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ホラーに含まれる記事が2664件見つかりました。
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不注意な男 2
反射的にハンドルを切り、ブレーキを踏んだが、もう遅かった。鈍い音が、彼の鼓膜を震わせる。車はそのすぐ後に止まった。慌てて彼は車から飛び出した。醜く歪んだバンパー。割れて明滅しているライト。そしてヒビの入ったフロントガラスには、血が付着している。それらは事故の酷さを生々しく物語っていた。そして車から数メートル離れたところに、誰か倒れていた。どうやら、女性のようだ。そばには完全に折れた傘が落ちていた
涼太 [1,048] -
不注意な男 1
ある雨の日の夜のことだ。彼は、郊外に向かって車を走らせていた。対向車の数も道路の両脇に並んでいる建物も、街灯の数に比例して段々と少なくなってきた。前日に徹夜で仕事をしたので、彼はひどく疲れていた。肩は凝り、目はかなりショボついていた。彼は一瞬、バックミラーに目をやった。彼の車の後部座席には、3人の男女が静かに眠っている。運転を代わって欲しかったが、そんな事はできない。「はぁ……。何でこんなことに
涼太 [1,138] -
私と『私』
はじめまして。私は、私。唐突ですが、ちょっとした『お話』をしようと思います。四日前、私は悪夢を見ました。腕を、『何か』に食べられる、という夢です。夢から覚めると、腕に、何かに噛み付かれたような『跡』がありました。三日前、私は悪夢を見ました。足を、『何か』に食べられる、という夢です。その『何か』は、昨日と違って、『腕』が生えていました。夢から覚めると、足に、何かに噛み付かれたような『跡』がありまし
シェバ [1,082] -
心霊スポット-2
…ガチャガチャ姉とその友達が車から降りて目的地に行ってしまった。残っているのは私たげになった。空気が重い…車を停めた場所から目的地までの道のりは…なぜか頭の中にはっきりとしるされた。目を閉じると‥真っ黒な闇の中に浮かび上がる白い道筋、…確かにその場所だ。だんだん重さに耐えられなくなった私の体は、助手席に手を掛けた状態になり、皆が早く戻って来る事を願った。「大丈夫!?」‥そろそろ限界、と言う時、姉
YU [1,156] -
精神科一級
二人は身体が弱いので生活保護で静かに暮らしていた誰から見ても仲の良い二人だった知り合って十年別れ話しも何度かしたがお互いが必要な事をそのつど思い知る何処に行くのも一緒だったある朝男が目をさまさなかった女は精神科の一級で かなり重症の患者だそんな女を男はいつも支えていた その男が起きない 寝息も聞こえない出来るかぎりの知恵を絞り脈を計ったり心臓に耳を当てたり身体は氷のように冷たい女は男が死んだ事に
いおり [1,261] -
神童-2-
「児玉君…ちょっと…」教室の戸が開き校長直々に児玉守を呼んだ。 「あ…はい…」ざわめく教室から守は戸惑いつつ出た。「児玉議…お祖父さんが亡くなったそうでお家から電話がかかってきました。すぐ迎えが来るそうなので帰る用意をしてください」校長の言葉に守は驚いた。 「そんな…お祖父様が…」守の体が震える。 その様子を窓際の河田ゆかりがじっと見ていた。「守君のおじいちゃん死んだんだって」ゆかりは鉄棒にぶら
ピロリ [722] -
神童-1-
「秘書の坂本さんが自殺されてどう思いますか!?」「裏帳簿があったのは本当ですか!?」 黒塗りの高級車に記者が群がった。 後部座席に大物議員の児玉がむすっとした顔をして座っている。 「おい、早く出せ!」児玉の右腕の飯野が運転手に促した。車は記者を押し退けるようにゆっくり動き出した。「まったく…なぜ私がこんな思いをしなくてはならん」児玉は顔をさらにしかめた。 「今は御辛抱下さい。坂本が死んだ今裏帳簿
ピロリ [769] -
本当に怖いものは、何?
ん?どうした?そんなに私が物珍しいかい?ここで出会ったのも何か縁だ。暇つぶしに私の昔話でも聞いていけば良い。君は「英雄」「勇者」と呼ばれる者を知ってるかい?実は私もその端くれでね。「英雄」と周りが呼んでいたよ。なに、大した事はしてないさ。困っている人がいたら助けたかったし、私の力で誰かを笑顔に出来る事が嬉しかった。ん?偽善だって?はは。そうだな…。そう見えるかもしれないね。でも人助けに打算なんて
キンセイ [1,160] -
だ〜れだ。
「ねぇ!どうすんのさ!マジでヤバいよ!?」ヒステリックな女性の甲高い声が響く。「クッソ…!扉が…開かねぇ…!!窓もかよ!?」開かなくなった扉や窓を、男が力任せに開こうとしていた。「やっぱり祟りなんじゃないか!?」怯えた表情をする男。「帰りたいよぉ…もうここは嫌だょ…」しくしく泣き始めてしまった女性達。ここはとある曰く付きの古びた洋館。地元の人間は絶対に近づかない。そんな場所に仲の良い連中が好奇心
キンセイ [1,291] -
一目霊前・4(死)
…………。俺は目をさますとみんなの事が気になった…………。何があったんだ…………?ここはどこだ?目の前に逞が寝ている…………。必死で起こすが声が虚しく響くだけ…………。だれか来た…………。しかし、酷い事故だったようですね…………。生存者は一人…………。同乗者は即死だった。事故か…。…………俺は泣けて来た…………。逞…………。達彦…………。そして、片目の彼女…………。ナンパなんか行かなければよかっ
キユデヒ [844]