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ミステリに含まれる記事が2060件見つかりました。

 
  • 欲望という名のゲーム?32

    「どうして兄貴が自分の物を取るんだ?」喜久雄が言った。「過去に訪れた客かなんかが取ったと考えるほうが、自然なんじゃないか?高価なチェスセットなんだろ」「それはないわよ。だって、これはセットだから価値があるんであって、白のクイーンだけを取っても、たいした意味はないわ。それに、この陳列台だけはガッチリ鍵が掛かってるし。簡単には取れないわよ。だからこれは、雅則兄さんが意識的に持ち出したんじゃないかしら
    矢口 沙緒  [414]
  • 欲望という名のゲーム?31

    五号室はこの屋敷の中でも特に異色だった。この部屋だけが畳敷きになっているのだ。上がり口で靴を脱ぐようになっている。中には将棋盤と碁盤がいくつも置いてあり、そして左の棚には将棋の駒が、右の棚には碁笥が多数あった。誰も靴を脱いでまで上がる者はなかった。六号室はまさにチェスの部屋だった。この部屋だけは棚ではなく、豪華な陳列台になっていて、百セット以上のチェスの駒が並べられてあった。もちろんオーソドック
    矢口 沙緒  [404]
  • 欲望という名のゲーム?30

    三階は中央に長い廊下が一本あり、その左右に三部屋づつ、そして廊下の突き当たりに一部屋と、計七部屋から成り立っていた。右側の三部屋のドアに1、2、3と順に、左側のドアには4、5、6と、やはりそれぞれ番号が打ってあった。正面のドアには何も書かれていない。「左右の六部屋には、雅則様のゲームコレクションが収められております。正面の部屋は雅則様の自室です」鹿島を先頭にした一行は、順に一号室から回る事にした
    矢口 沙緒  [400]
  • 『クライアナノナカ』 の真相 〜11〜

    私は、『クライアナノナカ』のインタビューをする、という形でディナーから色々聞き出す事にした。「さぁ、飲み物を頼もう。私が注文してくるよ」「なんか、至れり尽くせりで申し訳ないですね。じゃあ、シャンディーガフを」ディナーの口角が上がる。その様子は、まるで好青年だ。私は烏龍ハイに見せかけた烏龍茶で、彼と乾杯した。料理も揃い、和やかに晩餐は始まる。「…という事は、『クライアナノナカ』は完全に君のオリジナ
    ヤルンヴィドの番犬  [436]
  • GO AWAY#53

    第十二話 六年前の事件二人がいる場所は、丁度知立市の図書館と安州の図書館の間にあったので二人は現場に戻れやすさと、知立市の全学校が休校になっていることをふまえて知立の図書館に向かった。しかし、図書館の開館時間は十時からのはず。今の時間は七時ちょっと前だ。本来ならば二人とも学校の準備をして家族と朝食をしているはずだ。「今頃お父さんお母さんはどうしているかな?」と、ふとつぶやいてしまった雪野は慌てて
    速見  [365]
  • 欲望という名のゲーム?29

    「この貯蔵庫の広さは、屋敷の敷地面積とほぼ同等です。ここにいったい何万本のワインがあるのか私は知りません。おそらく雅則様も、その正確な数までは知らなかったでしょう。このワインのほとんどは、屋敷の前の持ち主の物だったのです。雅則様が屋敷をお買いになられた時、このワインのコレクションも一緒に引き取られました。というよりも、むしろこのワインのコレクションがあったからこそ、それを屋敷ごと買われたといった
    矢口 沙緒  [420]
  • 欲望という名のゲーム?28

    五人はぐるっと中をひと回りした。確かにほとんどがゲームの関係書だった。将棋、碁は勿論のこと麻雀、トランプ、チェス、ボードゲーム、あるいはコンピューターゲームに関する本、洋書も多数あり、これもまたゲームの本のようだった。あとはミステリー小説、ワインあるいは洋酒に関する本、パズルの本、料理の本、絵画の本、などである。「料理の本は、全部牧野さんの本ですね」鹿島が付け加えた。「そしてこちらに並んでいます
    矢口 沙緒  [422]
  • 『クライアナノナカ』 の真相  〜10〜

    最後の『クライアナノナカ』が終わり、訪れた新たな展開。それは『ディナー』との、直接コンタクト。それは私にとって『クライアナ』なのか、それとも『アカルイデグチ』なのか。私は、まだ見ぬ標的を想定し、様々な仕掛けを事前に施す事にした。意外にも、『ディナー』は時間も場所もこちらに任せると言ってきた。ならば、こちらはそれを最大限利用する。彼が凡人なのか、策士なのかはまだ分からないからだ。綿密に戦略を練り上
    ヤルンヴィドの番犬  [433]
  • 欲望という名のゲーム?27

        2「ここがこの屋敷の中央広間になります。一般的にホールと呼ばれる場所です」鹿島が説明を始めた。まるで博物館を見学する小団体と、それを引率する係員のようだ。「あちらが正面入り口、そしてこちらを中央階段と呼んでいます。彼はいちいち手で示しながら説明を加える。「この一階には、先ほどの食堂のほかに、応接室と図書室があります。まず応接室からご案内いたします。こちらへ」鹿島は中央階段に向かって右側の
    矢口 沙緒  [345]
  • 『クライアナノナカ』 の真相  〜9〜

    ついに最後の、七人目だ。名前:ナグモ ケンタ年齢:22歳暗い性格が災いし、高校でイジメに会ったのがきっかけで引きこもりになる。基本的に『オタク』気質だったらしく、ゲームやアニメにはまってしまい、それが引きこもりをより加速させてしまったらしい。両親はそれがきっかけか新興宗教に入信。近所の住民によれば、絶えず怒号や悲鳴が飛び交っていたという。典型的な家庭崩壊。それは今のこの国の縮図に思える。『クライ
    ヤルンヴィドの番犬  [457]
 
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