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ミステリに含まれる記事が2060件見つかりました。

 
  • 欲望という名のゲーム?103

    第七章別れという名の   ゲームセット     1シャトー・ムートンから抜いたコルク栓を手に持っていた友子が、急に大きな声を上げた。「見て!コルクに何か書いてある。新しい手掛かりよ!」友子が差し出したコルク栓の横の部分に、確かに文字が書かれている。しかし、これは行き止まりを告げるメッセージではない。ただ一行、次のように書かれていた。『WQg3』「これはあのレモンパイに書かれていたものと同種のもの
    矢口 沙緒  [533]
  • GO AWAY#76

    雪野の説得に京都は「う〜ん……わかった。じゃあリアル乗っ取りは止めるか〜じゃあ『なんちゃって乗っ取りは?』」京都の提案に雪野は「なんちゃって?」と、首をかしげて聞き返した。「うん。マジで乗っ取るんじゃなくてTV局の人に説明して乗っ取りに協力してもらうんだよ。それだと、局公認だから罪にはならないよ」京都の相変わらずの笑みに少し負けそうになった雪野だが「でも、私は指名手配犯なのよ?真っ先に通報されて
    速見  [399]
  • 欲望という名のゲーム?102

    五人はワイン貯蔵庫の中を歩き回った。こうして特定の一本を探すのは、それほど手間のかかる作業ではなかった。ワインはその産地別に、見事に分類されていたからだ。そして、ついに問題のワインを見つけた。シャトー・ムートン1982年。ラベルには得体の知れない絵が書いてある。「ねぇ、これ封を切ったあとがあるわよ。ほら、ここのところがこんなになってる」孝子がボトルの首の周りについている封を示す。「このままじゃ中
    矢口 沙緒  [551]
  • 欲望という名のゲーム?101

    「なぜ気付かなかったんだろう」「そうなんだよ、深雪。あれはワインの三色だったんだ。白ワイン、ロゼワイン、赤ワイン。僕達はその中にいたんだ。みんながワインを目にしながら、これに気付かなかった。ロゼは茶色、白はそのまま白。だからこの場合の黒は、赤ワインを指しているんだ」「そう言えば、特に色の濃い赤ワインを、黒ワインと呼ぶ国もあるって聞いた事があるわ」孝子が思い出したように言った。「じゃ、こういうこと
    矢口 沙緒  [523]
  • GO AWAY#75

    「ん?言っていなかった?TVを使って渡沼をTV局に呼び出そうって作戦だよ」京都が満面の笑顔で雪野に親指を立てて説明をすると、雪野は怒る気力も失せたのかその場にへたり込んでしまった。京都が「大丈夫?佐藤さん?」と、心配そうな声で雪野に手を差し伸べると雪野は煮るなり焼くなり好きにしなさいと、言わんばかりにゆっくりと京都の手を使って立ち上がったが一応「なんでTV局に行くって聞いてもいいですか?宇川君?
    速見  [393]
  • 欲望という名のゲーム?100

         4パスタを口に運びながら、喜久雄は考えていた。さっき友子が、『黒猫と三毛猫の関係』と言った時、何か答がすぐそこにあるような気がした。だが、それが形にならないのだ。とても簡単な事のように思える。すぐ目の前でヒラヒラしているみたいだ。でも、うまくつかむ事が出来ない。最初から順序立てて考えなくてはいけないらしい。彼はフォークを置き、腕組みをした。まず『三毛猫』だ。友子は三色の毛の猫だと言った
    矢口 沙緒  [535]
  • 欲望という名のゲーム?99

    「じゃ、孝子。おまえはこの黒猫が手掛かりだというのか?」「そうね、手掛かりというよりも、道しるべじゃないかしら」そう言って、彼女もシュバルツェ・カッツェを一本手に取った。「では、仮に道しるべとして、その示す先はどこだ?」「多分『ピカソ』だと思うわよ。ただ問題は、この黒猫のワインとピカソの関係よね。この黒猫に意味があるのかしら?」「兄さん、ひとつ図書室に行って、このワインの事を調べてみたらどうでし
    矢口 沙緒  [535]
  • 欲望という名のゲーム?98

    「実は俺もあそこには行ってみた。というのも、ちょっと気になる事があってな。ほら、雅則が初日のテープをよく見ろと言っていただろ。それで何回か再生してるうちに、ある事に気が付いた。雅則が猫を抱き上げて、これがヒントだと言った時、あいつは猫を抱いている手に、ワインを満たしたワイングラスを持っていたんだ。俺は猫と同時にワインもヒントだとほのめかしているように思えた」「あっ、そう言えば確かに持っていた」喜
    矢口 沙緒  [545]
  • 欲望という名のゲーム?97

    「なんだ、孝子?」「ピカソに関する物が、まったくなかったわけじゃないわ。トランプの箱にピカソの絵があったもん。ただ深雪姉さんはそれを追いかけて、行き止まりにぶつかっちゃったけど」「じゃ、孝子に聞くが、深雪がトランプからたどった道の途中で、どこかで間違えたという事はないか?途中で脇道にそれたとか」「それはないと思う。あのトランプは最初から罠だったのよ」「じゃ、俺のときと同じだな」明彦は麻雀牌からた
    矢口 沙緒  [508]
  • GO AWAY#74

    適当に服を選んだ二人はその場で着替えて、また新たな眼鏡とヘアピン・帽子で変装をした。変装をし終えた、二人は大胆にも電車で名古屋まで向かった。「人がいっぱいでばれるんじゃないのか?」と、雪野は反発したが「事件発覚から二日も経てば意外と人はその事件を軽視するもんだよ。まさか、指名手配犯が大胆に電車で移動するとは思わないだろうしね。それに、いくらなんでも名古屋まで歩くのは嫌でしょ?」京都がそういうと雪
    速見  [377]
 
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