おうと言葉を探してる風だった。僕は静かな声でもう一度、「別れてほしい」と、言った。舞はやっと言葉を見つけた様子で、「本気で言ってるの?」と、問うてきた。僕は、舞の目を見て、「本気で言ってるんだ」と、答えた。舞は目に涙を浮かべながら少し俯いて“ど
優風 さん作 [625] -
好きと言えなくて…(10)
・割りばしゲームの他にピン・ポン・パンゲームをしたり歌の続きゲームをした。僕も何回か罰ゲームでモノマネや一発芸をした。 ・十一時半を過ぎたところで加奈が、「これからあたし達女子はお昼ご飯を作るので男子の皆はTVでも見ながらリビングで待っててくださーい」加奈の指示に従い僕達はリビングに移動した。言われたとうりTVを見てたがこの時間帯の番組はニュースばかりで面白くなかった。ここが男友達の家なら
優風 さん作 [596] -
思い出の足跡(41)
・ラーメンを食べ終えてからも剛は相槌を打ちながら僕の話しに真摯な面持ちで耳を傾けた。「恋愛感情があった事から自意識過剰になってちゃんと会話も出来ないし、おまけに小学生で年下を好きになるのは異例な事だって自分の中にそういった固定観念もあったし後、皆からロリコンとか言われてからかわれるんじゃないかって思うと誰にも相談出来なかった」「確かに皆、ちゃかしただろうなぁ。俺が詩織と写真うつす時廊下に一杯
優風 さん作 [791] -
思い出の足跡(40)
・「ケンカした時の事覚えてるか?」「ああ、覚えてるよ」「あの日の帰り際にも言ったけど俺、詩織の席の横だったお前にやいてたんだよ。もしかしたら詩織はお前の事が好きなんじゃないかってずっと思ってたんだ。それからもしかしたら両想いなんじゃないかって」「それは考え過ぎだよ。お互い、友達以上は想ってなかったし現に俺、詩織からチョコもらってないしさ」「そうだよな。今、思うとすごい思い違いしてたんだよな。
優風 さん作 [622] -
思い出の足跡(39)
・三月三十日は千春の婚礼の日だった。その日は有休を使い会社を休んだ。 ・披露宴は夜の七時から行われた。新郎共々嬉しそうにしてる反面、緊張した面持ちをしてるのが伺えた。式は司会者の下、順調に行われた。千春の友人代表のスピーチは小学校から付き合いのある“今日子"が行った。「昔から趣味が似てる事もあって同じ人に恋をして好きになってケンカなんかもしたけどそういう事もあって言いたい事が言える仲になっ
優風 さん作 [727] -
思い出の足跡(38)
・今日は残業を早めに切り上げて午後の七時半過ぎには会社を後にした。何故、残業を早めに切り上げたかというと僕と舞と畑中さんの三人で食事をする事になっていたからだ。僕は指定された場所へ足を速めた。 ・指定されていた“MISAKA"という居酒屋に着くと時刻は午後八時を過ぎていた。店のドアを開けると、「いらっしゃいませ」と、店内に威勢のいい声が響いた。舞と畑中さんは入り口に近い席にいた。「お疲
優風 さん作 [634] -
思い出の足跡(37)
・ まさか両想いだったとは全く想像してない事だった。正直、美香の話しを聞いた僕は戸惑いを隠せない状態でいた。あの頃は思春期を迎えていた事もあり、それに加え恋愛感情を抱いた事によって神経過敏となり自意識過剰になっていたのだ。 ・美香から上着を受け取り、“少し歩こう”と促した。とにかく今のこのギクシャクした雰囲気をなんとかしないと考えた。「そういえば修学旅行ってどこ行った?」僕が聞くと美香は一つ
優風 さん作 [635] -
思い出の足跡(36)
・「あの時チョコをもらえて本当に嬉しかったよ。おまけに手紙のメッセージつきでさ」そう言うと美香はほくそ笑みながら、「喜んでもらえて良かった」と、嬉しそうな顔をして言った。「俺、美香には嫌われてるとばかり思っていたからさ。まさかもらえるなんてこれっぽっちも考えてなかったよ」「あたしだって貴士君にはずっと嫌われてるとばかり思ってたからチョコを渡しても“いらない”って言われるんじゃないかって思いな
優風 さん作 [592]