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ミステリに含まれる記事が2060件見つかりました。

 
  • 欲望という名のゲーム?124

    「結局その本の存在に気づいたのは、孝子様お一人のようでしたね」「あの様子だと、そうみたいね。あら、少し話が脱線しちゃったみたい。さっきの続きに戻しましょうね。私はプロブレムを解いて、権利書の大体の場所は分かった。でも、喜久雄兄さん達の見張りが続いている限り、何も出来ない。そんな時、深雪姉さんが鎧の分解を始めた。そしてまた、残りの全員が見学してくれた。鹿島さんも含めてね。もちろん鎧はホールにあるか
    矢口 沙緒  [551]
  • 欲望という名のゲーム?123

    「書き留める必要がないもの。あのレモンパイが出てくる前に、私はコルクに書かれているヒントを見ているのよ。つまり、あの時点でクイーンの位置は知っていたの。あのレモンパイの通りに頭の中で駒を並べる。そして、コルクで知ったクイーンの位置にクイーンを配置する。そのプロブレムを解けばいいんでしょ。チェス盤なんかいらないわ。その場で解けちゃったもの。その答を覚えておけばいいだけ」「なるほど、チェス盤を使わな
    矢口 沙緒  [613]
  • 欲望という名のゲーム?122

    「私はまだこの封筒の中を見てないけど、でも賭けてもいいわ。この中にある権利書の有効期限は、少なくともあと一ヶ月はあるはずよ。そうでしょ」「な、何を馬鹿なことを!」そう言った鹿島の顔色が変わった。「それが貴方の切り札。そして私の切り札でもあるのよ」「いったい、何を根拠に言っているんだ!」「私はまだカードを全部は開かないわよ。カードを全部開いて手の内を見せる時は、ゲームの終わる時よ。それまでは、お互
    矢口 沙緒  [583]
  • GO AWAY#83

    第十八話 乗っ取り旬と大津との企画を合わせた一時間後の午後三時大津の番組であるニュース3は予定通り放送されていた。生放送なので三時ぴったりに放送された。旬はメインアナウンサーで、隣には女子アナウンサーが旬のサポートをしていた。今日の主なニュースを次々と読み上げていく旬とアナウンサー。ここまではいつも通りの番組だった。旬が知立銃殺事件の事を報道するまでは………旬がニュースの原稿用紙をペラッとめくっ
    速見  [414]
  • 欲望という名のゲーム?121

    「そして私達は宝探しをするけど見付からない。当然よね。貴方が持っているんですから。貴方はその間に私達を観察して、その中の適当な人物に、それを売り付けるのよ。十億や二十億位要求しても、きっと相手は応じるでしょうね。誰が適任かな?明彦兄さんか深雪姉さんというところかしら?もっとも、こんなことを私が改めて言うこともないでしょ。貴方は全て承知のはずだから…」「なるほど、それはうまい手だ。ちっとも気がつき
    矢口 沙緒  [560]
  • 欲望という名のゲーム?120

    「そして三日目にチャンスは来たわ。明彦兄さんが庭の木の根元を掘り出した時よ。貴方も含めて全員が木の所に集合していた。私は地下に降りて、ピカソのラベルのシャトー・ムートンを自分の部屋まで運んだの。そして、白のクイーンを手に入れたのよ」「三日目にして、すでに白のクイーンを…なんと、素早い」鹿島はそう言って再び目を細め、孝子に一歩近付いた。「先手必勝って言うでしょ」孝子が一歩後ろに下がる。「その夜の食
    矢口 沙緒  [541]
  • 欲望という名のゲーム?119

    「私が最初にそれを見付けて、そして遺産を一人で相続したら、それをみんなが知ったら…私は無事に済むかしら?みんなの前で私が遺産を相続してしまったら、もう雅則兄さんのゲームは意味がなくなるのよ。今度意味を持つのは、私の命。駅のホームで電車を待っている時に、後ろから押されるかもしれない。一人で夜道を歩いていたら、不審な車に轢き殺されてしまうかもしれない。とにかく私が死ねば、私の相続した遺産を、今度は残
    矢口 沙緒  [578]
  • 欲望という名のゲーム?118

    「この宝探しはね、簡単な謎掛けの連続なのよ。いくつかの重要なポイントにさえ気が付けば、あとはどうって事ないの。ひとつはあのスマイル君、そしてもうひとつは、最初のテープで雅則兄さんがパブロを抱いて示した時、その手にワインの満たされたワイングラスがあった事。このふたつのものが、地下のワイン貯蔵庫を暗示しているという事に気付けば、次にどうしたらいいかが分かってくるわ。私は図書室でワインの本を調べたの。
    矢口 沙緒  [568]
  • 欲望という名のゲーム?117

         2「た、孝子様!どうして…?」鹿島は立ち上がった。「鹿島さんに見せたい物があるのよ。貴方がこの屋敷を解体する前に、どうしても見てもらいたい物があるの。それでわざわざ戻って来たのよ。あの道をずっと歩いて」そう言って、彼女は後ろ手にドアを閉めた。「屋敷を解体?いったい何の話です?」孝子がいたずらっぽい目をした。「とぼけてもいいわよ。だって鹿島さんは、お芝居がお上手ですものね。でもね、もうこ
    矢口 沙緒  [581]
  • 欲望という名のゲーム?116

    最終章勝利者という名の賢者     1夕闇がすぐそこまで迫ってきていた。夜の闇に呑まれかかった屋敷に、一台の黒い乗用車が近づいてきた。花畑を横切る車寄せの道の小砂利を踏み締め、それはゆっくりと屋敷の前まで来る。薄暗がりの中で、車のライトに照らし出された屋敷が、まるでブロードウェイの劇場のように美しく浮かび上がった。そう、彼にとってこの屋敷は、劇場だったのかもしれない。そこで演じられたお芝居の最も
    矢口 沙緒  [582]
 
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