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公募投稿作品に含まれる記事が496件見つかりました。
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来世相談所
朝焼けなのか夕焼けなのかワカラナイ ただ赤い雲の上を漂う 目的などない俺には… ただ漂う 後ろを振り返ると光が… 数メートル措きにいくつか見える その光と漂う方向は常にいっしょだ そうか漂ってるのではなく進んでるのか… どうでもいい 今の俺の頭は焦燥感で… 何をなくし何を焦っているかもわからない何が起こったのかも… ただ大切な何かをなくし失望してる… 俺は一体何に失望してるのか 考えるの
はるき [649] -
子どもは、家を選べない〜その24〜
これを機に、ずっと、結衣子の業績を認め、なんとか、結衣子の名前に傷つけずに、房子と千鶴子の醜態を晒して、結衣子に実家と縁を切る助力のチャンスを待っていた、かつてのアングラ劇作家であり、団の主演女優、春川霞は、この一家の惨劇を舞台作品に纏めた。効果を狙って、房子と千鶴子は、醜悪な餓鬼をイメージした。醜い精神を形にするということは、ストレートに地獄絵図を当てはめると老若男女に伝わりやすい。霞は、大
真理康子 [610] -
子どもは、家を、選べない〜その23〜
自業自得とはいえ、房子の失言は、房子自身の精神疾患を浮き彫りにさせる結果となった。 結衣子の主治医は、姉に対する50余年に及ぶ房子の嫌がらせに対して、まず、家庭の中で指導が行われていなかった事を重要視した。 大抵の子供が、家庭や学校で人が嫌がる事をしないよう、又、自他のモノの識別等が必要であると、常識的に指導を受けているはずなのだが、例外を前にして、結衣子の長年の心痛に同情した。
真理康子 [652] -
子どもは、家を、選べない〜その21〜
そして、結衣子にとっても不自由になっていく過程に、千鶴子と房子が、現実に正気でなくなってきていたことがある。 人づてに、房子が、酔っぱらって、散々、世の中を呪うような醜態を方々 で晒していると聞いた。おそらく、綺麗な飲み方ではないだろう。房子が飲み屋から帰ってくると、異臭を放っていた。本人は、ぐだを巻いて周囲に迷惑をかけては眠りこけ、更なる迷惑をかけては平気で帰宅するが、店も、近くにいた人間も
真理康子 [609] -
子どもは家を選べない〜その20〜
房子には、深く考える能力がなかった。 姉の結衣子が心を込めるものは、羨ましいと思う気持ちと同時に、自分も欲しくなった。 苦労をして手に入れるということは考えず、くすねとることに喜びを感じた。母親譲りのさもしい感情は、富ある者を妬み、口汚く謗ることが楽しいと感じられた。 姉が自分を避けるとみるや、これでもかといった嫌がらせを続けた。 カウンセラーの結衣子には、それが関心を示していることは理解でき
真理康子 [725] -
子どもは、家を選べない〜その19〜
それでも、結衣子は、仲間や友人に恵まれ、翔を本当の意味で守っていくのは、親である自分であるという自負で、不幸を感じたことはなかった。 人は、暗いことを考えていれば醜くなり、その反対の場合には、やはり、それなりに反映するものがあった。 結衣子は、隣近所や親戚の者からも綺麗ですね。妹さんと歳が逆みたいですねと声をかけられることが多かった。 病気を患う以前の自分の姿にウェイトを占めて、その辺りは、社
真理康子 [696] -
子どもは、家を選べない〜その18〜
結衣子は、それとなく、翔の気持ちを察していた。 起きて階下に降りれば、食事の支度が出来ていて、家があり、そこそこの暮らしが出来ていれば、外であくせく働かなくても良いじゃあないかと思う若者が増えていることは知っていた。と、いうか、それではいけない、若者よ、汗を流して働こうと呼び掛ける側のカウンセリングをしてきた。随分、成果もあった。まさかの、息子の有り様に、やるせなさのなかにいた。自分に助けを求
真理康子 [653] -
子どもは、家を選べない〜その18〜
翔は、もう、何もかもが終わって欲しいと願っていた。 祖父が生きていた時は、祖父と叔母の房子がペアになり、それなりに、家族が五人揃って自分に好意的な大切な存在だった。 叔母の自分に対する過干渉も、今よりはマシだった。 一人っ子の翔にとって、家族はかけがえのない存在だったのが、祖父の死後、形がいびつになった。 祖父という、バリアがなくなり、叔母も祖母も過剰に自分に向かってきた。 自分に対して、良く
真理康子 [698] -
白い天使のうた (22 完)
誰ひとりとして、自分の存在を否定する子供たちは、もう、その施設にはいなかった。自分にしか出来ないことがある。すでに見つけた子供たちもいれば、まだ見つけていないことに、むしろこれからやってくることに、更なる期待を膨らませる、そんなワクワクとした息がそこに溢れていた。「生きていてよかったな、て最近つくづく思いますよ。これだけ毎日、子供たちの変化を見ていくことができて。たった一人でもいい、誰か僕のよう
宮平マリノ [652] -
白い天使のうた (21)
その日から、りらはみんなの仲間入りとなった。言葉を話せなくても、うたを歌い出せば、まるでそれがみんなとの会話のようであった。「そのうち、歌で会話するようになるぞ。」塚本は、そんなことを期待した。それからしばらくして、塚本は隣町に引っ越すことになり、ほとんど毎日のように通っていた施設には、あまり行けなくなった。それでも、子供たちの様子や変化は、大資が報告してくれたし、子供たちが自主的に、地域のボラ
宮平マリノ [615]