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ミステリに含まれる記事が2060件見つかりました。
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ストレンジ・ウィーク PART4
占い師の老人はニヤリとした。「そうじゃ。ワシの本来の目的は人々の人生を良き道へ変える事なのだ。」「では僕の人生も変える事ができるんですね?」占い師はじっと正志の目を見つめている。「あの。どうしたんですか?そんなに凝視しないで下さいよ。」老人は正志から目をそらした。「お主は、良い目をしておる。将来、結婚もそうだがやりたいことがあるな?」「はい、僕は世界中を旅してみたいという夢があるんですよ。」「ほ
フェリス [531] -
消えた30の瞳
「はい。私の父は、こちらです」 矢口は斉藤を、父親の遺体の傍へ案内した。 斉藤は、ヘルメットを脱いで膝まづくと、深々と頭を下げ、手を合わせた。 そして、その横に並べられた、セスナ機の犠牲者、5人の遺体にも手を合わせた。 「後の9人は、こちらです」 野崎が、大きな穴を指差すと、斉藤が、穴を覗き込んだ。 斉藤は一瞬、地獄の様相に顔を背けたが、同じ様に手を合わせた。 そして、同行して来た捜索隊員に指
内田俊章 [564] -
ストレンジ・ウィーク PART3
正志は、月に心を奪われながら我にかえった。さあ、飲みに行こう。どこか隠れ家的なバーが良いなと彼は歩き始めた。しかし、彼は暗い狭い道に入り込んでしまった。なんか薄気味悪い道に来てしまったなぁ。悪漢に襲われたりしないかとか、野良犬に追われたりしないかとか不安になった。その時、道の片隅で怪しげな老人が椅子と机を並べて座っていた。正志は警戒しながら、おそるおそる近づいてみた。机の上に立てられた目印の板に
フェリス [532] -
ストレンジ・ウィーク PART2
正志と後輩の木下はソウルヤミという韓国料理店で食事をしていた。店内のスタッフはみんな韓国人で流暢に日本語を話せる韓国人もいれば、そうでない人もいた。テーブルの上にはトッポギ、チヂミ、プルコギ、イカフェサラダ、ユッケジャンなどの定番の韓国料理が並べられていた。「木下、韓国料理は好きか?」「はい、海外の料理はあまり食べた事が無いのですが、韓国の料理は日本人向けで美味しいです。」「確かに、アジアの料理
フェリス [556] -
消えた30の瞳 ?
矢口と野崎は、雪渓の上に打ち上げられた遺体を、1体づつ慎重に引き摺りながら、少し離れた、岩盤の露出している辺りまで運んだ。 間もなく、200m程離れた、平らな岩盤の上に、ヘリコプター2機が到着し、数人が降りて来た。 その中には、斉藤隊長の姿も有った。 矢口は、斉藤に暴言を吐いた時に、腹を決めていた。 斉藤が、地図の作成と、セスナ機遭難事故の、捜索方法の責任を問われて、職を失うか、自分が首になる
内田俊章 [394] -
ストレンジ・ウィーク PART 1
毎日繰り返される淡々とした陳腐な日常生活。そんな永遠と続くこの不条理でありきたりな生活を明け暮れる私達、人々。主人公、正志はそんな世界から脱出しようと考えていた。暇な時があっては空想し、行った事の無い世界へ飛び出そうと妄想にふけるのだった。アフリカのサバンナでサファリをする夢、ラスベガスの高級ホテルベラッジオでの一獲千金を賭けたギャンブル、グレートバリアリーフの白いビーチを走り回る夢など考える事
フェリス [673] -
精神科医
「本日はどうなされましたか?」 パイプ椅子に腰かけた若者に私は問いかけた。彼の診察は何時もこの言葉で始まる。 「どうしたもこうしたもありませんよ。貴方を取り調べに来たのです」 またか……。私は思ったが声には出さない。精神科医がこんな事を言ったら治療は成り立たないのだから。 「成る程。貴方は自分を刑事だと思い込んでいる。違いますか?」 巷で流行っている刑事ドラマの影響なのだろう。近頃の患者は、
阿部和義 [728] -
消えた30の瞳 ?
矢口は、言いたいことを言い、スッキリした。 そのやり取りを聞いていた野崎も、“よくぞ、言ってくれた”との表情だった。 「さあ、これからが大変だ!」 矢口が言うと、野崎も答えた。 「そうだな。遺体を引き上げるのに、足場が悪いな!」 2人は、ヘリコプターが到着するまでの30分、遺体引き上げのための、段取りを始め様とした。 “ドドドドーン” その時だった。 2人が居る場所より、50m程上で、雪が大量
内田俊章 [359] -
消えた30の瞳 ?
2人は、心を落ち着かせて、改めて穴を覗き込み、遺体の数を数えた。 父親以外は、セスナ機の乗員乗客に間違いないらしく、15人の遺体の、30の瞳が、薄暗い水面から、2人を見つめていた。 2人は、自分たちが所属する、山岳警備隊の事務所ではなく、警察へ連絡を入れた。 そして、遺体搬出のヘリコプターを要請した。 間もなく、斉藤隊長から、連絡が入った。 「矢口君、何故私にではなく、先に警察へ連絡を入れたん
内田俊章 [402] -
買い取り3
薄暗い部屋の中には三人の男たちがいた。正確には四人。解剖の済んだ被害者の遺体を囲む様に男たちは視線を下に向ける。「首の動脈がすっぱり切られていました。ある意味ではショック死ですね」解剖医の小田は自身の眼鏡を少し上げると淡々と言った。「顔つきからして必死に抵抗したん…でしょうかね」新米刑事の溝谷はぎょっとした様子で怖ず怖ず呟く。「親指を除く指先全てに鬱血の跡があるでしょう?度合いはそれぞれですがま
ルカイ [669]