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ミステリに含まれる記事が2060件見つかりました。
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スカーレットと青?
―翌朝・午前九時―\rオットーは部屋で簡単な身仕度を済ませると、アヒムを起こしに、アヒムの部屋へと行った。アヒムの部屋は殺伐としていて、部屋の隅には何の工夫もないベッドが置かれ、床にはヘルマン・ヘッセの「郷愁」と鼠色のワークキャップが乱雑して置かれていた。手触りの悪い掛け布団を捲ると、ベッドは既にもぬけの殻で、オットーは少し不安感に似たものを覚えた。すると、玄関先から何か物音が聞こえ、恐る恐る近
ブランキー [388] -
スカーレットと青?
オットーがアパートに帰ると、アヒムは既にキッチンテーブルの前に座っていた。二人が住むアパートは、街の西に流れるヴェーザー川のほとりの街側に位置している。二人は共に十四歳であったが、学校に通う金はなく、年齢的にも働き先すらもらえなかった。そんな二人は盗みで生計を立てるしかなく、アパートの家賃や生活費をやりくりするので精一杯であった。「今日は盗らないのか。」オットーが低い声でアヒムに問う。「ああ」ア
ブランキー [388] -
スカーレットと青?
路肩に設置された木製ベンチに座っている少年二人の沈黙にさして、近くにある“結婚式の家”の尖塔の仕掛け時計が鳴った。アヒムはこのメロディにひどく嫌悪感を抱く癖があり、メロディに合わせてひょこひょこと動くからくり人形たちの列を睨み、「くそっ。頼む、とまってくれ…」そう呟いたが、音が終焉を迎えることはなく、このまま永遠に鳴り続けるような気さえアヒムは起こしてしまうのであった。しかしそもそも、アヒム少年
ブランキー [399] -
スカーレットと青?
《ドイツ・ハーメルン》「なあ、アヒム。イタリアのシチリア島ってのはさ、やっぱりサッカーボールの役割なんだな。だからバッジョみたいな天才が生まれるのさ。イタリアのサッカーってのはどんなに泥臭い一点でも最後まで守り通すスタイルなんだ。カテナチオだっけか?まあいいや。でもさ、その一点をとるのはやっぱり絶対的エースなんだ。なあイタリアって足の形してるだろ?」「それがどうしたんだ、オットー。」アヒムは催促
ブランキー [535] -
GO AWAY#35
その場にいた警官はすぐに京都の姿を確認しようと辺りを見渡したが京都の姿はどこにも見えなかったその瞬間「グフッ」雪野の拘束を解こうとした警官のうめき声が聞こえた!杉本らが雪野を見るとそこには警官の鳩尾に警棒を当てて気絶させている京都の姿があった!!「形勢逆転だな。さぁこの警官の命が惜しければ俺達の言う事を聞くんだな」今度は京都が気を失った警官の首を腕で軽く絞めて雪野から渡された棒を突き立てた。気を
速見 [407] -
GO AWAY#34
杉本達はドアノブをゆっくりと回して開けようとするが「(ん?)」ドアノブを回した警官が顔の眉をひそめた。「どうした」と聞くと、押しても開かないみたいだ。どうやらドアの向こうで二人掛かりで塞いでいるみたいだ。殺人犯でも所詮子供の浅知恵だとその場にいた者が笑みをこぼし、体当たりをして開けた。流石に大の大人が体当たりをしたら鍵がかかっていないドアに体当たりをしたように手ごたえ無く簡単に開けられた。予想外
速見 [416] -
GO AWAY#33
第七話 人質「鏡京都がこの廃屋にいるぞ!!」杉本は自分で考えるより早く叫んでいた。一応秀才で設定が通っている杉本は無意識のうちに叫んでしまったことにすぐに後悔してしまった。ここで叫んでしまったら廃墟ビルに潜伏している雪野達にばれて逃げられてしまう。と、思ったが「なに!?本当か?お手柄だ!!」先輩の百木は杉本の肩を叩いて杉本が指した廃墟ビルへ走って行った。杉本も慌てて百木の後を追って行った。自分が
速見 [416] -
GO AWAY#32
まぁ少しは予想していたが実際に聞くのは多少なりガッカリするものだ。苦労して現場に来たがあまり成果は上げられなかった。実際現場にこれ以上いるのは得策ではない。「さて、これ以上は危険だ。さっさと行こう」「けど、現場には警察官がたくさんいるイメージがあったけど案外いないもね」京都と雪野は現場を見た感想を言いながら屋上を後にした。ビルの三階に下りた時だった。下から警官が「ご苦労様です」と、声が聞こえ気に
速見 [423] -
GO AWAY#31
最後に得た情報は京都達の学校が雪野の事件があったせいで当分の間閉校になるということだ。雪野は自分のせいで学校に迷惑をかけたと、泣きそうになったが京都が「そうしたのは佐藤さんを犯人に仕立て上げた真犯人だから気にしない」と、すぐに言って雪野を慰めた。しかし、いくら繁華街とはいえどたった四〜五キロしか離れていないので帰宅する生徒とばったり会うかもしれない。偶然出くわせばいくら変装をしていてもばれる可能
速見 [424] -
Big Bigミステリー 2
歩「とりあえず、現場検証をしたいので、伺ってもいいですか」 歩たちは依頼人の真紀(まき)の自宅に向かった。 歩「ここにパソコンが置いてあったんですね?」 真紀「はい」 歩「紗耶香、頼む」 紗耶香「はーい♪」 紗耶香は見かけによらずすぐれた鑑識能力を持っている。 紗耶香は鑑識が始まるといつもからは考えられないほど表情が変わる。 30分程度たった 歩「紗耶香、なんか見つかったか?」 紗耶香「手袋の
橋 [657]